『シャドウ・オブ・ウォー』タリオン役のトロイ・ベイカーさんに聞く 「ここには人生のすべてがある」【E3 2017】

『シャドウ・オブ・ウォー』タリオン役を担当した声優のトロイ・ベイカーさんに聞く!

●声優の第一人者も『シャドウ・オブ・ウォー』に太鼓判

 2017年6月13日~15日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのコンベンションセンターにて、世界最大規模のゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2017が開催。会期中に、ワーナー ブラザースから10月12日発売予定の(海外は10月10日)『シャドウ・オブ・ウォー』にて、主人公のタリオン(およびケレブリンボール)の声を担当した、声優のトロイ・ベイカーさんにインタビューする機会を得た。


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トロイ・ベイカーさんと言えば、『バイオハザード6』(2012年)のジェイク・ミューラー役や『バイオショック インフィニット』(2013年)のブッカー・デュイット役、『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』(2013年)のジョエル役、『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』(2016年)のサム・ドレイク役など、数々の役柄を演じてきた、いわばゲーム声優の第一人者。前作『シャドウ・オブ・モルドール』に続き主人公のタリオンを演じ、『シャドウ・オブ・ウォー』の世界観を大いに盛り上げている。ここでは、タリオンを演じるにあたっての苦労などを聞いた。ちなみに、トロイさんは、『戦国BASARA』の石田三成や『テイルズ オブ ヴェスペリア』のユーリ役など、日本ゲームの英語版の声優を担当していることもあり、日本もある程度はご理解できるようで、適宜日本語を交えながら、フランクな受け答えで取材に応じてくれたのが印象的だった。

 なお、すでに明らかにされている通り、本作の国内版は日本語フルローカライズで提供される予定になっている。何らかの形で、トロイ・ベイカーさんの熱演も聴ける英語音声にも対応してほしいところではある。


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――タリオンを演じるにあたって、どのようなことを念頭においていましたか?

トロイ わかりました(日本語で)。役者として、ゲームの収録で最初にいちばん大事だと思っているのは、“そのキャラクターがきちんとゲームに入っていること”です。“属していること”ですね。本作では、タリオンというキャラクターが『シャドウ・オブ・モルドール』から進化した形で登場します。でも、プレイヤーにとっては継続性のあるキャラクターでなければなりません。あと、ゲーム自体もマップも大きくなっていれば、“ネメシスシステム”も新要素が付け加えられたり……と、大いに進化しています。できることが大いに増えている。全体が大きくなっていることに、きちんとついていけるキャラクターにしないといけないと思いました。

――キャラクターやゲーム性は進化しつつも、前作と継続性のある感じで演じるということなのですか? その調整はたいへんだったのでは?

トロイ はい(日本語で)。“タリオンである”ということをすんなりと受け入れてもらえるようにしなければいけませんでした。一方で、本作ではタリオンと同じくケレブリンボールも進化しています。ケレブリンボールというのは、タリオンのもうひとつの側面でもあるので、タリオンとケレブリンボールがある意味でチームとして、いっしょに進化しているように見えないといけない。また、私はパフォーマンスディレクターも兼任しているのですが、キャラクターとパフォーマンスが同化していて、ストーリーとゲームもいっしょに動いているということを、すごく注意しました。それはチャレンジでしたね。


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――お話を聞いていると、いわゆる映像の声優を手掛けるのと、ゲームの声優を担当するのとでは、トロイさんの中では演じかたが違ってきそうですね。

トロイ 違いはありますね。アニメとゲームの違いというと、ゲームはフルパフォーマンスでキャプチャーをするので、そこは大きな違うです。でも、それは映画やテレビでもやることではあります。ただ、“ストーリーを語る”という意味では、映画やTVはカットシーンをつなぐことになりますが、ゲームの場合は、プレイヤーがオープンワールドの中でその役を担うことになります。いわゆるインタラクティブ性ですね。そこは大きな違いがありますね。たとえば、『シャドウ・オブ・ウォー』でしたら、誰をリクルートするかとか、どうやって攻撃するのかといったこともありますので。

――もしかして、トロイさんはモーションキャプチャーも担当していらっしゃる?

トロイ そうです。

――いままでゲームでいろいろな役柄を演じていらっしゃいますが、基本モーションキャプチャーも担当しているのですか?

トロイ すべて、というわけではありません。スタジオごとにやりかたがありますので。あるスタジオの作品では、声だけということもあります。『シャドウ・オブ・ウォー』のようなスケールの大きなゲームですと、映画と同じような制作体制になりますので、モーションキャプチャーと声を担当することになります。

――モーションキャプチャーも含めて演じるのと、声だけを担当するのとでは、どちらのほうが演じやすいということはあるのですか?

トロイ 当然、モーションキャプチャーもやったほうが演じやすいです。モーションキャプチャーと声をいっしょにやると、キャラクターとして深く入っていけるし、より深みのあるものができる。声もアクションもいっしょに起きていることですから、そのほうが自然にできますし、言ってみれば、舞台と映画がいっしょになったようなものだと、私は捉えています。

――あれ、もしかして、パフォーマンスしながら声も収録しているのですか?

トロイ いっしょなんです。モーションキャプチャーをするときに、カメラと2本のマイクもいっしょにつけて、同時に収録しています。いまはそれが主流になっています。演じていて、真実味があるんです。攻撃するときも、避けるときも、全部アクションをして、それを録っています。

――なるほど。ちなみに、タリオンを演じるにあたって、どんなキャラクターだと把握して演じているのですか?

トロイ それは私にとって重要な点ですね。コアの部分ではすごくいい人間だと思うし、ヒーローだと思います。ただ、彼は正義のためであれば、何をすることを厭わない人でもあります。ゲームの中に入ると、彼がどこまでやるのか……というのは、プレイヤーが選べるんです。一方で、ケレブリンボールという存在もいます。ひとつのストーリーでありながら、タリオンとケレブリンボールという両方の立場があるということが、醍醐味ではありますね。

――お気に入りのシーンを教えてください。

トロイ E3会期中にトレーラーが公開されたのですが、タリオンが最初にエルタリオに出会うシーンです。ここは、とても重要なシーンです。これまでは、ケレブリンボールが見えるのはタリオンだけでしたが、エルタリオにもケレブリンボールが見えることがわかり、プレイヤーは「なぜ彼女には見えるのだろう?」と疑問に思うことでしょう。そしてタリオンが「あなたは誰なのだ?」と問いかけます。プレイヤーが初めてローラ・ベイリーがしっかりと演じるエルタリオに出会うシーンなんです。また、またケレブリンボールとタリオンのあいだに緊張感があることもわかります。そのへんは、パフォーマンスディレクターとして撮影するにあたって注力したポイントでもありますね。このシーンはとても気に入っています。


トロイ もうひとつお教えしましょう! これは、Xbox E3 2017 Briefingでお見せしたおもしろいシーンです。ブルースという大型のオークが、大口を叩いてきたフロッグというオークをあっさりとうっちゃるシーンです(トレーラーの35秒あたりから)。あるすばらしい俳優さんが演じているのですが、名前はいずれ発表します。本作には、ダークな側面とライトな側面があります。それは、(ゲームの世界が現実と同じように)生きているからです。私たちは笑ったり泣いたりしますが、同じようにこのゲームは、人生のすべてを包含しているのだと思います。


――最後に、日本のファンに向けて、ひと言お願いします。

トロイ モルドールの戦場でお会いしましょう!

 というわけで、トロイさんはタリオンのモーションキャプチャーも担当しているとのことなので、モルドールの戦場で、トロイさんの動きを確認してくださいまし!