「とても大きな作品になる」
2015年7月9日~12日、アメリカ・サンディエゴのコンベンションセンターにて、Comic-Con International 2015(通称:コミコン)が開催。会期前日の7月8日には、“前夜祭”にあたるPreview Nightが行われた。
たくさんの人で溢れる会場で、ひときわ大きな存在感を放っていたのが(と、記者が個人的に思ったのが)、地元サンディエゴに本社を構えるザ・ベヒーモス。そう、『キャッスルクラッシャーズ』などで日本のゲームファンにもおなじみのあのザ・ベヒーモスだ。ザ・ベヒーモスのプロデューサーであるジョン・バエズ氏は、ファミ通.comでブログを掲載してくれていたということもあり、取材陣とは旧知の仲。そもそも、ジョンと初めて会ったのは数年前のコミコンがきっかけだったなあ。当時は小さいブースで出展していたのが、いまはこんなに大きくなって……などと感慨にふけりつつブースに近づいて行くと、ジョンが開口いちばん、「『Game 4』の正式タイトルが決まったよ!」というではないか。『Game 4』といえば、昨年(2014年)にシアトル・PAX Primeで発表された、ザ・ベヒーモスの最新作。同社4番めのタイトルであることから『Game 4』を名づけられていたのだが、このたび正式タイトルが決まったというわけ。その名も『Pit People』。そんなわけで、ジョンとアーティストのダン・パラディン氏にお話を聞いてみた。
――本作はどんなゲームなのですか?
ジョン ターンベースのストラテジーゲームです。これまでザ・ベヒーモスが手掛けてきたゲームはアクションベースだったのですが、本作はターンベースなので、じっくり戦略を練ってプレイすることになります。そこがザ・ベヒーモスのこれまでの作品との大きな違いですね。
――なぜ、なじみのあるアクションではなくて、ストラテジーに?
ジョン ずばり新しいことに挑戦したかったんです。あと、ターンベースのプレイヤーが自分のペースで遊べるところも魅力に感じました。戦略を立てながら、自分の時間をかけてじっくりプレイできますからね。
ダン 本作は、ストラテジーゲームとして複雑ですが、プレイ自体はスムーズに遊べるようになっています。協力プレイにも対応していますし、ザ・ベヒーモスにとって、とても大きなタイトルになると思います。
――『Pit People』というタイトルに込められた意味は?
ジョン “Pit”は闘技場を指していて、そこから新しい生命が始まる。それで『Pit People』にしました。
――発売日は未定とのことですが、メドとしてはいつころに?
ダン 未定としか言えません(笑)。本当にわからないので、推測することはやめました。
――では、開発状況は何パーセントくらい?
ダン なかなか興味深い質問ですが、これまで手掛けてきたタイトルとはジャンルが違うので、予測がつきません。
ジョン 『Pit People』がどんなゲームかは、座ってプレイしたらすぐにわかります。その部分はできていて、そこに関しては自信があります。あとは細かい調整をしていって……という感じになるのですが、それがいつになるかわからないんですね。
――細かいところにこだわって作るのがザ・ベヒーモス流かもしれませんね。
ダン 開発には2年かかっていますが、さらに細かいところにこだわりたいと思っています。ファンの皆さんに納得していただくためにも、細部に至るまでないがしろにしたくないんです。
納得のいくまで出さないというのは、何ともザ・ベヒーモスらしい。当然その裏には、じっくりとしたモノづくりが許される会社の状況があるのは間違いないが、じっくり腰を据えて作るという職人気質なモノづくりには好感が持てる。
というわけで、記者も『Pit People』をプレイ。本来じっくり腰を据えて遊ぶべきゲームなので、短い試遊で全貌を推し量るのは難しいが、ザ・ベヒーモスらしい手触りの感じられるゲームのよう。キャラクターの成長要素もあり、お店でコスチュームなどを購入してカスタマイズすることもでき……とやり込み要素も充実しているようだ。ゲームプレイは途中から主人公とお姫様を駆使して戦うことになるのだが、それぞれ敵との相性があり、「こっちの敵にはこのキャラで」といった感じで、戦略性が問われそうだ。
『Pit People』は、Xbox OneとSteamで発売予定とのことで、その完成をじっくり心待ちにすることにしよう。