『シェンムーIII』は、Deep Silverをパートナーに、よりパワーアップした内容へ。鈴木裕氏インタビュー【gamescom 2017】

ドイツ・ケルンメッセにて開催されている、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2017にて、鈴木裕氏にインタビュー。『シェンムーIII』の開発状況についてうかがった。

●お金を稼ぐ手段は、釣りに薪割りに、フォークリフト?

 2017年8月22日~26日(現地時間)、ドイツ・ケルンメッセにて開催されている、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2017。同イベントに、Ys Netが開発中の『シェンムーIII』が出展され、最新開発ムービーとスクリーンショットが公開された。
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 本記事では、gamescom 2017会場にて行った、『シェンムーIII』ディレクター 鈴木裕氏のインタビューをお届け。大手パブリッシャーであるDeep Silver(ディープシルバー)と提携した意図や、今後の展望などをうかがった。

『シェンムーIII』ディレクター
鈴木裕氏
(文中は鈴木)

――初めに、現在の開発状況をお聞かせいただけますでしょうか。
鈴木 このあいだ、スケジュール変更の発表をさせていただきましたが、そのときすでにDeep Silverさんとのお話が進んでいたんです。Deep Silverさんにパートナーになっていただけるということで、最初に目標にしていたものより、さらに上のものを目指せるなと。ですが、それには開発期間もかかります。より前向きに取り組むべく、発売時期を2018年下半期としました。

――改めて、Deep Silverとタッグを組むことになった経緯を教えてください。
鈴木 僕たちがパートナーを探している中で、いろいろな方からDeep Silverさんをご推薦いただいて。実際にドイツのミュンヘンでお話しして、ぜひDeep Silverさんと取り組みたいと思い、決定しました。

――新たなパートナーを得たことで、何か開発環境に変化はありましたか?
鈴木 先ほどお話しした通り、ゲーム内容をより充実したものに変更できるようになりました。スケジュールを変更することで、皆さんを心配させてしまったかもしれませんが、「パワーアップするんだ!」と、応援してくださる方も多くて、よかったなと思います。

――今回のgamescomに合わせて公開されたトレーラーの冒頭のシーンは、『シェンムーII』のエンディングを思わせるものでしたが……やはり『シェンムーIII』の物語は、あのシーンから始まっていく?
鈴木 そうですね、『シェンムーII』のラストの洞窟を、(『シェンムーII』発売から)15~16年経ったテクノロジーで再現したら、『II』との差を見せられると思ったんです。表現力が上がると、メッセージ性も高まると思うので。『シェンムーII』ラストの翌日から、『シェンムーIII』の物語が始まるんです。

――まさに直後のお話なのですね。ちなみに、1作目、2作目を遊んでいないゲームファンに対しては、どのようなフォローを想定していますか?
鈴木 ビジュアルベースで過去の物語を紹介するダイジェストの制作を考えています。ムービーの形になるかどうかは、まだわからないのですが。

――イメージとしては、『シェンムーII』に収録されていた、前作のダイジェストムービーのようなもの?
鈴木 あれよりは簡単なものになるかと思います。それから、いま涼は父の痕跡をたどっているので、物語の中で昔のことを思い出すこともありますし、ゲーム内で過去作のキャラクターに国際電話をかけることもできますから、その際に「この人たちと、こんなことがあったなあ」という回想が入ったりもします。(過去作の物語に触れる際)ムービーひとつに頼るのは美しくないので、分散させたほうがいいのかなと。『シェンムーIII』から始める人も楽しめるようにしなければいけないと思っていますが、一方で、『I』、『II』を遊んだ人がクスッとできる演出もあります。

――続いて、『シェンムーIII』のシステムについてうかがいます。以前、白鹿村、鳥舞、白沙が登場し、それぞれの街で遊びが異なるとおっしゃっていましたが、もう少し具体的な内容を教えていただけないでしょうか。
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鈴木 チューニングの中で遊びも変わっていくので、まだ詳しくはお話しできませんが、鳥舞なんかは、いま力を入れて作っていますよ。『シェンムー』らしい要素もあります。カメとかアヒルとか、カエルとかが……出ますよ(笑)。

――それを使った何かが楽しめるということですね!? 『シェンムーII』にはアヒルレースがありましたが……。
鈴木 レースもあります。それから、ルアーフィッシングをやりたいんですよ。いろいろな人が釣りのポイントを教えてくれて、釣ったものを売ってお金にできるという仕組みにするつもりです。

――そのほかに、お金を貯める手段はありますか?
鈴木 薪割りですね。

――薪割りですか! ……フォークリフトは?
鈴木 フォークリフトは……やらないと、皆さんに怒られちゃうから(笑)。フォークリフトも準備中です。

――とても気になります。気になると言えば、バトルの詳細も気になるのですが……。
鈴木 プレイスキルに関わるような部分で、新しいシステムを入れたいですね。もちろん、QTEの新しいものも考えていますし。スキルツリーのような形で技が使えるようになっていきますが、新技の習得に関しては難しくせず、ふつうにプレイしていればだんだん技が集まっていくようにするつもりです。

――続いて、キャラクターについてうかがいます。開発レポートでは、新たな人物が紹介されていましたが、どのような役割を果たすキャラクターなのでしょうか。まず、ほうきを持った女の子がいましたが……。
鈴木 『シェンムーII』におけるクン・ファンメイ(薫芳梅)のような存在にしたいと思っている子です。どこまでの要素を実装できるかわかりませんが……。

――オカンのような女性は?
鈴木 ホテルの店主です。ですから、毎日会えますよ(笑)。このくらいキャラクターに特徴があるといいですよね。

▲お爺さんのキャラクターの姿も見られるが、涼の師匠になるのだろうか。鈴木氏によれば「師匠のようなキャラクターも、もちろん出てきます」とのことだが……。

▲この新キャラクターの正体も気になる!

――今後、『シェンムーIII』の最新情報を、どのようなスケジュールで公開していく予定ですか? 東京ゲームショウには出展されるのでしょうか。
鈴木 東京ゲームショウは今年は出展予定はありません。本格的なプロモーションは、もう少し先になると思います。このgamescomに出展したのは、Deep Silverさんがパートナーになったことで、ゲーム開発をよりしっかり進められるようになったことを伝えるためですので。グローバルなマーケティングは、今後展開していきます。つぎの展開は、早くても年末くらいでしょうか。

――出資者向けには、体験版を配信予定であると告知されていますが、その時期も気になります。
鈴木 体験版については、どういう形がいいのかをよく考えたいと思っています。本当は、『I』の体験版のような形にできればいいのですが。

――出資者との食事会を実施されたとのことですが、いかがでしたか?
鈴木 本当に、心に沁みる経験でしたね。熱いファンの皆さんが来てくださって、「裕さんが納得するゲームを作ってくれ」というご意見をいただきました。責任をすごく感じますね。

――では最後に、発売を楽しみにしている皆さんに、メッセージをお願いします。
鈴木 何よりもお伝えしたいのは、Deep Silverという強力なパートナーを得て、パワーアップした『シェンムーIII』を目指せるようになったということです。これからもどうぞ応援をよろしくお願いします。