新たに3タイトルの追加が発表された
セガ往年の名作ゲームを、2Dゲームとしての見た目や、ゲームのプレイ感覚は忠実に再現しつつ、3D立体視にも対応させてリメイクしたニンテンドー3DS向けの人気シリーズ“セガ3D復刻プロジェクト”。そのダウンロード販売ラインアップに、新たにメガドライブの名作3タイトル『3D ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌(レクイエム)』、『3D ガンスターヒーローズ』、『3D ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』が加わることが4月15日発表され、ツイッターを中心にファンの大反響を呼んだ。
そこで今回は、この3タイトルの開発にいたるまでの経緯と、最初にリリースとなる『3D ベア・ナックルII』の見どころを、同プロジェクトのプロデューサーを務めるセガゲームスの奥成洋輔氏と、開発を担当するエムツーの代表・堀井直樹氏の口から、たっぷりと語っていただいた。なお、リリースに向けてのコメントはこちらの記事にあるので、事前に一読いただきたい。
■奥成洋輔氏(右)
セガゲームス
コンシューマ・オンラインカンパニー
3D復刻プロジェクトシリーズプロデューサー
■堀井直樹氏(左)
エムツー
代表取締役
数多くのセガの名作タイトルを3D立体視で復刻してきた名タッグが、多くのメガドライブマニアが待ち望んでいたタイトルを手がける。ちなみに、両氏が手にしているのは、“国際3D先進映像協会 グッドプラクティス・アワード 2014”本賞にて贈呈されたトロフィー。立体視における新たなエンターテイメント性という意味でも、セガ 3D復刻プロジェクトの意義は大きい。
立体視だけでなく、ふたつのモード追加によって新たな魅力が吹きこまれた『ベア・ナックルII』
――まずはシリーズの再開、おめでとうございます。一度は集大成ともいえるパッケージ版『セガ 3D復刻アーカイブス』が出たことで打ち止めかと思っていたのですが、思わぬサプライズ追加ということで嬉しい限りです。今回の3タイトルは、海外展開中のシリーズ第2期の追加分とのことですが……発表になった3タイトル以後のリリース予定はあるのでしょうか?
奥成洋輔氏(以下、奥成) 今回は新期スタートではないので、この先の予定は、ありません。
堀井直樹氏(以下、堀井) キッパリ、ありませんッ!
奥成 今回の3タイトルは海外配信に際して追加したものでして、第2期はこれで本当に終わりです。ただ、もちろん第2期の反響を見て、場合によっては第3期の開発も検討したいですが、現時点では予定はありません。昨年末に発売したパッケージ版『セガ 3D復刻アーカイブス』の販売推移であったり、これからリリースする3タイトルを含めた世界市場での総合的な状況を見て、好調であればいつまででも続けたい気持ちはあります。
――わかりました。まずこれを聞いておかないと、落ち着いて質問ができそうになかったもので伺わせていただきました。では改めまして、第2期追加タイトル第1弾である『3D ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌』の詳しいお話をお聞かせいただきます。
奥成 はい。3月末の時点ですでに完成していて、あとはリリースを待つだけの状態です。タイトルごとに“追加の遊び”を入れている復刻プロジェクトですが、今回は前作以上に……ここは堀井さん語ります?
堀井 オリジナルに忠実な“スタンダード”に加えて、4人のキャラクター全員が順番に登場する“カルテット”を用意しました。『ベア・ナックルII』って4人のキャラクターが選択できるんですけど、いざ遊ぶときはどうしてもひとりのキャラクターで固定しがちなんですよ。ですので、「もっといろんなキャラクターで遊んで欲しいな」という思いから、このモードを用意しました。
奥成 具体的には、ゲームスタート時に、アクセル、ブレイズ、サミー、マックスの4人をどの順番で登場させるかを決めて、キャラクターが敵に倒されるごとにつぎのキャラクターに切り替わる、という仕組みです。
堀井 キャラクターの並びで攻略が変わってくるかもという意図もあります。
奥成 コンティニュー時にキャラクターを変更することはできるのですが、たいていボタン連打で同じキャラクターを選択しがちで。いろんなキャラクターを使ってほしいのと同時に、4人のキャラクターが協力して先に進んでいるような感覚を味わってもらえたらと思います。ついでにいうと、デフォルト設定よりも残機がひとり多いです。
――モード名だけを聞いて、4人同時プレイが可能なのかと勘違いしそうになりました(笑)。
堀井 それは未来の課題としておきましょうか(笑)。
奥成 そして、もうひとつの追加モードとして“ノックダウン”モードがあります。
堀井 オリジナルは殴る蹴るのアクションをたっぷり楽しめるんですが、ノックダウンモードは、サクサクとゲームが進められるモードです。
奥成 『3D ベア・ナックル』では一撃必殺モードとして、攻撃を当てるだけで残り体力に関係なく敵を倒せる遊びを追加で用意しました。それを『II』でも入れようという話をしたときに、ディレクターの松岡さんから「それだと『ベア・ナックルII』がつまらなくなります!」と反対されたんです。
――ほう!
奥成 初代『ベア・ナックル』はベルトスクロールアクションの基本みたいなシンプルな駆け引きのアクションなのに対して、『II』は通常技や必殺技・超必殺技と前作からものすごく技数が増えていて“技を楽しむ部分”が断然増えているので、そこを活かしたままサクサク進めるようしようと。その答えとして、敵を“ダウンさせる”と即倒せる仕様となっています。『ベア・ナックルII』はステージが長いこともあるので、テンポよく楽しみたいという方のニーズには応えられていると思います。
堀井 テストプレイでやり込んでいると、このゲームを作った方々が『ファイナルファイト』や『ストリートファイターII』といった格闘アクションを、さんざん遊び込んで作っていることがヒシヒシと伝わってくるんです。全部入りですよ、全部入り! それだけに一撃必殺ではせっかくの味わいをそぎ落としてしまうというディレクターの判断で、こうした形となりました。その分かなり調整に苦労はしていたようですが、やってよかったと思います。