水口哲也氏のミニインタビューもお届け

 エンハンス・ゲームズより発売中のプレイステーション4、プレイステーション VR対応ソフト『Rez Infinite』。同作を視覚・聴覚・触覚で体感できるスーツ“シナスタジアスーツ2.0”のプレス体験会の模様をリポートする。

『Rez Infinite』を視覚・聴覚・触覚で体感する共感覚スーツがさらに進化!  “シナスタジアスーツ2.0”プレス体験会リポート_02

 『Rez Infinite』は、ゲーム中の映像、音楽、振動などすべての要素がシンクロする共感覚をコンセプトに開発されたシューティングゲーム。その体験をさらに強化するために製作されたのが、シナスタジア・スーツだ。スーツには、26の振動素子が装着されており、そこから全身に音を感じながらゲームをプレイできる。シナスタジア・スーツの振動には質感があり、弦楽器で弾かれている感覚や、太鼓で叩かれている感覚など細かな振動の違いまで再現可能。さらに、その振動の違いに合わせて、スーツのLEDが点灯するため、スーツを着用している人だけではなく、見ている人も視覚として音を感じることができるのだ。

 そんな、シナスタジア・スーツがこの度、“1.0”から“2.0”にバージョンアップ。大きな変更点としては、これまで別々だった振動スーツとLEDスーツが一体化され、さらに、1.0では『PlayStation VR Demo Disc』などに収録されている体験版ステージでのプレイに限られていたが、2.0では『Rez Infinite』のために作られた新ステージ“Area X”に対応している。

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▲左がシナスタジア・スーツ1.0、右が2.0。

 記者も実際に体験されてもらったが、BGM、弾を撃つ音、敵を倒したときの効果音など、すべての音を全身で感じながらプレイするArea Xは、唯一無二の感覚で、通常のプレイ時とは別次元の体験に感じられた。

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 また、記者は体験終了後に同行していたカメラマンがプレイする様子を見ていたのだが、これが実におもしろい体験になった。というのも、前述の通りシナスタジア・スーツは、振動に合わせてLEDが点灯する仕組みになっているのだが、プレイしている本人はプレイステーション VRを装着しているため確認できない。それを初めて見て「すごく綺麗だ……」と感動したのと同時に、「この色でこのパターンで光っているということは、こういう振動がきているに違いない」と想像することができたのだ。この視覚情報から触覚を感じる(実際には振動を感じることはできないが)というのは、これまで経験したことのない不思議な感覚だった。

 なお、シナスタジア・スーツ2.0は、ゲーム関連グッズの通販サイト“iam8bit Japan”で販売されている『Rez Infinite』コンプリート・パックの購入者を対象とした一般ユーザー向けの体験会も実施される。こちらの商品は数量限定となっているため、気になる方はお早めに!

※『Rez Infinite』コンプリート・パック商品ページ

<セット内容>
・レコード・セット(日本語訳ブックレット付)
・ゲームソフト(PS4パッケージ版)
・Tシャツ(Level 01 Player Form)[サイズ:S~XXXL]
・Tシャツ(Exclusive Design by Phil Fish)[サイズ:S~XXXL]
・ピンバッジ(Player Form 00)
・ピンバッジ(Level 01 Player Form)
・【特典】CD(Area X の楽曲中、レコード・セットに未収録の謎の音楽ユニット
Hydelic[ハイデリック]による「Starlight Infinite」のオリジナル曲、sasakure.UK
による同曲リミックスの2曲を収録)
・【特典】非売品『Rez Infinite』ステッカー
・【特典】今後東京で開催される<シナスタジアスーツ2.0(最新版)体験会>へのご
招待チケット(パスカード型)

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「『Rez Infinite』は発売してから始まったような気がしているんです」(水口氏)

 体験会終了後、『Rez Infinite』を手掛けた水口哲也氏にミニインタビューを実施。その模様をお届けする。

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▲エンハンス・ゲームズ 水口哲也氏

――まず、シナスタジア・スーツを製作した経緯を改めてお話いただけますか?
水口 『Rez』は共感覚体験をテーマに開発しました。それをVRを展開するということになったときに、視覚や聴覚だけではなくて、全身で音楽を体感させたいという思いがずっとあったんです。昔は、ただの構想で実現は難しかったんですけど、技術が進歩して実現できそうになってきたので、作ってみようと思ったのがきっかけですね。そこから、ライゾマティクス(Rhizomatiks)と慶應メディアデザインに声を掛けて、産学共同という形で製作を進めていきました。

――“シナスタジア・スーツ2.0”は、以前公開されていた、バージョンからどこが変わっているのでしょうか?
水口 1.0は振動とLEDのスーツが別々だったのですが、2.0は一体化しました。LEDの光は自分ではほとんどわからないんですけど、周りで見ているとすごいんですよ。振動を色と光りで表現しているので、色の変化を見て「いまはこういう振動がきているのかな?」と想像しながら見るのがオススメです。あとは“Area X”に対応したというのが大きいですね。そのほかにも、アンプの部分を増強したので、振動がパワフルになっています。

――少し話は変わりますが、『Rez Infinite』の新たな実験として、6月3日に日本科学未来館で半球のドームシアターに投影してゲームをプレイするという試みが行われますが、こちらの意図や狙いを教えてください。

※イベント情報ページ

水口 VRの可能性というのは、まだまだあると思うんですよね。プレイステーション VRのように被るタイプとは違ったタイプのVRもありますし。そういったことを考えていたときに、日本科学未来館のドームは4Kに対応しているので、投影してみたらどう見えるんだろう? と思いました。今年はそういう感じでいろいろな新しい試みや実験をスタートしていきたいです。ふつうのゲームは発売したら終わりという感じですが、『Rez Infinite』は発売してから始まったような気がしています。今回の実験以外にもいろいろなことを考えて、みなさんにお声掛けしようと思っているので、そのときはぜひご協力していただけるとうれしいです。

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 体験会ではシナスタジア・スーツでの体験以外に、4KテレビでもArea Xをプレイさせてもらった。記者は、プレイステーション VRやフルHDのテレビで何度もArea Xをプレイしているので、正直、あまり驚かないだろうと思っていのだが、あまりに衝撃に思わず声を上げてしまった。とくに敵を倒したときなどに表示されるパーティクル(粒子)が、画面から飛び出してくるんじゃないかと思えるほど、ひとつひとつがハッキリわかるレベル表示されているのだ。VR関連の賞を数多く受賞している本作だが、4Kテレビでの体験もすばらしいものになっているので、ぜひプレイしてみてほしい。

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