海外発のインディーゲームタイトルを紹介

 2017年5月20日、21日に京都勧業館 みやこめっせにてインディーゲームの一大祭典“A 5th of BitSummit”が開催。全101ブース中32を占める海外出展エリアには、ヨーロッパやアジア圏など、さまざまな国の“旬”なインディーゲームが並び、一種独特の熱気を放っていた。
 今回はその中から、無二のムードを持っている個性的なタイトルをリリース情報とともに紹介。今後のインディーゲーム・セレクトの参考にしてほしい。

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▲世界的に展開するインディーゲームのショーケース(見本市)“Indie Mega Booth”の特別協力のもと、さまざまな国のゲームがズラリと並んだ。すでにkickstarterなどによるクラウドファンディングを成功させ、今年中にリリース予定……という作品が、数多く見受けられた。

Sundered/Thunder Lotus Games

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▼この中割り作画にはペルシャの王子もア◎ジンもビックリ!?
 なめらかに動く手描きアニメ風グラフィックを持ち味とするカナダの独立系デベロッパー、Thunder Lotus Gamesの最新作。ホラーテイストな舞台で、大量または巨大な敵との激しいバトルを展開できる。場面によってゲーム画面のズーム倍率がダイナミックに変化するなど、物語世界の壮大さを実感できる演出が盛りだくさん。ゲームバランスは、カジュアルなアクションゲーム感覚で操作しているとあっというまにゲームオーバーになる、やや難しめの調整。多彩な攻撃アクションをいかに使いこなすかが、重要なポイントになりそうだ。Steam版、プレイステーション4版が、2017年夏にリリース予定。

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▲日本国内での展開のサポートを行う架け橋ゲームズのザック氏(左写真)も大プッシュする『Sundered』。15人のスタッフで作っているとは到底思えないリッチなビジュアル世界は、インディーゲームファンならずとも注目。

※Thunder Lotus Games公式サイト(※海外サイト)

Figment/Bedtime Digital Games

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▼メルヘンチックな夢世界の感触を鮮やかに再現!
 3Dパズルゲーム『Back to Bed』の国内プレイステーション4、プレイステーション3、プレイステーション Vita版が、今年2月、日本一ソフトウェアのパブリッシングでリリースされたばかりの、Bedtime Digital Games。今年の夏にSteam版のリリースを予定している新作『Figment』は、楽器や音楽をモチーフにしたファンタジックな世界を冒険できるアクションアドベンチャーだ。手塗りの質感を残した温かみのあるグラフィックと、作動したギミックが大胆に動く謎とき要素を楽しめるゲームプレイは、まさに海外の凝った仕掛け絵本を読んでいるかのよう。アート性を前面に打ち出しながらもしっかり遊びやすい作品に仕上がっているとの印象を受けた。

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▲デンマークの学生が中心となって設立されたBedtime Digital Games。『Figment』 は8人のスタッフで開発しています……と、同メンバーのJenas氏(右写真)。

※Bedtime Digital Games公式サイト※海外サイト

Light Fall/Bishop Games

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▼古代の叡智が詰まった “ハコ”を駆使するスタイリッシュアクション
 とある異世界の“忘れ去られた土地”を妖精の子が元気に駆け抜ける、2Dアクションゲーム。スピーディーなジャンプアクションとともに、足場やシールドにもなる万能アイテム“シャドウコア”を使った、パズル要素のあるステージ攻略を楽しめる。シルエットが強調されたアートスタイルは、過去の同系統タイトルから多大な影響を受けているものの、ストーリー展開の演出や、迫力のあるエフェクト音によって、本作ならではのエモーショナルなムードを実現。物語やステージの状況を説明するナレーションには、日本語ボイスも用意されているのも嬉しい。
 Steam版のリリースを今年の夏に予定しているほか、プレイステーション4、Xbox Oneなどのコンソール版も2018年にリリースしたいとのこと。

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▲カナダ在住の5人のメンバーで開発しているという『Light Fall』。イベント時には、中核メンバーであるプログラマー、David氏(右写真・左)と、アーティストのMat氏(同・右)が、ブースに訪れた参加者たちの対応にあたっていた。

※Bishop Games公式サイト ※海外サイト

Earth Atlantis/Pixel Perfex

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▼潜水艦に乗ってどデカい“獲物”をハンティング!
 以前、当サイト記事でも紹介した、海洋生物をモデルにしたメカニック・モンスターとのバトルを楽しめる2Dシューティングゲーム。ペン画の細密なタッチをストレートに打ち出したビジュアル世界が各国のイベントで高く評価され、今回のBitsSummitでも、最優秀賞にあたるVERMILION GATE AWARDを受賞した。
 出展されたプレイヤブルデモは、すべてのゲームモードが収録された、完成版に限りなく近いバージョン。サバイバルモードでは、画面内を優雅に泳ぎ、激しい攻撃を繰り出すボスキャラクターとの戦いを連続で楽しめた。Steam版は2017年末、イベント期間中に明かされたNintendo Switch版も、年内にはリリースする予定。

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▲バンコク(タイ)のWebデザイン・アプリ制作会社の、極めて私的に近いプロジェクトとして進められているという『Earth Atlantis』。ディレクター兼グラフィックデザイナーのAnucha Aribarg氏(右写真)の“シューティングゲーム愛”が詰まっている。

※Pixel Perfex公式サイト※海外サイト

[関連記事]
※『Earth Atlantis(アース アトランティス)』生命の躍動、細密なドローイングで描かれた大海洋世界に宿れかし。【とっておきインディーVol.117】

PAWARUMi/Manufacture 43

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▼人気アクションシリーズ最新作は、3Dフィールドが舞台
 フランス在住のふたりのグラフィックアーティストとひとりのプログラマーを中心に開発されている、アーケードスタイルの縦スクロールシューティング。自機の3タイプの武器と、敵キャラにそれぞれ割り当てられている、赤・青・緑で表現された“属性”の関係性に対応しつつのゲームプレイはやや煩雑ながら、3Dグラフィックスならではの大胆なシーン演出を多用したステージ構成は魅力的。南米の古代文明にインスピレーションを受けて構築されたというステージデザインにも注目だ。
 リリースは、2017年夏のSteam版を皮切りに、Xbox One版を含む各種プラットフォームに順次対応していくとのこと。

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▲Manufacture 43のメインプログラマー・Daniel氏(左写真)は、2010年にリリースしたスマートフォン用シューティングゲーム(右写真)を披露してくれた。『PAWARUMi』のゲームシステムが『斑鳩』(トレジャー)の影響を受けていることを明かすなど、日本のシューティングゲームにたいする思い入れの強さが伝わってきた。

※Manufacture 43公式サイト※海外サイト

MOMODORA V/Bombservice

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▼人気アクションシリーズ最新作は、3Dフィールドが舞台
 2016年に、『Momodora: 月下のレクイエム』の日本語ローカライズ版がPLAYISMからリリースされたことで一躍話題となった、Bombservice。そのブースでは、『Momodora』シリーズの最新作『V』の開発初期段階デモがプレイヤブル展示された。今作は、これまでのドット絵2Dスクロールアクションスタイルから、ポリゴンで構成された3Dアクションに大きく路線変更。それでも、“かわいらしいキャラを操作して爽快な攻撃アクションをくり出す”という基本部分が引き継がれていることは、間違いないようだ。

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▲もとから注目タイトルだったことに加え、物語世界のイメージが一瞬で伝わる大判のポスターが参加者の関心を集め、ブースはつねに試遊を待つ列でいっぱいだった。

※Bombservice公式サイト※海外サイト

【A 5th of BitSummit特選タイトル】
※かわいいだけじゃない骨太なインディーゲーム5選