水口哲也氏が語るVRの未来とは? “クリエイターズトークショー@TGS2017 VIVEブース”リポート【TGS2017】

2017年9月21日(木)から9月24日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2017(21日・22日はビジネスデイ)。同イベントのVIVEブースで行われた、Enhance Gamesの水口哲也氏によるトークイベントのリポートをお届けする。

 2017年9月21日(木)から9月24日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2017(21日・22日はビジネスデイ)。同イベントのVIVEブースで行われた、Enhance Gamesの水口哲也氏によるトークイベントのリポートをお届けする。

 東京ゲームショウ2017のVIVEブースでは、最新VRタイトルの試遊のほか、23日には同ブースに出展されているVRタイトルの開発者を招いて“VRの今がわかる! クリエイターズトークショー@TGS2017 VIVEブース”と題したトークイベントを実施。そのトップバッターを『Rez Infinite』などを手掛けるEnhance Gamesの水口哲也氏が務めた。

 トークイベントは、MCのPANORA VRの広田稔氏、HTC VIVEの日本の責任者を務める西川美優氏とともに3人で進行。まずは、8月にPC版が配信開始された『Rez Infinite』とオリジナル版『Rez』の話題から。『Rez』は、敵を倒したときの効果音がどんどん音楽化していき、今度はその音が映像と反応していく……というように、ゲーム中の映像、音楽、振動などあらゆる要素がシンクロしていく、共感覚シューティングアドベンチャーゲームとして、2001年に発売された。その『Rez』をHDリマスター化、VRへの対応、新ステージを追加したのが『Rez Infinite』だ。8月に配信開始されたPCでは、さらに高解像度(8K)への対応やゲームを一時停止して360度を見渡せる“ビューモード”、世界中のプレイヤーとスコアを競い合う“スコアアタックモード”が追加されている。

 PC版は、コンシューマーとは違い、PCはプレイヤーが持っているハードのスペックが異なるため、さまざまな要望やトラブルがあり、配信開始から約3週間ほどはその対応に追われていたそう。ただ、「やればやるほどユーザーとの絆ができていくのは、PCのおもしろいところだと思います」とPC版の苦労と魅力を水口氏は語った。

写真左から西川美優氏、水口哲也氏。

 『Rez』を語るうえで欠かせない要素のひとつが振動。オリジナル版『Rez』では、同作のためだけに開発されたコントローラとは異なる振動パターンで振動する周辺機器“トランスバイブレータ”を同梱した限定版が発売されたほど。『Rez Infinite』では、さらに共感覚体験を高めるために、26個のアクチュエイター(振動素子)を内蔵して音を体感できる“Synesthesiaスーツ”も制作された。Synesthesiaスーツに内蔵された振動素子は、ドラムの触覚、ベースの触覚、ギターの触覚というような音による感覚の違いまで再現できるため、スーツを着て『Rez Infinite』をプレイすると、音楽が触覚とともに動くような体験が楽しめるのだという。

『Rez Infinite』を視覚・聴覚・触覚で体感する共感覚スーツがさらに進化! “シナスタジアスーツ2.0”プレス体験会リポート

『Rez Infinite』を視覚・聴覚・触覚で体感できる“シナスタジアスーツ2.0”のプレス体験会のリポートをお届けする。

東京ゲームショウ2017のVIVEブースでは、Synesthesiaスーツ 2.0を着用して『Rez Infinite』を体験できた。

 続いて、水口氏は過去のゲーム開発を振り返りながら、頭の中で思い描いているものが、マシンスペックなどの都合により、完全に表現できないことにフラストレーションを感じていたことを明かした。『Child of Eden』(※2011年10月6日にプレイステーション3とXbox 360で発売)が完成した際には、新しいテクノロジーが出てくるまでは、ゲームを作るのを辞めると決めていたそう。そんなときVRが登場し、再びゲームを作る決意をしたとのこと。

 その話を聞いた西川氏から“なぜ、VRで『Rez』を作ろうと思ったのか?”と質問された水口氏は、1998年にプリプロダクションがスタートした『Rez』の開発時にも、水口氏の頭の中では、視界の全方位がゲーム世界に囲まれたVRのようなイメージがあったものの、当時の技術では平面のモニターで作ることしかできないという制約に、ずっとフラストレーションを感じていたのだという。VRの登場により、ついにその制約から解放されるということで、VRに対応した『Rez』の制作を決めたと開発経緯を説明した。

 そうして完成した『Rez Infinite』には、VRに特化した新ステージ“Area X”が追加され、プレイしたユーザーからは、これまでに感じたことのない“新しい体験”として、世界中で話題を呼んでいる。水口氏は同ステージについて「もともとトリロジ―で考えていたんです。『Rez』、『Child of Eden』と作ってきて、さらにその先にまったく新しい作品を作りたいと思っていて、じつは“Area X”はその予告編のつもりで作っていたんです」と“Area X”に込めた想いを語った。広田氏から“それがVR作品であるのか?”聞かれると「もちろんです。アクセルを全開に踏むために、Enhance Gamesという会社を作ったので。僕はVRを背負っていくつもりです」(水口氏)と力強く回答した。

 その後、水口氏はVRの未来について「いろいろなテクノロジーと融合して進化が始まると思います」とコメント。自動運転のクルマを例に出し「(自動運転が当たり前になれば)何もしなくてもいいというところから、もっとラグジュアリーになっていき、移動しながら勉強や仕事をする人も出てくるでしょう。そのときにVRやMRは活躍すると思います。外を見たり、友だちと会話したり、仕事したりするにもVRやMRは使えますし、単体では考えられないですね」とほかの技術との相性のよさを説明した。

 まだまだ話題は尽きない様子だったが、ここで時間になってしまいトークイベントは終了の時間に。最後に水口氏は、イギリスのゲーム雑誌“Edge”が発表した“The Greatest Videogames”の2017年版に『Rez Infinite』が18位にランクインしたことを報告。また、東京・新宿にある“VR ZONE SHINJUKU”に『Rez Infinite』の試遊台が展示されるようになるというお知らせも。興味を持った方は、ぜひ足を運んでみよう。