自室での座り心地は?

 テレビゲーム用に特化したゲーミングチェアは、近年多数のメーカーから発売され、有名ストリーマーやプロゲーマーが使用していたり、eスポーツの試合では必ず見る椅子。ゲーミングチェアと言えば、大抵キャスターや昇降機能が付いているが、この度AKRacingからなんと“座椅子タイプ”のゲーミングチェア『AKRacing ゲーミング座椅子 極坐(ぎょくざ)』(以下、極坐)が発売された。

 ファミ通.comでは“極坐”をお借りすることができたので、筆者の家に持ち帰り、実際の環境下で何日か使用させていただいた。ここでは、組み立てから実際に使用してのレビューをお届けします。

※こたつの本体サイズを追記しました(2017/1/30)

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▲ばばーん。本記事の写真は、筆者のリアル自宅で撮ったため生活感が溢れだしています。ご容赦ください。

※関連記事
『AKRacing 極坐』は悪魔か。オフィスにこたつを置いてゲーミング座椅子の座り心地をチェック

まずは組み立てて普通に座る

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 さっそく座ってゲームをしたいところだが、まずは組み立てだ。パーツは背もたれ、座部、首と腰の部分のクッション、それと側面のネジを隠すカバーのみ。回転台やひじ掛けなどもこちらで組み立てるのかと思いきや、ほとんど完成済みの状態なので、背もたれと座部をネジで繋げて、ネジのカバーを付けて、クッションを付けるという3段階で完成してしまう。座部と背もたれ部分を繋げるのにはほんの少しだけ労力がいるが、ネジで繋いでゴムでクッションを固定すればいいだけなので、想像よりも楽に組み立ては終わった。搬入から組み立てまで筆者ひとりでできたので、よほど小柄な方じゃなければひとりですべての工程をこなせるはずだ。

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▲組み立て作業用の軍手付き。ちなみに、張地はレザーで柔らかい肌触りだ。
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▲座部と背もたれを繋げるときは、座部を壁に当てて固定したり、横向きにして作業すると楽でした。
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 では早速、座ってみる。ありのままの感想一発目をお伝えすると、「あ、高級だこれ」だった。スポーツカーのシートを思わせるデザインだが、座りごごちはまるで高級車のよう。普通の座椅子よりは硬めのクッションだが、しっかりと身体を受け止めてくれるような感じで、長時間座ってもどこも痛くはならない。腰のクッションのおかげで安定感があり、首元にもクッションが付いているので長時間画面を見ても肩~首筋への負担は感じられない。脱力した状態でモニターを見ることができ、とにかくかなり楽だった。また座面は360度回転するので、立ち座りもスムーズである。回転部分のぐらつきはまったくない。
 余談だが、筆者は長時間座ると腰と右臀部が痛くなり、仕事中はしょっちゅう体勢を変えるのだが、これはまったく痛みを感じなかった。すごいなぁ……。
 なお、リクライニングはフラットな角度まで倒せるので、ちょっと疲れたなぁというときは、そのまま寝てしまえばいいと思います。と言うのも、23kgの重量があるので、通常の座椅子ならフラットに近い状態にして寝ころぶと後ろに倒れてしまうが、本製品だとまったく倒れる心配がないのだ。

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▲ゲーマーたるもの、睡魔の限界までゲームをプレイするもの。限界を迎えたら、そのままリクライニングを倒してオヤスミしてしまえばいいのだ。普通のチェアーで寝るより、断然楽なのは確かである。

座椅子でFPS(PC版)はできるか?

 では実際にゲームをしてみてはどうなのか? ということで、ゲーミングPC環境をこたつテーブル上に作り、FPSをプレイしてみることにした。

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▲人気FPSのランクマッチを長時間プレイした。

 今回使用したテーブルは、Amazon.co.jpで2年前に購入した一般的なこたつテーブル。テーブルには、キーボード、マウス、マウスパット、モニターを設置してみた。ここで気になったのがテーブルの高さだ。極坐は通常の座椅子より座部が高いので、テーブルの高さによっては脚が下に入らない。購入を検討している人は高めのテーブルか、昇降機能のあるテーブルを用意したほうがいいだろう。
 幸い、筆者宅で使用しているこたつテーブルの下には脚が入るスぺ―スがあり、あぐらも難なく組める。膝を立てたり低いテーブルだと、前かがみになってキーボードを打たないといけないので、注意してほしい。

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▲あぐらスタイル。筆者は太ももに肘を乗せるスタイルが安定する。
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▲足のばしスタイル。最高に楽な姿勢。

 アームレスト(肘掛)はテーブルの高さによって使うか左右されると思うが、前後・回転による位置調整と高さ調整が可能なので、自分の最適なポジションを探していただくのがいいかと思う。
 数時間使用して感じたのは、かなりリラックスした姿勢でプレイできるので「まったく疲れない」ことだ。腰の痛みもなく、なにより首にクッションがあることで、長時間プレイしたときに感じる首筋や肩のコリ、ハリ、違和感に悩まされなかったことが、個人的にかなり衝撃的だった。

 いろいろな姿勢やポジションを試した結果、ゲーミング座椅子を使用したFPS(PC版)ゲームプレイは“問題ない”という答えに行き着いた。座椅子スタイルも、PCゲーム環境を作る選択肢のひとつに入れていいだろう。しかし、先述したとおりテーブルの高さによってはプレイしづらい環境になるので、導入の際はテーブルの高さを調べておくべし。
※写真で使用しているこたつの本体サイズ:幅75×奥行75×高さ39cm

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▲ちなみに試合は勝ちました。
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コンシューマーゲームではどうか? やってみたらかなり快適だった!!

 続いて、42型テレビにコンシューマーゲーム機を接続した環境を作ってみた。

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▲本記事の写真は、筆者のリアル自宅で撮ったため生活感が溢れだしています。ご容赦ください。(2回目)

 写真ではテーブルを除いているが、だいたいこのような環境になるのではないだろうか? 実際に使用してゲームをプレイしてみた感想としては、控え目に言って「快適すぎ」。アームレストを調整して好みのポジションに肘を置き、背もたれに身を預け、心ゆくままにゲームを遊ぶ……。首元のクッションのおかげで首が全然疲れず、腰の痛みも起きない。ほどよい硬さのクッションによるしっかりした作りの座椅子がこんなに快適なのかと実感させられる。とにかく、通常の座椅子では到底得られない安定感があるので、心地よい状態でゲームをいつまでもプレイできた。

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▲立ち膝、足のばし、どんな状態でも安定感バツグン。

 もし余裕があるなら、サイドテーブルを用意して、お菓子やジュース、ノートPCを置けば完璧ではないだろうか。「人をダメにする~~」ならぬ「ゲーマーをダメにするスペース」の完成だ。

価格だけの価値あり

 価格は42800円と座椅子にしてはかなり高価ではあるが、通常の座椅子としても座り心地はよいので、それだけに快適な椅子に投資する価値はあると思われる。ローソファー、座椅子を使用してゲームしている人なら、椅子の選択肢として候補の上位に入れていい製品だ。
 ここまでつらつらと書いてきたが、実際に試さないと伝わらないよさもある。本製品は、G-Tune Garage 秋葉原にて実際に体感できるので、もしゲーミングチェアを使ったことがない人はぜひ座ってみていただきたい。

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▲くれぐれも椅子を取られないように気を付けて下さい。

商品重量:23 Kg
座面高:4 cm
素材:PU(ポリウレタン)レザー
組立て:あり
組立時間の目安:15 分
メーカー保証:1年間

※再び関連記事を紹介。編集部ミス・ユースケが職場にこたつを置いて上司に変な目で見られています。
『AKRacing 極坐』は悪魔か。オフィスにこたつを置いてゲーミング座椅子の座り心地をチェック