『Skull and Bones』プロデューサーに聞く ユービーアイソフトの新作は海賊の香り漂うPvPがアツい海戦アクション【E3 2017】

ユービーアイソフトの完全新作『Skull and Bones』の開発を担当する、ユービーアイソフト シンガポールのアルノー・ボドゥール氏に聞いた。

●『アサシン クリード』シリーズで培ったノウハウを駆使

 2017年6月13日~15日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのコンベンションセンターにて、世界最大規模のゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2017が開催。6月12日に行われた“Ubisoft's E3 2017 Press Conference”にてサプライズ発表された『Skull and Bones』は、海賊船の船長として敵海賊と闘うという艦隊戦のアクションゲーム。5対5のPvP戦などが可能だ。本作の開発を手掛けるのは、本作がデビュー作となる、ユービーアイソフト シンガポール。“デビュー作”と書いたが、スタジオ自体は長い歴史を持っており、『アサシン クリードIV ブラック フラッグ』などの開発も同作が担当している。ニュアンスとしては、実力派スタジオが満を持しての“独り立ち”といったところだろうか。ここでは、プロデューサーのARNAUD VAUDOUR(アルノー・ボドゥール)氏に話を聞いた。

▲少しだけ日本に住んでいたこともあり、日本語も少しお話になるアルノーさん。真摯な態度でひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれました。

 なお、冒頭でお断りしておくが、本作は日本国内での発売は正式決定していない。とはいえ、主要タイトルは日本でもリリースしてくれているユービーアイソフトのことだから、本作も大いに期待したいところだ。

[関連記事]
海賊をテーマにした新作タイトル『Skull and Bones』を発表【E3 2017】
今年のユービーアイソフトはひと味違った! “Ubisoft's E3 2017 Press Conference”まとめ【E3 2017】

■海戦時は、風向きを読むことが重要に

――そもそも、なぜ海賊のゲームを作ることにしたのですか?

アルノー 私たちは『アサシン クリードIV ブラック フラッグ』の開発に参加していたのですが、同作が終わったあとで、「プレイヤーどうしが集まって海賊船での戦いを展開したら、すごくおもしろいのではないか?」と思ったんですね。それでプロトタイプを制作したところ、ものすごく感触がよく手応えを感じたんです。フィーリングはよかったのですが、それだけでは十分ではなくて、もっと感情移入してもらえる要素がほしかった。それで、プレイヤー自身が“海賊”として、キャラクターに寄り添えるような形でゲームを作りました。

――トレーラーを見る限りでは、さまざまなタイプの海賊がいそうですね。

アルノー 本作では、プレイヤーは海賊になります。若い海賊がいかに海賊のボスになっていくかが描かれるのです。ストーリーを進めていくことで、プレイヤーは少しずつ成長していくのですが、自分の好きなタイプになれるというわけです。船にもタイプがありまして、スピードは速いけれど、小さくて脆いとか、大きくてパワフルだけど、スピードは遅いといった形でバラエティーに富んでいます。つまり、5対5のPvPでは、チーム中で自分がどの船を担うかというのも重要になってきますね。

――PvPがメインになるかと思われたのですが、本作ではストーリーも充実していそうですね。

アルノー 全体のストーリーはありますね。それはひとりで遊んでいても、友だちとプレイしていても、マルチプレイでバトルしていたとしても、全部ストーリーにつながってきます。PvPだけがメインというわけではありません。

――ちなみに、ストーリーはどのような感じになるのですか?

アルノー “海賊の黄金時代”と呼ばれていた、18世紀がストーリーの舞台となります。インド洋やマダガスカル、カリブ海などで海賊が出没していた時代ですね。主人公は新人の海賊から、少しずつ力を蓄えて、部下を持ったりして、どんどんのしあがっていきます。最終目標は、海賊のボスになることです。

――操作方法は、『アサシン クリードIV ブラック フラッグ』に則ったものになるのですか?

アルノー アクセシビリティー(遊びやすさ)は向上させていますが、基本はいっしょですね。ただ、大きくはふたつの違いがあります。ひとつは船のカスタマイズ要素。大砲の強力さや、船の旋回する速度などをカスタマイズできるようになっています。もうひとつは、風向きを読むことが重要になります。これは本当の船もいっしょなのですが、いかに風を読んで巧みに船を動かすかで、バトルのときに大きな影響を与えることになります。

――つまり、ゲームとしては、風上にいるか、風下にいるかがカギになる?

アルノー そのとおりです。風上にいれば船足は早くなりますし、風下では滑らかな動きはおぼつきません。つぎの敵に遭遇する前に風を読んで先に移動することが重要になります。

――海戦のフィールドも実際の地域が使われたりするのですよね? 日本海とか……。

アルノー そうです。残念ながら現時点では日本海は予定していませんが(笑)。インド洋のマダガスカルから始まって、徐々に広げていければ……と思っています。私たちの夢は、いずれはシンガポールまで到達することです。いつかは実現したいです。いつかは、きっと……。

――海域によって条件が変わったりもしそうですね。

アルノー デモでもご紹介したマダガスカルはとてもトロピカルで、アフリカ近海だとドライだったりします。海域は徐々に拡大していきたいと思っています。

――デモなどを見る限りでは、eスポーツとしての可能性もありそうですね。

アルノー たしかにコンペティション(競争)の要素は強いですね。本作を開発するにあたっては、少人数のコミュニティーに参加していただいて、そこからフィードバックをいただいているんですね。そのコミュニティーの反応なども見ながら、検討していきたいと思っています。

――ところで、本作はユービーアイソフト シンガポール初のタイトルとのことですね。

アルノー そうです。2008年にリリースされた『Teenage Mutant Ninja Turtle Turtles in Time Re-Shelled』以降、おもに『アサシン クリード』シリーズの開発を担当してきました。『アサシン クリード II』(2009年)、『アサシン クリード ブラザーフッド』(2010年)、『アサシン クリード リベレーション』(2011年)、『アサシン クリード III』(2012年)、『アサシン クリード IV ブラック フラッグ』(2013年)、『アサシン クリード ユニティ』(2014年)、『アサシン クリード ローグ』(2014年)、『アサシン クリード シンジケート』(2015年)など……。『ゴーストリコン ファントムズ』(2012年)も手掛けていますね。いまスタッフは約300人となります。

――それはすごい。『Skull and Bones』は、『アサシン クリード』開発のノウハウを結集して作り上げていると言えそうですね。

アルノー 私たちは『Skull and Bones』を皆さんにお持ちできたことを誇りに思っています。本作には私たちチームの夢が詰まっています。海賊はイマジネーションを刺激する存在で、誰しも子どものころは一度は海賊になりたいと思ったことがあるのではないでしょうか。本作は、そんな夢を叶えてくれるタイトルでもあります。とてもインパクトがあって、感情を刺激してくれる。ぜひ、期待していてください。

 映像を見るだけでも、潮の香りとロマンがうかがえるようで、ワクワクせずにはいられない『Skull and Bones』は、日本でもぜひリリースしてほしいところ。吉報を心待ちにしたい。『Skull and Bones』は、プレイステーション4、Xbox One、PC向けに2018年発売予定だ。