“VR センス”発表会の模様をお届け 襟川恵子氏いわく「開発は艱難辛苦の道だった」

2017年2月6日、コーエーテクモグループのコーエーテクモウェーブが秋葉原UDXギャラリーにて“新規VR筐体発表会”を開催。アミューズメント施設向けの筐体“VR センス”を発表した。

●世界初の五感を刺激するギミックを搭載

 2017年2月6日、コーエーテクモグループのコーエーテクモウェーブが秋葉原UDXギャラリーにて“新規VR筐体発表会”を開催。アミューズメント施設向けの筐体“VR センス”を発表した。

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▲コーエーテクモホールディングス 代表取締役社長 襟川陽一氏。

 会見では、まずはコーエーテクモホールディングス 代表取締役社長の襟川陽一氏が登壇。「コーエーテクモでは、話題のVRの技術に取り組んできた」と前置きした上で、アーケードゲームなどに積極的に取り組んできたテクモが今年で創業50周年を迎えると説明。同社が1990年後半に最後の業務用機器をリリースしてから20年経ち、創業50周年を記念しての満を持しての“VR センス”投入に感慨深げな面持ちだった。「ゲーム専用機ではなくて、さまざまなエンターテインメントにも期待できる、広い汎用性を持っていると考えています」と襟川陽一氏。さらに、「VRという人気のある技術に対しては、コンテンツをどんどん出して力を入れていきたいです」とアピールした。


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▲襟川陽一氏の手により“VR センス”がアンベール。アンベールなんてなかなかない機会なので、つい連続写真でご紹介。

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▲コーエーテクモホールディングス 代表取締役会長 襟川恵子氏。

 きらめくようなフラッシュが焚かれるなか、襟川陽一氏により“VR センス”筐体のアンベール(お披露目)が行われたあとは、コーエーテクモホールディングス 代表取締役会長の襟川恵子氏にバトンタッチ。同筐体のゼネラル・プロデューサーであり、企画・デザインの設計を担当したという襟川恵子氏は、“VR センス”は「艱難辛苦の道だった」とひと言。まずは、社内で経営幹部にVRのプレゼンをしたところ、「ビジネスモデルが確立していないから無理ですよ。作っているところは全部赤字ですからね。おまけに人手がかかるし、ビジネスに向きません」と反対されたことを暴露。さらに、襟川陽一氏に相談したところ、「やってもいいけど、社内(コーエーテクモゲームス)で開発に携わっている人間をひとりも使うな」と言われたのだという。いまでも開発陣はいっぱいいっぱいで、これ以上の業務を増やす余地はないというわけだ。「なんとも冷たいじゃありませんか!」と襟川恵子氏。


 そこで襟川恵子氏はコーエーテクモウェーブの若手を2~3人確保。それが、「若いというのはすばらしいというか、非常に役に立ちました」と襟川恵子氏。さらに、かつて襟川恵子氏がハードを設計したときの技術支援をしてくれたスタッフに入ってもらい(襟川氏いわく“天才”)、プロジェクトを推進したという。

 襟川恵子氏は、「ながら族なので、経営会議の途中2~3分で筐体のラフを作った」と語りつつ、さらに“VR センス”と経営会議にまつわるエピソードを披露。それはちょうど先週のこと……経営会議のさなかに、襟川恵子氏はテクモが初めて筐体を発売したのは何年か調べていたのだという。それは1979年だったのだが、ちょうどその年は、襟川恵子氏が当時絶世の美女と謳われたオリビア・ハッセーと布施明が結婚するきっかけを作った化粧品のディスプレイ台のオブジェを作っていた年であったのだ。偏光板を組み合わせるとすばらしい色が出てきたというオブジェだが、そのときの布施明によるタイアップ曲が“君は薔薇より美しい”(なつかしい!)。ネットを検索していた襟川恵子氏は、何の拍子にかわかりませんが(ついなつかしさに満たされたのか)、電源をオフにしたつもりが間違ってボタンをぽちっと押してしまい、深刻な会議をしているさなかに、“君は薔薇より美しい”が鳴り響いたのだという。この話は、たった1日で社内に知れ渡ることになり、若いスタッフから「会議のときに音楽を聞いていたんですってね」と言われる始末だったとか……。

 という前置きをしつつ、襟川恵子氏は会見の本題とも言える“VR センス”のプレゼンに。“VR センス”は、世界初の五感を刺激するギミックが盛り込まれていると説明した。そのギミックとは、以下の6つ。


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[1]アクションを体感させる“多機能3Dシート”
[2]臨場感を盛り上げる多様な“香り機能”
[3]予想外の驚きを演出する“タッチ機能”
[4]空間の広がりを感じさせる“風機能”
[5]環境の変化を感じさせる“温冷機能”
[6]雨や湿気など気候を感じさせる“ミスト機能”


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 同筐体のVRテクノロジーにはプレイステーション VRが用いられており、それに加えてさまざまなギミックが加えられているのが“VR センス”というわけだ。さらに襟川恵子氏は、「安心、安全で人を付ける必要がありません。筐体サイズはコンパクトに抑えており、3つに分割できるので設置、移動も容易です」とオペレーション側にもやさしいと特徴を挙げた。そのうえで、「施設や長期滞在型のホテルでもいいですし、病院など、いろいろな使いかたが考えられると思います」と“VR センス”の可能性に触れた。


 今夏稼動予定の“VR センス”だが、会見ではただいま開発中の3タイトルが紹介された。“だるまさんがころんだ”をモチーフにしたホラーゲーム『ホラー SENSE~だるまさんがころんだ~(仮題)』と、ジョッキーの視点で競馬を体験できる『GI Jocky SENSE(仮題)』、そして「“VR センス”のあらゆるギミックを盛り込んで“一騎当千”の楽しさを満喫できる」(襟川恵子氏)という『VRアクション 真・三國無双(仮題)』だ。


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 その後、会見ではコーエーテクモウェーブ “VR センス”プロデューサーを務める藤井久徳氏とコーエーテクモテクモウェーブ 代表取締役社長 阪口一芳氏が登壇し、それぞれ抱負を述べた。阪口氏は、“VR センス”がアミューズメント業界の起爆剤となってほしいといった旨の発言をしたうえで、“VR センス”がコンパクトであるがゆえにあらゆるところに展開可能であることをアピール。さらに、VRにはゲームやエンターテインメント以外にもさまざまな用途があり、「非常に大きなマーケットになると確信しています」と期待値の高さを見せた。


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▲コーエーテクモウェーブ “VR センス”プロデューサー、藤井久徳氏。

▲コーエーテクモテクモウェーブ 代表取締役社長 阪口一芳氏。

 なお、“VR センス”は2017年2月10日~12日(10日はビジネスデイ)に千葉県・幕張メッセにて開催されるアミューズメントマシンの展示会“ジャパン アミューズメント エキスポ2017(JAEPO 2017)”のコーエーテクモウェーブブースにて出展される予定となっている。気になる方はお出かけになってみてはいかが?


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▲VRテクノロジーのベースとなるのは、プレイステーション VR。前面にはPlayStation Cameraが。

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▲試遊では『ホラー SENSE~だるまさんがころんだ~(仮題)』と『GI Jocky SENSE(仮題)』プレイ可能だった。記者がプレイしたのは『GI Jocky SENSE(仮題)』。PlayStation Move モーションコントローラーを振るとムチになるというものだったのだが、騎乗したのがディープインパクトだったので、余裕で勝利! “VR センス”のご機嫌が斜めだったため、五感のギミックはあまり体験できなかったが、臨場感は相当なもの。騎乗からの風景はこんな感じなのですなあ……。