最新バージョンは東京ゲームショウ2015にも試遊出展
いよいよ2016年3月24日の発売が決定した、フロム・ソフトウェアのプレイステーション4、Xbox One、PC用ソフト(PC版発売時期は後日発表)『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』。2015年9月12日に開催された『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』ジャパンプレミアイベントで披露された試遊版を記者も触らせてもらえたので、その手触りをお届けしたい。ちなみに、今回の試遊版は、2015年8月に開催されたgamescomに出展されていたバージョンを、さらにブラッシュアップした最新バージョン。武器やキャラクターだけでなく、さまざまな点が追加されているようだ。
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また、2015年9月19日・20日(ビジネスデーは17日・18日)に開催される東京ゲームショウ2015では、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアブースにも同バージョンが出展されるので、ファンはぜひ足を運んでいただきたい。が、試遊台数は少なめとのことなので、お早めに!
●最新バージョンの詳細はこちら!
ここからは最新バージョンの詳細を解説していこう。まずは、今回の試遊版で選択できたプレイヤーキャラクターは、以下の4人だ。
・放浪の騎士
ロングソードとカイトシールド(中盾)を装備した騎士。オーソドックスでオールラウンドな戦闘が可能。
・北の戦士
バトルアクスとラウンドシールド(中盾)、スモールシールド(小盾)を装備。近接攻撃での戦闘を得意とする。
・白の伝令
メイスとガーディアンシールド(中盾)を装備した僧兵。タリスマンを装備し、奇跡を使用できる。
・魔術学院の刑吏
スピア(槍)とターゲットシールド(小盾)を装備した魔術師。杖を持っており、魔法を使用することができる。
ご存じのとおり、本作は剣戟アクションをひとつの大きなポイントとしており、“戦技”という武器固有の特殊アクションが追加されている。これにより、戦略・戦術の幅が大きく広がるだけでなく、好きなキャラクター、好きな武器で世界を冒険・探索するというロールプレイ性の強化につながっている。また、戦技を使用すると魔法/戦技ゲージを消費する。また、魔法はゲージによるポイント制となり、必要ポイントが不足している場合は魔法を発動できない。消費したゲージは篝火で休息するか、アイテム(ソウルの灰瓶)で回復できるようになっている。
今回の試遊版で体験できた戦技は、以下の通り。戦技を発動するには、まず右手に装備している武器を両手持ちに切り換え、その状態でL2ボタン(プレイステーション4版)を押すことで発動する。魔法/戦技ゲージがゼロの状態でも戦技は使用できるが、その効果は大幅に弱体化することも覚えておこう。
・ロングソード
L2ボタンを押し続けることで構え状態になる。R1/R2ボタンを押せば、武器固有の派生攻撃をくり出すことができる。
・バトルアクス
しばらくのあいだ攻撃力が上昇する。
・グレートソード
踏み込むことができる。R1/R2ボタンを押せば、武器固有の派生攻撃をくり出すことができる。
・不死隊のシミター
回転することができる。R1/R2ボタンを押せば、武器固有の派生攻撃をくり出すことができる。
・魔術師の杖
しばらくのあいだ魔法攻撃力が上昇する。
・タリスマン
敵の攻撃に怯まずに奇跡を発動できる。
・中盾
瞬時に右手武器の戦技を発動できる。
・小盾
敵の攻撃をパリィすることができる。魔法/戦技ゲージは消費しない。
●戦技による駆け引きが熱い戦闘
では、実際に触ってみて感じたことを述べていこう。あらかじめお伝えするが、今回のインプレッションは、現時点での最新バージョンから受けたものであることはご了承いただきたい。
攻撃や回避のスピードは、『Demon's Souls(デモンズソウル)』も含めて、過去のシリーズよりも速く感じた。さらに、バトルアクスで空振りしたときのよろけるようなモーションも発生しないので、さらにスムーズでスピーディーな立ち回りが実現されている。このスピード感と相まって、リズムのいい戦闘のおかげで、倒されたときの精神的ダメージが軽減されている感覚を受けた。松脂によるエンチャントも早く感じられたことも好印象。
敵との駆け引きでは、やはり戦技が大きな意味を持っている。騎士のように戦技を使う敵が存在しており、敵が戦技を発動するタイミングを見極めることが重要となりそうだ。相手が武器を両手持ちにしたら、それが戦技の合図。独特の間合いがあるので慣れるまでは難しいかもしれないが、回避や防御のタイミングを間違えると、ときには死に直結するほどの大きなダメージをこうむる。つまり、1対1の状況における緊張感が増しているのだ。集団に仕掛ける場合、ひとりずつ誘い出して倒すスタイルは変わらないが、これまで以上に慎重に攻めるべき。もちろん背後からの強襲もあるので、挟み撃ちには気を配らなければならない。
前述のように、戦技を使う場合は魔法/戦技ゲージを消費するので、スタミナだけでなく、このゲージの管理も必要だ。今回の試遊版に限って言えば、戦技を使わなくてもこれまでとほぼ同様の感覚で攻略できるが、やはりピンチをチャンスに変え得る要素なので、マスターしておくに越したことはない。タイミングはなかなかシビアだが、スピアによる多段ヒットなどは当たれば大ダメージを与えられ(しかもかなり爽快!)、小盾によるパリィもプレイスタイルによっては必須となる。また、対人戦が本作でも実現するのであれば、新たな駆け引きのひとつとして非常に重要な意味を持つと思われる。
●ひらめきと学習、達成感の楽しさは健在
今回の試遊版で遊べたステージは、“ロスリックの高壁”。ここにいるボスを倒すことが目的となる。朽ちかけた城壁内を走り回るタイプのフィールドで、地上通路や地下、広めの野外、建物屋内から屋根、テラス、そしてボスのいる聖堂らしき場所まで、かなり起伏に富んでいた。
暗い場所では松明が使えるが、『II』のような制限時間がなかったのはうれしい限り。ざっと歩き回ったところ、投げナイフや女神の祝福、火炎壺のほかに、グレートソードや不死隊のシミターといった武器が拾えた。また、聖堂まで続くショートカットルートはもちろん存在し、道中に篝火も用意されているので、心おきなくリトライできるところはさすが。ルートはスタート地点近くの篝火から数ヵ所に分岐するが、最短ルート以外の道に行けば、さまざまなアイテムの補充が可能なので、そこはプレイヤーの腕次第で好きなルートを探索すればいい。また、道中には物語の断片のような短文が刻まれた石碑があった。いままでになかった要素で、道しるべになりそうだが、現時点でその意味はわからなかった。
登場する敵は、こちらから攻撃しないと無抵抗なままの亡者、鐘を鳴らして周囲の敵を凶暴化させる亡者、斧や槍だけでなく、短刀で素早い立ち回りを見せる亡者もいて、じつに多彩。とくに、異形の亡者はHPも攻撃力も高く、武器で斬りつけてもなかなかダメージを与えることができない。どう倒そうかと考えながらエストを飲もうとしたとき、ふと気が付く。そうか、アレがあるじゃないか……。アレを投げつけて何とか窮地を脱したのだが、やはりこのひらめきが楽しく、一気に血が沸騰する感覚は本作の醍醐味だ! そう思えた瞬間だった。
また、ロングソードやスピアを装備した甲冑の騎士は、やはり手強い。戦技も駆使してくるうえに、構えからの巨体に似合わないスピードやパワフルな立ち回りで、かなりスリリングな攻防が楽しめるのは確かだ。真正面からぶつかるのもいいが、1対1に持ち込んでバックスタブ(背後からの致命の一撃)を狙うのもアリだろう。
シリーズでおなじみのドラゴンも、いいタイミングで出現する。勘のいいプレイヤーならある程度は想像できるかもしれないが、なかなかの活躍(?)を見せてくれる。飛んできた途端に大火炎、そして自分に飛び込んでくるソウルの山など、このあたりの盛り上がりはぜひともその手で楽しんでいただきたい。
ボスとなる“冷たい谷の踊り子”は、登場時の演出も、そのなめらかな動きも秀逸で美しく、思わず見とれてしまうほど。炎を帯びた曲剣を、円を描くように振り回す姿はワルツを踊っているようだ。回転して攻撃すると言えば『II』のヴァングラッド王だが、立ち回りはまったく異なる。その剣で周囲を燃やしながら、頻繁ではないが自分を中心にした爆発系の魔法を放つ。これに巻き込まれると大ダメージとともに吹き飛ばされるので、立て直しに時間がかかってしまう。腕でつかまれて地面に叩きつけられる攻撃も、かなりのダメージを食らうので要注意。やはり、動きを観察して、攻撃のモーションを見極めることの重要さはいままでと変わらない。ある程度HPを減らすと今度は二刀流になり、攻撃がさらに激化するので、テンションの高い戦闘が持続する。このヒリヒリとしたボス戦も、シリーズならではだろう。
短い時間での試遊でボスを倒すのは正直、かなりハードルが高いだろう。しかし、今回の試遊で見事に倒せた人がいるのも事実。その攻略方法は、今後の楽しみのためにもここには記さないが、決して無理ではないと言明しておこう。途中で入手できる、雷属性を武器にエンチャントできるアイテム“黄金松脂”は大切にするといいかも、とだけお伝えする。
プレイを通して感じたのは、やはり注意と観察、探索と試行、学習の重要さ、そして苦境を脱したときの達成感は健在だったこと。そこまで複雑かつ広大なるルートではなかったが、それが実感できたのは確かだ。個人の嗜好にもよるが、アクションが全体的にスピーディーとなっているので、つい前のめりで突っ込んでしまいがちになるところも新鮮だった。これは『DARK SOULS(ダークソウル)』シリーズなんだぞ、と何度も自戒させられたが……。名物の“初見殺し”もふんだんに用意されているので、皆さんとともに“学習”していきたい。あれやこれやと書いてきたが、純粋に「楽しい」、「先を見たい」と思わせるゲームになっていると、自信を持ってお伝えしよう。
宮崎英高氏によるメッセージを!
最後に、ジャパンプレミアの会場で、本作のディレクターを務めるフロム・ソフトウェアの宮崎英高氏に、短い時間ではあったがお会いできた。そこでファンに向けたメッセージをいただいたので、これを本記事の結びにしたい。
「日本では初めての試遊の機会をいただけ、またそこで新しい装備や魔法を公開できて、とてもうれしく思っています。剣戟と魔法、死と、今作は滅びの色濃い『ダークソウル』の新しい世界を、ぜひ楽しんでください。この後、東京ゲームショウでの出展もありますので、もし時間があれば、よろしくお願いいたします」