2017年8月22日~26日(現地時間)、ドイツ・ケルンメッセにて開催された、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2017。同イベントでも高い注目を集めていたユービーアイソフトの『アサシン クリード オリジンズ』から、クリエイティブディレクターのインタビューをお届けする!

●開発のキーパーソンが新たな『アサシン クリード』の革新を語る

ユービーアイソフトより2017年10月27日発売予定のプレイステーション4、Xbox One向けソフト『アサシン クリード オリジンズ』。古代エジプトを舞台に、シリーズで長きにわたって描かれてきたアサシン教団の起源(オリジン)が明らかになるだけあって、世界中のファンが期待する最新作だ。
 2017年8月22日~26日(現地時間)、ドイツ・ケルンメッセにて開催されたヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2017でも、最新の試遊版が体験できた(プレイリポートはコチラ)のだが、それと同時に本作のシニア・クリエイティブディレクターであるジャン・ゲドン(Jean Guesdon)氏にインタビューする機会を得た。新たに明かされたゲームシステムなどについて話を聞けたので、お届けしていこう。

▲ジャン・ゲドン(Jean Guesdon)氏。本作の開発の中心を担うUbisoft Montrealで、シニア・クリエイティブディレクターを担当。『アサシン クリード』シリーズには『1』から携わっており、『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』でもクリエイティブディレクターを務める。ゲームだけでなく、ノベルやコミック、ショートムービーなどのコンセプトも手掛ける、シリーズにおける開発の中心人物のひとりでもある。

――今回の試遊ではAyaというキャラクターが登場しましたが、彼女はどのようなキャラクターなのですか?

ジャン・ゲドン氏(以下、ジャン) バヤクの妻です。とても意志が強く、目的を達成するという決意が固い女性です。バヤクと同じ目的を持っていますが、同じ道を通るわけではありません。彼女はアレクサンドリアでクレオパトラと出会い、クレオパトラとバヤクの架け橋となります。

――『アサシンクリード』シリーズといえば歴史上の人物が出てくるところも魅力ですが、本作で明らかになった3名の人物について教えてください。

ジャン 本作ではクレオパトラが女王になるまでの道程を描いています。彼女が伝説的な人物であることは、誰もが知っていますよね。しかし、王冠を手にするまでの道のりがいかにたいへんだったかは、あまり知られていません。本作で描かれるクレオパトラは、まだ19から20歳です。若いとはいえ、王冠と権力を手にしたいという願いを持つクレオパトラもまた、意志の強い女性です。そして、彼女の弟であるプトレマイオス13世は、まだ13から14歳くらいの幼い少年です。歴史上ではパワフルな王だと思われているかもしれませんが、実際には力がなく、周囲が決断力を持っている状況となっています。

――クレオパトラと言えば、シーザー(カエサル)の存在も外せません。

ジャン シーザーは、自身の敵であるポンペイオスを追っていて、結果としてエジプトの市民戦争に関わることになります。バヤクのストーリーも、ここに絡んでいきます。バヤクとなるプレイヤーは、この重要な歴史的イベントの一部になるというわけです。当時のシーザーは52歳で自信もあり、すでにパワフルなローマ執政官としてローマの実権を握っていますが、完全とは言えない。彼に比べれば、クレオパトラもプトレマイオスもただの若者です。そこで、彼は自身の権力を盤石にするため、そしてローマのために戦略を駆使します。

――実際にプレイしてみて、過去作からさまざまな部分が変化しているように感じましたが、どのようなコンセプトで開発を進めているのでしょうか?

ジャン 本作では、シリーズの伝統にも敬意を表していますが、それと同時に、プレイヤーの経験を新鮮なものにするため、フランチャイズを進化させる必要があると感じていました。そこで、コンバット・システムを完全に変更しています。それがヘッドボックスシステムです。この新しい戦闘システムは以前より反応がよく、よりダイナミックな戦闘が楽しめます。小型の武器と大型の武器を選択できるのですが、それぞれで戦い方が異なりますし、武器を変更するときのスピードも早くなっていますよ。

――確かに、それは実感できました。

ジャン メインとなるのは、コントロールをプレイヤーの手に戻すことです。何が起こるかは、私たちがコントロールするのではありません。ゲームは以前より全体が有機的につながっており、開発側は新しいAIとコンバット・システムを提供しているにすぎません。そこから先は、プレイヤーに他人とは違う経験を楽しんでほしいですね。

――武器の種類はどれくらい用意されているのですか?

ジャン まずは弓ですが、クラシックなスタイルのハンターボウ、続けて矢を射ることができるライトボウ、ショットガンのように使えるウォリアーボウ、スナイパーライフルの要領で使えるプレデターボウなどがあります。近接戦闘では、短剣、スピア(槍)、メイス、長い杖などが活躍しますし、ふたつの隠しブレードも存在します。毒などのツールもあるので、これらを合わせて使えば、効果も上がるでしょう。トーチ(松明)で敵に火を点けることも可能ですし、トーチを置いて、矢に火を点けて射るなんて戦い方もできます。

――スキルポイントはどのような仕組みになっているのでしょうか?

ジャン 本作におけるRPG要素を強化するため、レベルアップ・システムを搭載しました。レベルアップするたびにアビリティポイントを獲得できるので、自分の好きなスキルを成長させられます。アビリティはステルス、ファイト、マニピュレート(環境の操作や毒の使用など)の3つに枝分かれしていて、プレイヤーは好きな方向を選んでスキルを獲得できます。最終的にすべてのアビリティを獲得できますが、どの方向に育成させるかによって、ゲーム体験は変わるでしょう。もちろん、決められた方向に育成を進める必要はありません。すべて、プレイヤーの自由です。

――ライオンやトラなどの野生動物が出てくるようですが、どのようにプレイに絡んでくるのでしょうか。敵に襲い掛かるように仕向けたりできますか?

ジャン ライオン、ワニ、カバ、ハイエナ、ヒョウ……動物はたくさん出てきます。彼らも生きているので、エサとなるものは攻撃します。もちろん、プレイヤーもエサのひとつですから(笑)、攻撃されます。逃げるのか、戦うのか。それとも、アビリティで手なずけたほかの動物を使って戦わせるのか。プレイヤーの選択次第ですね。手なずけることができた動物はプレイヤーについてきて、プレイヤーを守ってくれることもできます。

――もうひとつ気になったのは、敵を倒すと武器やアイテムを入手できますが、これらの内容は固定されているでしょうか?

ジャン それはランダムです。ただし、特定の場所やボスでは、プレイヤーに特定のアイテムを提供するために内容が固定されています。そのほかの場合は、レベルやストーリーの進み具合、必要性に応じて、システムがランダムに作り出しています。

――今回の試遊はXbox One X版でしたが、プレイステーション4、プレイステーション4 Pro、Xbox Oneでゲーム体験は異なるのでしょうか?

ジャン 私たちはすべてのプラットフォームに向けて、ひとつのゲームを開発しているので、できる経験は同じです。いわゆる上位機のパワーがあれば、ビジュアルやグラフィックのクオリティーで、より没入感が増すとは思います。もちろん、すべてのプラットフォームでゲームはスムーズに動きますよ。

――最後に、発売を楽しみにしているファンにメッセージを!

ジャン 『アサシン クリード』シリーズ10周年の記念すべきタイミングで、このゲームをお届けできることにとてもワクワクしています。私たちは本作をとても楽しみながら開発していますので、それと同じくらい日本のファンの方々にもゲームを楽しんでいただければうれしいですね。世界史の中でも、特定の時代に光を当てたことで、とてもすばらしいアドベンチャーゲームになっています。プレイされたら、ぜひ皆さんの意見も私たちに聞かせてほしいですね。