PCを考慮に入れてゲームを開発

マイクロソフト PCゲーミング担当に聞く「Xbox Play Anywhereにより両プラットフォームでプレイするユーザーが増えている【E3 2017】_08

 2017年6月13日~15日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのコンベンションセンターにて、世界最大規模のゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2017が開催。会期中に、マイクロソフトのシニアグローバルディレクター、PCゲーミング Xboxのケヴィン・アンガストに取材する機会を得た。ご存じの通りマイクロソフトでは、Xbox Play AnywhereによりXbox OneとWindows PCの垣根を取り払おうとしているが、その戦略は?

――PC Gaming Showで『Age of Empires:Definitive Edition』が発表されましたね。

ケヴィン 本日、PC向けに『Age of Empires:Definitive Edition』を発表しました。オリジナルが1997年にリリースされてからちょうと20年経つのですが、ファンの皆さんに愛されている作品だけに、ファンの皆さんに喜んでいただけるような内容になるように注力しています。グラフィックはもちろんですが、サウンドに関してもオーケストラでの録音をしています。また、Xbox Liveによるマルチプレイも実現しています。20年のときを経て、『Age of Empires』が再びプレイできるようになることに興奮しています。

――いまの時代にマッチした内容に最適化しているということですね?

ケヴィン そうですね。マルチプレイやグラフィックなど、いまのリアルタイムストラテジーファンが望む要素を入れるようにしています。開発陣は、オリジナルの『Age of Empires』のプレイフィールを守りつつ、いかにいまの時代にマッチしたものにできるか、細心の注意を払っています。

――今回のリマスターは、ファンからの要望を受ける形で実現したものなのですか?

ケヴィン そうです。マイクロソフトには『Halo』シリーズや『Gears of War』シリーズなど、すぐれたフランチャイズを多数保持していますが、『Age of Empires』は、その中でも古い歴史を持つフランチャイズです。マイクロソフトフランチャイズの“原点”の1作と言ってもいいかもしれません。8月にドイツで行われるgamescomでは、さらに詳細な情報を発表しますので、楽しみしていてください。

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――PC Gaming Showでは、2016年のPCゲームの市場規模が過去最高といったアナウンスがなされていましたが、市場は好調なようですね。

ケヴィン そうですね。PCでのゲームプレイを快適なものにしようとする成果が出たのだと思っています。たとえば、Windows 10でもゲームバーやブロードキャストのMixerのサービスなどを実装して、利便性の向上に努めています。キーボードのサポートやプレイステーションコントローラーへの対応など、アクセサリーのサポートにもしっかりと取り組んでいます。

――そういった、きめ細かな努力がPCユーザーを増やしているとは言える?

ケヴィン はい。ゲームコンテンツ自体の最適化に関してもそうです。マイクロソフトスタジオの開発陣は、いかにPCに適したゲームプレイを実現できるかを念頭において、開発を進めています。そんな成果もあって、Turn 10 Studiosによる『Forza Motorsport』は、PCゲーマーにとって、もっとも愛されるレースゲームのうちの1本になっていますよ。

――マイクロソフトでは、Xbox Play Anywhereで、Xbox One用ソフトとWindows 10用ソフトの両方を購入できるシステムを採用していますが、その成果もある?

ケヴィン そうですね。Xbox OneとWindows 10によるユニークなエコシステムができていると自負しています。Xbox OneでもPCでも好きな環境でゲームがプレイできるわけですから。『Forza Horizon 3』や『Halo Wars 2』を購入すれば、自分の部屋でPC版を遊んで、リビングに移ってXbox One版を遊ぶといったことも可能です。

――どれくらい、Xbox Play Anywhereを利用しているか数字は開示されていますか?

ケヴィン それこそたくさんのPCプレイヤーが違うプラットフォームでプレイしていますよ。『Killer Instinct』などはクロスプラットフォームでの対戦も多いです。ただ、明確な数字は把握しづらいですね。

――家庭用ゲーム機向けとPC向けの両方を購入されているユーザーさんは増えているのですね?

ケヴィン そうですね。タイトルにもよりますが、いろいろな人が家庭用ゲーム機とPCで使っています。PCのほうも開発に力を入れていまして、クリエイターも、相互のプラットフォームでリリースされることを想定して、ゲームデザインに取り組んできていますよ。