Discover Japan! と叫びたくなる国産インディーゲーム7選【A 5th of BitSummit】

“A 5th of BitSummit”に出展されていたゲームの中から、担当記者注目のタイトルを紹介する短期集中連載記事の3回目は、日本国内に拠点をおくデベロッパー製の7タイトル。

●日本国内に拠点をおくデベロッパーの7タイトル

 2017年5月20日、21日に京都勧業館 みやこめっせにてインディーゲームの一大祭典“A 5th of BitSummit”が開催。あちこちに通訳スタッフが控えている国際色豊かな会場内では、ド派手な趣向の海外勢ブースについ興味を惹かれがち。しかし、国内デベロッパーのブースをひとつひとつ見ていくと、一定以上のクオリティーを持つ親しみやすいスタイルの作品が数多く出展されているとの印象を受けた。
 今回はそんな中から、“日本の文化を意識的に発信しているタイトルに注目!”という意味と、“国内シーンで埋もれかかっている良作を見つけだす!”という意味での“ディスカバー・ジャパン”にふさわしい作品を紹介する。


02

▲もともとは“日本のインディーゲームを世界へ発信”を基本コンセプトに始まったBitSummit。こんな切り口の紹介記事こそ、もっとも必要とされているはずだ!(たぶん)

■Soullogue/noitems studio

03 04

▼“魂”によって道を切りひらく2Dアクションゲーム
 GameMaker Studioで開発中の、見下ろし画面アクションゲーム。ディティール描き込みのバランスが絶妙なドットグラフィックと、プレイヤーキャラの魂(Soul)を幽体離脱させ、敵や小動物に憑依するギミックが、大きな特徴となっている。グラフィックおよびゲーム制作全般を手がけるnoitems studio河野渓氏によれば、本作の開発はまだ始まったばかりで、今回のデモは「イベントに合わせてとりあえずプレイアブル仕様にしたバージョン」とのこと。それでも、憑依によって行けなかった場所にあるアイテムを入手できたり、敵の大軍との戦闘を有利に展開できたりといった、本作のゲーム性のキモとなる、パズル要素の強い攻略を楽しめるようになっていた。


05

▲日本のようでもあり中国のようでもある独特のアートデザインは、世界市場を意識しての選択……と、語る河野氏。ゲーム中、メッセージテキストを極力表示させないなどの配慮も。

※noitems studio公式Twitterアカウントページ


■ピーポーパニック/ココノヱ

06 07

▼モニター内でもVR空間でもない場所を“遊び場”に!
 竿先にペーパークラフト製のUFOが吊るされた竿を持ち、床に投影されたゲーム画面内の人々の上空にUFOをかざして吸い上げていく、多人数参加型ゲーム。縁日の屋台のゲームに興じているかのようなプレイヤーの佇まいが会場内でも目を惹き、A 5th of BitSummitではINNOVATIVE OUTLAW AWARD(技術、アイデアなど革新的な作品に贈られる賞)を受賞した。
 ゲームそのものは単純……と思いきや、建造物を辛抱強く吸い上げると、そこから大量の人間がワーッと出てくるなど、スコア稼ぎのテクニックがいろいろ仕込まれていることがうかがえた。
 本作を開発したココノヱは、イベント向けインスタレーションを中心に制作する、スタッフ10人の会社。近年では、千葉県千葉市のスポーツアクティビティ施設“SPACE ATHLETIC TONDEMI”内のトランポリントラクション『スペースホッパーズ』を運営のナムコと共同開発するなど、幅広いプレイ環境に対応したコンテンツを手がけている注目デベロッパーだ。


08 09

▲本作でUnityエンジニアを担当したココノヱの岡田隆志氏(左写真)は、「出展したどの会場でも盛り上がるのはいいのですが、マネタイズ(収益化)を考えてなくて……」と意外(?)な悩みを明かした。

※ココノヱ公式サイト


■ドウクツジマ、Smile Game Builder/スマイルブーム

10 11

▼ファミリー層にもやさしいラインアップ
 インディーゲームデベロッパーというよりは、インディーゲーム開発者を支援するツールやサービスを提供する企業としての出展となった、スマイルブーム。プログラミング(コーディング)なしで3DグラフィックのリッチなRPGを作成できるWindows PC用ソフト『Smile Game Builder』のデモ展示ほか、ニンテンドー3DS用プログラミングソフト『プチコン3号 SmileBASIC』で開発され、今月にスマイルブームのパブリッシングで単体商品としてのダウンロード販売が始まった2D探索アクションゲーム『ドウクツジマ』が、プレイアブル出展された。子どもたちがふだんから扱い慣れているニンテンドー3DS本体が置かれていたこともあってか、ブースはファミリー層を中心に、つねに盛況だった。


12 13

▲『ドウクツジマ』 が同イベントでMedia highlight Awardを受賞し、開発チーム“ぷわっとX”の代わりに壇上でトロフィーを受けとった、スマイルブームのプロデューサー・杉内賢次氏(右写真)。自身が惚れ込んで商品化にこぎつけた作品が評価されたことに、感慨深げだった。

[関連記事]
『ドウクツジマ』懐かしくてやさしいアクションゲームだぜ!! インタビュー完全版も掲載【とっておきインディーVol.121】

※スマイルブーム公式サイト


■SEAKING HUNTER/GameAttack

14 15

▼全編ボスラッシュのポップな海洋アクション
 すでにiOS用アプリとしてリリースされている、基本プレイ無料の2Dアクションシューティング。世界各地に潜む水棲タイプの巨大UMAと戦い続ける、漢気みなぎる内容だ。本体を傾けることで固定画面の外周を移動する操作方法は少々慣れが必要だが、インターナショナル対応のポップなデザインで描かれたUMAたちのダイナミックなアニメーションは、見どころ多し。UMAを倒して稼いだ賞金でパワーアップしたり、新たな操作キャラをアンロックすることで新たな楽しさを見出せる点も、オーソドックスながらやりこみがいを感じた。


16

▲「本作の開発にあたって世界中のUMAを徹敵的に調べた結果、皆ちょっとした“UMA博士”になりました」と、GameAttackのスタッフ。

※GameAttack公式サイト


■ツナゲ!、ツナゴ!/ロケットリョコウ

17 18

▼頭脳のふだん使っていない部分が刺激されそうな図形合わせパズル
 1980年代から2010年にかけてアイレム(※1997年以降はアイレムソフトウェアエンジニアリング)で数々のゲーム開発・制作に携わってきた北浩也氏がクリエイティブディレクターを務めるスマートフォンアプリデベロッパー。今回は、iOS用無料パズルゲーム2タイトルが出展されていた。ピースを回転して、それぞれに描かれたラインをつないで囲んでいく……という基本ルールは共通で、『ツナゲ!』はスコアアタック、『ツナゴ!』はCPUの対戦相手との勝ち抜きバトルを楽しめる。
 ピースひとつひとつのユニーク度が高く、うまく消せずにモヤモヤする局面が多いが、お助けアイテムの力を借りるなどして状況を打破し、大量消しを決めた時は、小気味よい演出効果もあってかなり気持ちいい。


19 20

▲パズルゲームが苦手な人もカジュアルに楽しめる……とは言いがたいものの、好きな人は延々と遊べてしまう、不思議な魅力がある。

※ロケットリョコウ公式サイト


■すぐにその灯を消せ(仮称)/Pon Pon Games

21 22

▼人気アクションシリーズ最新作は、3Dフィールドが舞台
 2015年開催のBitsummit(BitSummit 2015)でアワードを受賞し、その後プレイステーション4版がリリースされたストラテジーゲーム『ヒーラーは二度死ぬ』。その個人デベロッパーであるPon Pon Gamesは、まだ基本部分を構築中という新作タイトルのデモ版を出展していた。ゲームジャンルは意外にも、王道の3Dダンジョン探索RPG。手にした松明に火をつけると、ダンジョンの前方をより遠くまで見渡せるようになる半面、モンスターとの遭遇率が大幅に上昇……といった、ゲームバランスに直結するシステムがすでに実装されていた。Pom Pom GamesのYorklt氏によれば、ダンジョン内のライティング処理は、かなり細かい範囲で分割された表面単位ごとにリアルタイムで行われているとのこと。前作からさらに進化・発展したビジュアル表現も楽しみだ。


23

▲前述のスマイルブームのブースでは、『Smile Game Builder』の新ダウンロードコンテンツとして、『ヒーラーは二度死ぬ』に登場するキャラクターたちの3Dモデルがお披露目展示されていた。Yorklt氏によれば、今回のコラボレーションは、スマイルブーム側からの打診によって実現した企画とのこと。

※Pon Pon Games公式サイト


■宇宙戦士ガラク-Z (VR version)/17-Bit

24

▼日本文化リスペクトシューティングがVR仕様になって再登場!
 最後は番外編として、京都府京都市にメインの開発スタジオを構えるアメリカの独立系ゲーム開発会社・17-BITのブースを紹介。新作として、1970年代の日本のSF・ロボットアニメと1980年代の日本のアーケードシューティングゲームの影響を強く受けた2Dスクロールシューティングゲーム『宇宙戦士ガラクZ』のVR対応バージョンが、プレイアブル出展された。通常のゲーム画面を手前のデッキから眺めるような視点に大きな驚きはないものの、離れた場所の敵や地形の状態を確認しながらのプレイ感覚は新鮮。ヘッドマウントディスプレイ装着時の視界の密閉感も、宇宙空間を舞台にした本作のムードを高めることに一役買っていた。


25 26

▲ブースには『ガラク-Z』のVR化を手掛けた台湾の開発企業“PLAYERIUM”のオリジナルVRタイトルもプレイアブル展示されていた。

※17-Bit公式サイト
※PLAYERIUM公式サイト※海外サイト


【A 5th of BitSummit特選タイトル】
※海外出展エリアで出会ったハイセンスなインディーゲーム6選
※かわいいだけじゃない骨太なインディーゲーム5選