DMM GAMESとレベルファイブが発表した新作タイトル『装甲娘』。本作に関して、レベルファイブの日野晃博氏とDMM GAMESのプロデューサー斎藤祐士氏にインタビューを行った。

 2017年9月29日、DMM GAMESとレベルファイブが記者発表会を開催し、『ダンボール戦機』のライセンスを借りて制作するブラウザゲーム『装甲娘』が発表された。

 記者発表会の閉会後、ファミ通.comではレベルファイブの日野晃博氏とDMM GAMESのプロデューサー斎藤祐士氏にインタビューを行う機会を得た。本作開発の経緯から、ゲーム内容、そして“装甲破損”など、気になる点を両氏に聞いた。(聞き手:週刊ファミ通 藤川Q)

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(右)日野晃博氏(レベルファイブ 代表取締役社長/CEO)
(左)斎藤祐士氏(DMM GAMES 『装甲娘』プロデューサー)

――本日の発表は、本当にびっくりしました。『ダンボール戦機』を1作目から遊んでいたようなファンは驚いていると思います。

日野 きっとそうですよね。ですが、『ダンボール戦機』のリリースから6年が経ちましたので、当時12~13才だった方たちは成人近くなっています。ちょうど『装甲娘』の世界観とマッチする年代になったのではないでしょうか。

――たしかに、これまでのシリーズ作品と比べても、戦争をテーマとした『ダンボール戦機ウォーズ』に近いか、さらにハードな世界が舞台になっていて、オトナ向けの雰囲気があります。それにしても、そもそも本作がこうした座組で生まれ変わることになった経緯は、どういったものだったのでしょうか?

日野 斎藤さんから企画をいただいたんです。その企画のプレゼンテーションのときに、その『ダンボール戦機』愛にたいへん熱意を感じまして。

斎藤 自分はもともとレベルファイブさんの作品が大好きで、『ダンボール戦機』もファンでした。シリーズ作品もすべてやりこんでいたくらいだったので、いちファンとして、ずっと続編を期待していたんです。でも、『イナズマイレブン』シリーズは新作が発表されたのに、『ダンボール戦機』はないのかと(笑)。それならば、自分もゲームクリエイターなのだから、新しい作品を提案させていいただいて、自分で作ればいいじゃないか! と思ったんです。

日野 ちゃんと作品を愛していただいている方でしたので、ぜひお任せしようと。……もちろん、意見はいっぱい言わせていただきましたが(笑)。

斎藤 そうですね(笑)。本作のテーマとして“新しい挑戦”というスローガンを挙げたのですが、文字通り挑戦的な内容になりました。今回は、開発・運営はDMM GAMESが行い、レベルファイブさんには監修という形で参加していただいて、サービスを行うため、DMM GAMESならではの作品になっていないと、コラボレーションの意味がありませんから。

――まさにまったく新しい『ダンボール戦機』で、度肝を抜かれたファンも多いと思います。ところで、本作は原作の世界のパラレルワールドになるとのことでしたね。

日野 原作とは別の世界になります。LBXのデザインなどのつながりはありますが、基本的にはDMM GAMESさんに自由に作っていただきたいと思っているんです。我々も、DMM GAMESさんのノウハウを学びたい気持ちがありますから。じつはゲームの開発もかなり進んでいるので、なぜ発表会でゲーム画面を出さなかったのだろうかと、不思議に思ったほどで(笑)。

斎藤 発表会では、まずはレベルファイブさんとの取り組みという点を説明させていただくことにスポットを当てようと(笑)。今後は続報をたっぷりと出していきたいと考えていますのでご期待ください。本日からPC版の事前登録が始まっていますし、2~3ヵ月ほどでリリースできるよう開発を進めています。

――リリースも近いのですね。では、気になるのはどんなゲーム内容なのか、という点ですが、ヒントだけでも……。

斎藤 うーん(笑)。そうですね。ジャンルはシミュレーションRPGになります。イメージとしては……『ダンボール戦機ウォーズ』に近いかもしれません。ですがPCブラウザゲームなので、原作のようなアクションを再現することは難しいのですが、ゲーム中にはキャラクターたちが動き回るような表現も盛り込まれています。原作の“必殺ファンクション”についても、まったく同じようには再現できませんが、プロモーション映像で登場していた〝ライトニングランス”を始め、“インパクトカイザー”などの必殺ファンクションも、もちろん入っています。

――“ライトニングランス”といえば、アキレスのアタックファンクションですが、本作に登場するLBXは、擬人化されたのではなく、あくまでも装甲としてパーツを身にまとっている状態ということなんですよね。

斎藤 そうですね。パラレルワールドとはいえ、そうしたLBXの技やパーツの部分など、随所に「これはもしかして!?」と『ダンボール戦機』ファンの方に思っていただけるような要素を盛り込んでいます。

――シリーズファンなら、ニヤリとできる要素があると。『ダンボール戦機』シリーズでは、対戦もアツい要素のひとつでしたが、本作にもマルチプレイやオンラインなどでの通信プレイはあるのでしょうか?

斎藤 今回は、基本的にはひとりでプレイするゲームになりますが、ほかのプレイヤーが存在することは認識できる要素があります。協力プレイのようなつながりを、ハードルに感じてしまうお客様もいますので……。むしろ、自分のこだわりの装甲娘を、みんなに披露したくなる、といったイメージに近いかもしれません。

――なるほど。従来のシリーズでのLBXにあたる、装甲娘の登場には驚かされましたが、何と言っても、戦いに敗れた女の子の装甲が破損して肌が露わになるという“装甲破損”システム! 日野さんは、この企画を最初に見たときにどう感じましたか?

日野 きっと反対したのではないか、と思われるかもしれませんが……そんなことは全然なくて。「どうせならもっと振り切って、ガツンとやりましょう!」 と(笑)。企画段階で装甲破損時のイラストを見せていただいたときは、いまよりもソフトな感じだったんです。

斎藤 ええ、最初に企画を提案する際には、さすがにこんなことをしてしまってもいいのだろうかと(笑)。

日野 やはり、ゲームはエンターテインメントですので、お客様の期待には、想像を超える形で応えなければいけませんよね。本作において、装甲破損のシステムもそのひとつなのですが、シナリオを含めて、僕らから「これはダメだ」というような制限や縛りをすることはありませんでした。

斎藤 いまは、しっかりと「これはやりすぎ」というNGラインも見定めていただきながら、ギリギリを攻めています。DMM GAMESとレベルファイブさんが組む、というおもしろ味が出せているところではないかと感じています。

――原作ではパーツの付け替えによるカスタマイズも大きな楽しみだったのですが、今度はパーツの装甲が破損することまでが楽しみ(?)になるとは……まさに“新しい挑戦”です。ところで、今回のタッグを伺うと、やはりクロスメディア展開や豪華クリエイターや声優陣の起用といった点についても気になります。

斎藤 声優さんに関しましては、若手の方から代表作を持っていらっしゃる方まで起用しています。キャラクターデザインやシナリオも、かなり実績のある有名な方を採用していますので、楽しみにしていてほしいです。

――今回はアキレス、エンペラー、ジョーカー、クノイチ、ハンターのキャラクターデザインが公開されましたが、ほかのLBXがどんな装甲娘になっているか、とても楽しみです。個人的にはデクーがどうなるのか気になります(笑)。

日野 デクーですか(笑)。

斎藤 なかなか鋭いところを突いてきますね(笑)。デクーのイラストも完成していますが、公開はまだ先になります。ですので、まずは本日発表させていただきました5人のキャラクターを表に出したいなと。ちなみに私の推しは、こちらも公開はまだできませんが……ファンなら誰もが知っている主役級のLBXなのですが、はやくお見せしたいです。

――うずうずされているくらいに人気のLBX……? 公開が楽しみです。ちなみにシリーズ作品では、バンダイからプラモデルが発売されていましたが、本作ではクロスメディア展開のひとつとして、フィギュアが発売されるのですね。

斎藤 ええ。コミックやアニメ、フィギュアといった展開を予定しています。フィギュアは、美少女ものが好きな方へ、きちんとアプローチするために、フィギュアを数多く手掛けてこられたコトブキヤさんと組ませていただきます。

――レベルファイブ作品は、さまざまなメディアで展開する商品との連動機能がありますが、本作でも、フィギュアがゲームと連動したりするのでしょうか?

日野 そうですよね。これについては、いまのところは、ご想像におまかせします……(笑)。

斎藤 コミックやアニメのスタート時期については、ゲームのリリース後に、ファンの年齢層に合せたものとして、順次展開していければと考えています。

――本作は、既存の『ダンボール戦機』ファンだけでなく、新規のファンも増えそうですね。

日野 そうなんです。ですので、『ダンボール戦機』をまったく知らない方に楽しんでほしいですし、オトナになった原作ファンの方にも、「アキレスがこうなったのか」とか、「オーディンはどうなる?」とか、おもしろがっていただければと思います。今回の発表は、おかげさまで大きな反響があったようですが、こういった、既存のコンテンツを、思いもよらない形でアレンジして世に出すことこそ、エンターテインメントとしてすごく楽しいことだと、個人的に思うんです。だからこそ、このDMM GAMESさんとのタッグだからこそ生まれた『装甲娘』を機に、過去の『ダンボール戦機』シリーズにも、新たに興味を持っていただき、シリーズの世界に触れてもらえたらうれしいです。