『Splatoon(スプラトゥーン)』サントラのマスタリングを直撃取材! 『シオカラ節』の歌詞などをサウンドスタッフにインタビュー&トラックリスト初公開

世界中で“イカ旋風”を巻き起こしている、Wii U用ソフト『Splatoon(スプラトゥーン)』ファミ通.com編集部では、『スプラトゥーン』のサントラのマスタリングが行われると聞き、取材を行うべく、都内某所のサウンドスタジオへ向かった!

●トラックリストも初公開!

 世界中で“イカ旋風”を巻き起こしている、Wii U用ソフト『Splatoon(スプラトゥーン)』(以下、『スプラトゥーン』)。先日、発表されたとおり(関連記事は→コチラ、本作のサウンドトラック『Splatoon ORIGINAL SOUNDTRACK -Splatune-』の発売が、ついに決定した。気になる発売日は、2015年10月21日予定(価格は3200円+税)。ファミ通.com編集部では、そんな『スプラトゥーン』のサントラのマスタリング(音圧レベルや音質などを調整する作業)が行われると聞き、取材を行うべく、都内某所のサウンドスタジオへ向かった!

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【先出し週刊ファミ通】全イカ研究員待望! 大型アップデート後の新曲も含んだ『Splatoon(スプラトゥーン)』サントラ発売決定!(2015年8月27日発売号)


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▲マスタリングの作業中。大きなスピーカーからサウンドが鳴り響く!

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▲真剣な表情でサウンドをチェックする『スプラトゥーン』スタッフ。

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▲ブックレットの中身をチラ見せ!

 1曲1曲のサウンドをチェックし、細かく指示を与えていく『スプラトゥーン』サウンドスタッフ。記者も毎日のように『スプラトゥーン』をプレイしており、『スプラトゥーン』のBGMはかなり聴き込んでいるが、スピーカーから聴こえてくる曲はまるで別物のように聴こえる。当たり前だが、メロディーラインなどはまったく同じなのに、テレビのスピーカーでは聴き取れなかった音を明らかに感じ取ることができるのだ。マスタリングが終わったら、いったいどんな音質になるのか。そんな衝撃を覚えつつ、現場でマスタリングに立ち会っていた『スプラトゥーン』サウンドスタッフに直撃インタビューを行った!


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■プロフィール
写真中央:サウンドディレクター 峰岸 透氏(文中は峰岸)
写真左:サウンド 辻 勇旗氏(文中は辻)
写真右:サウンド 藤井 志帆氏(文中は藤井)


●こだわりの『スプラトゥーン』サウンド

――まずはサントラ発売決定のご感想を、おうかがいできますか?
峰岸 感無量です! そもそも『スプラトゥーン』では、架空のアーティストたちを想定して、その楽曲がメインBGMとして鳴っている……というコンセプトなので、実際にアルバムを出せたら、その設定にさらに深みが与えられて、より世界観にひたってゲームをプレイしていただけるんじゃないかと思っていました。ですので、本当にうれしいです。

――皆さんに、今回のサントラのポイントをお聞きできますか? まずは、峰岸さんから。
峰岸 ちょっとひねくれたアピールポイントかもしれませんが……ハイカラシティの広場で環境音のように流れているBGMをひと通り収録しているトラックがありまして、ひそかにオススメです。たぶん、プレイ中に意識してじっくり聴く方はほとんどいないと思うんですが、じつは広場では、さまざまな短い曲の断片が(広場内の)複数のスピーカーからつぎつぎと鳴っているんですね。CDではその状況をコンパクトに再現して収録してあります。

――環境音というのは、たとえば電車の発車音などですか?
峰岸 確かに、電車のあの発車音もそういった環境音に聞こえると思うんですが、それは別トラックに収録していまして。ここでいう環境音は……イカスツリーの入り口に近づくと、大きなスピーカーからドッカンドッカンとダンサブルな曲が聞こえてくるんですが、それより小さめのスピーカーがほかに3ヵ所あって、そこから流れてくるBGMのことです。同時には3曲、のべ12曲鳴っているんですよ。

――12曲も! すみません、聞いていると思うんですが、気づかなかったです……。
峰岸 いえいえ、いいんです。街の喧噪に混じって“なんとなーく聞こえる”ように作っていますから、意図通りです。ただ、それを改めて聴いていただけると新鮮かなと。
 もともと広場のサウンドをどうしようかと峰岸と話していたときに、街っぽさを出したいということになったんですね。それで、街に入ったときのガヤガヤ感を入れているんですが、それだけでなく、峰岸から聞いた体験話で、目の前の店で流れている音楽と、隣りの店で流れている音楽がいっしょになって聞こえてきて、テンポが妙にシンクロして、だんだんひとつの曲のように聞こえてくることがあって、おもしろかったと。
峰岸 そうなんです。新宿や渋谷のショッピングモールなどを歩いていると、隣りどうしの店がまったく違う曲を流しているんだけど、ときどき、「あれ? この2曲のミックスされた感じがカッコいい」と感じるタイミングがあって。おもしろくて、お店の境目でしばらくたたずんでいたりするんですが(笑)、そのイメージを狙って出したいなと。
 その12曲ですが、それぞれテンポやノリが曲ごとに異なっているんですね。それらの曲が、イカスツリーの下で鳴っているドッカンドッカンというリズムを中心に、拍がいつの間にかシンクロして聴こえてくるようにサウンドの仕組みを作っていまして、12曲がどのスピーカー、どの順番で流れても、まとまった大きな音の塊として聞こえてくるようになっていますので、なんとなく街中の店と店の合間、峰岸の言う境目にたたずんでいるような感覚が出るんじゃないかと思います。

――なるほど! それが、CDで聴けると。
峰岸 そうなんです。ぜひお楽しみください。

――では続いて、藤井さんのポイントをお聞きできますか?
藤井 はい。じつは、CDのブックレットにシオカラーズの曲の歌詞を掲載していただきまして……。

――衝撃の歌詞でした(笑)。
藤井 インパクトが強いかなと思います(笑)。ゲームの発売後、「歌いたいけど、何を言っているかわからない」というご意見を目にしたことがあったので、そういう方にこの歌詞を見ながら口ずさんでもらえたらうれしいですね。

――作詞をされたのは藤井さんとお聞きしましたが。
藤井 はい。そうですね。

――どのようなイメージで作詞されたのでしょうか?
藤井 シオカラーズには民謡歌手出身という設定があって、「シオカラ節」などの曲には日本の民謡っぽく聴こえる要素を入れています。ですので、歌詞のほうもどことなくオリエンタルな響きに聴こえるようなものを意識して作りました。ナワバリバトルで流れるバンド曲の歌詞は、西洋の言語をイメージしているんですよね?

峰岸 そうだね。パンクやロックには、そのほうが向いている気がして。

藤井 それと同じような理由で、民謡ならやっぱり日本語に近い言語がいいなと思って、いまのイメージに落ち着きました。ですから、バンド曲とは別の種類のイカ語ということになりますね。架空の言語ではありますが、なんとなく、歌いやすかったり、頭に残るような言葉を選んでいます。

――ありがとうございます。では、辻さんのポイントは?
 僕がしゃべるとイカラジオ(amiiboのイカで挑戦できるミッションをクリアすると手に入るミニゲーム)の話ばかりで申し訳ないんですけど(笑)。僕はゲームのサウンド演出を作っていく中で、皆さんにもっとBGMを聴いてほしいと思って、いろいろなことをやってきたんですが、そのひとつがイカラジオだったんですね。しかし、このイカラジオに実装できる曲の数にも限りがありました。サントラには、イカラジオに入りきらなかった曲もフルバージョンで入っています。たとえば、トラック2の「Splattack! (Jam Session)」は、メインテーマが生まれていくセッションをイメージした曲で、ゲームでは最初のチュートリアルでのみ流れる曲です。イカラジオにはナワバリバトルの曲は入っているものの、このセッション曲は入っていないんですね。こういったイカラジオで漏れてしまった曲もすべからく入っていますので、ぜひとも堪能していただきたいです。あと、サントラの聴きどころとして、ゲームでは、プレイヤーの状況やゲームの進行に合わせて曲や音色をプログラムで切り換えて鳴らしているところがあるんですが、CDではひとつの楽曲として収録しているので、ゲームとは違う印象で聴こえる曲があると思います。たとえば、先ほどお話をしたチュートリアルの「Splattack! (Jam Session)」もそうで、チュートリアルは特定の場所にたどり着くと、“インクを撃て”、“インクに潜れ”といった感じで目的が変化しますが、そのあいだ、BGMは数小節の同じループをくり返しているんですよ。

――ああ、なるほど。
 それで、つぎのステップに進むと、ギターが入って、シンセサイザーが入ってと楽器の音色が増えた別のループへ進行する仕組みになっているんですが、チュートリアルが進まない限り、曲の同じ場所がループし続けるようになっているんです。それが、CDでは複数回ループしたらつぎへ進むようにして収録しているので、ライブ前のセッションっぽさがより出ている構成になっているかと思います。このCDでいろいろなBGMを聴いたら、ゲームのほうに戻って同じ曲を聴き直してみると、新たな発見があるかもしれませんね。ボス戦闘曲も、敵にダメージを与えることで変化する3段階のゲーム進行に沿ってBGMの盛り上がりが変化していくんですが、CDではその段階をつなげたものをひとつの曲として収録していますので、それぞれの違いを聴き比べしてほしいですね。

――CDで聴くときと、いろいろ印象が変わりそうですね。
 あと、今回、無理を言って、SE(効果音)を少しだけ入れさせてもらえることになりました。『スプラトゥーン』はBGMを高く評価していただけてうれしい限りなんですが、効果音についても話題にしていただけることが多く、たいへんうれしく思っています。で、「CDにSEも入れていいよ」と言われてから、どれを入れようかと散々悩んで見つくろったんですが、どれだけ絞っても50~60はどうしても入れたい音があったんですね(笑)。でも、すべては入れられないということで、そこからさらに泣く泣く削って、今回は、皆さんが聴いて、とくに耳に残っているだろうというものに絞らせていただきました。これに限らず、「この音も耳に残っている」l「あの音がないなんて」と思う方もいらっしゃると思いますので、また、つぎの機会をもらえることがありましたら、今回漏れてしまった効果音も全部集めて、CDなどにできたらなぁなんて思っています。

――効果音集ですね! ちなみに、サントラが発売されたら、ユーザーさんにどんな場所、場面で聴いてほしいですか?
峰岸 場面……。考えてなかった……。

 じゃあ、私から(笑)。また効果音ですが、今回、ガール、ボーイ、シオカラーズのボイスをほんの少しだけ入れていまして、それらを何かの受信音など、お知らせのサウンドに使ってほしいなと。とくに、Disc2のトラック30「声 (ガール) 悦び」は、ユーザーさんが思い思いの文字で表現していただいていて、1日に数百件もツイートされているとうかがいました。

――“マンメンミ”と言われたりするボイスですね。
 はい。どう表記するかは、諸説あるようなんですが、こちらを収録してありますので、ぜひお好きなシチュエーションでお使いいただければと思います。

――では、藤井さんは?
藤井 全体的にアップテンポで夏らしい曲が多いので、屋外などゲームをプレイする環境以外の場所で聴くと、また違ったテンションで聴いていただけるのではないかなと思います。
峰岸 でも、CDの発売10月だよ(笑)。
 寒くなるからこそ、暑いイメージの曲を(笑)。
藤井 そうやって、夏を思い出してほしいですね(笑)。

――(笑)。では、最後に峰岸さんは?
峰岸 うーん。……あえて寝る前に(笑)。

――寝る前に「Splattack!」を聴くと(笑)。
峰岸 リラックスできる曲を聴くという方が多いかもしれませんが、個人的にはよく、ぶわーっとテンションが上がる曲を一発聴いて、「よっしゃ、一日を終えたぞー」とベッドに入るのも好きで。もし共感していただける方がいらっしゃったら、寝る前にオススメしたいです(笑)。このCDを聴いて、「明日もがんばるぞ!」と思いながらお休みいただくのも一興ではないかなと。

――ありがとうございました!

 『スプラトゥーン』のサウンドへのこだわりがわかるインタビュー、イカがだっただろうか。なお、『スプラトゥーン』のサウンドスタッフへのインタビューは別の記事(→コチラ)もあるので、合わせてお読みいただきたい。そして、そんなこだわりが入りまくった『スプラトゥーン』サウンドトラックのトラックリストを、ここで特別公開! 曲名だけでは曲がわからないものもあるかもしれないが、いろいろ想像力を働かせながら、サントラの発売をお待ちいただきたい。