レスポンスのすばらしさと動きの軽快さに驚く

 世界初プレイアブルとなった『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』。連日、開場から5分も経たずに24席用意されていた試遊台は満席に。その後も列に並ぶ人は増え続け、ブースの外に行列ができるほどの人気ぶりだった。今回プレイできた範囲は、E3 2015のプレゼンテーションでメディア向けにお披露目されたときと同じ。詳細は下記記事に詳しいので、情景を述べるのは割愛する。また、1回のプレイではわからないことが多く、このまま記事にしても内容が薄いものとなってしまうと判断し、gamescom期間中に何度もプレイを繰り返したため、プレイインプレッションの記事掲載が遅くなってしまったことをファミ通.com読者の皆様に謝りたい。

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 さて、プレイを初めてまず驚いたのが、操作レスポンスの快適さ。Xbox Oneコントローラーによるプレイだったのだが、レスポンスが非常によく、キャラクターを動かしているだけで気持ちいいと感じるほど。直感的な操作が行える、ということを強く感じた。そして、もっとも印象に残ったのが、動きの快適さ。“軽い”という表現は語弊があるかもしれないが、挙動、ステップ、ローリングのいずれもスピードがある。宮崎英高氏作品をすべてプレイしている方に伝えるならば、『デモンズソウル』に近い速度、と言うのがわかりやすいかもしれない。以前、ファミ通のインタビューで宮崎氏は「アクションスピードは前作、前々作よりも若干速く、直感的に動かせるように調整している」、「敏捷の概念は採用しないと思う。パラメータを上げるまでアクションにストレスがあるから」と述べていたが、まさにその考えが実現されたものなのだろう。

最高の触り心地! 『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』プレイインプレッション【gamescom 2015】_04
最高の触り心地! 『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』プレイインプレッション【gamescom 2015】_01
最高の触り心地! 『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』プレイインプレッション【gamescom 2015】_03

 続いて武器に関して述べたい。試遊では前のプレイヤーがプレイした続きから遊ぶことが多く、一度だけ最初からプレイができたのだが、騎士風の“Wandering knight”と、戦士風の“Northern warrior”からキャラクターを選ぶことができた。“Wandering knight”の初期装備は直剣。“Northern warrior”の初期装備は斧。“Wandering knight”を選んだため、斧の詳細が述べられないことはご容赦いただきたい。プレイ途中で拾った武器は、大剣と二刀の双剣。残念ながらショートボウは入手できず。もしかして、どこかでほかの武器も拾えたかもしれないが、見つけることはできなかった。本作では、各武器に固有のアクションがあり、戦術の幅が広がっている。詳細は下記記事で確認してもらいたい。

『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』要となる剣戟アクションについて紹介 武器固有のアクションで戦略、戦術が多彩に

 こちらの記事で説明されていない、プレイしたからこそわかった部分は以下の通り。

直剣:“構え”から連撃が繰り出せた。敵との距離があるときに構え、間合いに入ったときに斬りつけると効果的だった。試遊では、3連撃はできなかったが、スタミナが高くなれば繰り出せるようになるのかもしれない。

大剣:腰を落として両手で剣を握る“踏み込み”。この際、敵から攻撃されるとダメージを食らうが、こちらの体勢が崩れることはなかった。踏み込み後に斬りつけると振り上げるように剣を振るい、敵に当たった場合は上空へ打ち上げてダウンを奪える。踏み込み時にスタミナが大きく消費されるため、使いどころを見極める必要があると感じた。ちなみに、片手で大剣を持っている状態でも、武器固有のアクションを繰り出すLトリガーを押せば自動的に盾をしまい、踏み込みの体勢となった。

二刀の双剣:ボタンを押すと、回転斬りを繰り出す。範囲が狭いものの、全方位に攻撃判定があるので、複数の敵に囲まれたときに役立った。ただし、与えられるダメージはそれほど高くはない。

パリィ、バックスタブ:いずれも『ダークソウル』と似ているように感じた。
 ※8月8日20:50記事修正。『ダークソウル』と書くべきところを『ダークソウル2』と誤って記述しておりました。

最高の触り心地! 『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』プレイインプレッション【gamescom 2015】_02

 では、ここからはプレイの内容をお伝えする。スタート後、目の前に篝火が。灯をともし、階段を下りると、複数の亡者が視界に入る。このうちの一体は鐘のようなものを手に持っており、おそらくこの鐘を鳴らされると、周囲の敵が襲いかかってくる……と思ったのだが、3体ほどしか襲いかかってこない。もしかして別の影響があったのかもしれないが、苦戦することもなかったので気にせず歩を進める。立て梯子を降りると左に階段が。上ってみると巨大なドラゴンが飛来。奥のほうに鎮座し、炎のブレスを吐き出すドラゴン。その神々しい姿に見とれる間もなく、画面には“YOU DIED”の文字が映し出された。宮崎氏作品のお約束をドイツで味わえるとは予想していなかったため、思わず顔がにやける。さて、ドラゴンを相手にしていても埒があかないので、右手の通路に群がる敵をドラゴンに焼き尽くしてもらい、タイミングを見計らってダッシュでブレスを回避し、その先へ。階段を上るとナイトが現れた。1体だけだったので攻撃を落ち着いて盾で受け、連撃後の隙にバックスタブをお見舞いする。文章だけを読むと簡単に勝ったと思うかもしれないが、ナイトは非常に手強い印象を受けた。1対1の状況だからこそすんなり勝てたが、盾を構え、剣で斬りつけてくるだけではなく、盾で体勢を崩そうとしてきたり、構えも使ってくるなど、油断できない強敵だった。

 ここで深く深呼吸。ナイトを倒し、その先の薄暗い建物内に入った瞬間、軽装の敵に死角から斬りつけられる。これも宮崎氏作品でおなじみのシチュエーションだ。こちらを殺す気満々なのがいい。もちろん、慌てずに進むように心がければ事故は減るのだが、試遊の時間は限られているのでそう言ってはいられない。エスト瓶の数は10。ある程度の使用はしょうがないと割り切り、早足で奥へと進んでいく。犬のような敵や長斧を持った敵などを打ち倒しながら進んでいき、屋根の上へ。亡者が複数いるものの、時間をかけたくなかったので通り抜けようとしたとき、亡者の一体に変化が。突如叫び声をあげ、見る見るうちにその姿が変わっていく。現れたのは、黒く巨大な異形の化け物。「あー、やばいやつだこれ」と思いつつも興味が恐怖を上回り、近づいてしまう。その姿と行動パターンを観察しようと思ったのだが、それは慢心。あっという間に殺されてしまう。このあとも何度が倒そうと試みたのだが、倒すことはかなわなかった。「勝てない」と感じてからは逃げの一手。幸い、無視しても奥に進むことができたので、横をすり抜けて梯子を降りる。また建物の中を進むのだが、敵が多く、袋小路の場所も多かったため、敵に囲まれたり、道に迷ったりと、散々な目に合う。トライ&エラーを繰り返し、やっと進むべきルートを理解。広場のような場所に出ると、視界にボス部屋と思われる霧が見えた! 「よし行ける!!」と思ったのもつかの間、現れたのはナイト。しかも2体。さらに1体は槍持ち…。

 槍持ちのナイトの強さは言わずもがな。とにかく、まずは1対1の状況を作り出し、1体を倒すことに専念。直剣持ちのナイトの隙をうかがい、なんとかバックスタブをお見舞いし、パリィで致命の一撃を与える。これで槍持ちナイトとの一騎打ち……なのだが、攻撃を叩き込む隙がなかなかない。ふだんならば時間がかかっても気にせず、じっくりと立ち回るのだが、試遊の時間はもうそろそろ終わりそうな雰囲気。お互いに盾を構えての長期戦となりそうだったのだが、ここでひらめきが。思いついたのは、大剣による踏み込みからの攻撃。肉を切らせて骨を断つ。結果は予想以上で、ダメージは食らったものの、すんなりと槍持ちナイトを倒せた。

最高の触り心地! 『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』プレイインプレッション【gamescom 2015】_06

 ついにボス戦へ。手持ちのエスト瓶はもうわずかだが、気にしてもしょうがない。直剣と盾を携えて、いざ霧の中へ……。悠然と現れたのは、全身鎧に身を包みながらも、花嫁のようなヴェールをなびかせる“冷たい谷の踊り子”。這うように歩きながら手に持った炎の剣で攻撃を仕掛けてくる。攻撃範囲は広いが、それほど苛烈ではない。盾で受けて攻撃。ローリングでかわして攻撃。詰め将棋のように、一手一手、慌てずにダメージを与える。ちなみに、冷たい谷の踊り子が持つ剣の炎は、周囲の布や木の扉に燃え移り、触れるとダメージを食らってしまうので、立ち回りにも十分に注意しながら攻撃を重ねていく。さほど苦戦することもなく、冷たい谷の踊り子に一定のダメージを与えると、絶望の瞬間が訪れた。もう1本の剣を取り出し、二刀流で襲いかかってきたのだ。攻撃範囲が広いうえ、連撃を繰り出してくるので、こちらのスタミナが持たない。エスト瓶も尽き、万事窮す……。道中で入手できた炭松脂、投げナイフ、火炎壷を活用すれば……とも考えたのだが、冷たい谷の踊り子が炎の剣を持っていたため、効果が薄いと判断し、使わないようにしたのだが「試せばよかった」と後悔しながらプレイは終了。日本で体験する機会があれば、つぎはリベンジを果たしたいと、ドイツで決意した瞬間でした。

最高の触り心地! 『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』プレイインプレッション【gamescom 2015】_05