ポップな中世ファンタジー風世界で始まる“拠点を攻め合う”バトル
スパイク・チュンソフトから2015年3月11日に配信される、ダウンロード専用ゲーム『キャッスルストーム』(プレイステーション Vita、プレイステーション4、プレイステーション3対応)。本作は、中世ヨーロッパ風の世界を舞台にした、カジュアルなタワーディフェンス系シミュレーションゲームだ。
“タワーディフェンス”という分野のゲームは、近年でこそスマホや携帯ゲーム機などを中心にポピュラーなゲームとなっているが、ご存知ない人に軽く説明をすると“兵を使役したり障害物を設置したりして、攻め入る敵から自分の拠点を守る”といったジャンルのゲーム。つねに流れる時間のなかで刻々と変わる状況に対して、最適の行動で解決を図る“リアルタイムシミュレーション(RTS)”ゲームの系譜のひとつなのだ。
本作では、主人公“ガレス卿”の所属する王国と、対立するバイキングとの戦いをタワーディフェンス形式で体験するというもの。両勢力は、ともに画面左右に拠点を持ち、ほぼ同等の条件でお互いの城を攻め合う。プレイヤーはガレス卿に成り代わり、兵の出撃を指示したり、投擲武器で敵軍に攻撃をする。ステージごとに決められた勝利条件を達成すれば見事クリアー、つぎのステージに挑む……という流れで進行する。
王と蛮族が戦いをくり広げる……という中世期西欧ならではの(そして、ある意味ステレオタイプな)英雄が活躍する世界、舞台ではあるが、キッズアニメーションのようなポップなテイストで描かれているのがミソ。
このポップな感覚は、じつはゲームの楽しさにも大きく反映されている。凛々しいヒゲの男、ガレス卿のバイキング退治は順風満帆に進むかと思いきや、思いもよらぬアクシデントの連続で苦戦ばかり!? 勇ましくもコミカルな戦いをステージと物語で追いながら、楽しくゲームが進められるのだ。
自軍の主戦力は投擲武器、兵、魔法の3つ
以上、本作のおおよその雰囲気はつかんでいただけたかと思う。ここからは、プレイのガイドとともに、本作ならではの楽しさをピックアップしていこう。タワーディフェンス系のゲームは、アクションゲームやRPGと違い、プレイヤーのやるべきことがわかりにくいことがある。
本作の主人公ガレス卿は、王国の戦力のすべてを統括する役目。つまり、プレイヤーのやるべきことは、“適切な部隊を選んで出撃指示を出す”、“適切な魔法や投擲武器を選んで、攻撃先を決める”となるのだ(ただし、後述の魔法で詳細を述べるが例外もアリ)。
ステージは、画面のほとんどを占める中央の“フィールド部”と、その左右端に居を構える両陣営の“城”で構成されている。キャンペーンモードでは、ほとんどのステージで左端が王国の拠点。プレイヤーが守るべき城が建つ場所となっている。
勝利条件は、ステージで異なる場合もあるが、基本的には“敵の城を全壊する”、もしくは“敵軍の陣営に突入して旗を奪い、自軍の城内に持ち帰る”のふた通り。これらによって敵の戦意を喪失させたことになり、ステージクリアーとなる。
世界観とプレイヤーの行動について
プレイヤーができることを具体的に紹介していこう。ガレス卿が操る武力は、以下の3つのカテゴリー。それぞれに特徴がある。
【バリスタ】(○ボタンで選択ウィンドウを出現させる/決定する)
バリスタとは、据え置き式の大型弩砲のこと。敵や城に当てる投てき武器を放つことができるのだ。プレイヤーは発射物の種類(シンプルな槍、空中で分裂する投石、一発の威力が高いりんご爆弾など)と着弾地点を決定。発射物は放物線を描いて飛ぶが、発射前にはシルエットで軌跡がわかるので狙いを定めやすい。ただし、確実に狙うには飛行スピードと着弾までの時間差も考慮しなくてはならないぞ。敵軍の城を直接攻撃する、そして後述する自軍の兵をサポートする役割を持っている。
【兵士】(□ボタンで選択ウィンドウを出現させる/決定する)
王国の頼れる戦闘兵たち。出撃指示を出すと自軍の城から現れて、敵軍の城に向かって歩みを進める。敵側からも同じように兵が現れるので、フィールド上では兵どうしの戦闘が起こる。兵は直接攻撃を行う剣士、弓で闘うアーチャー、回復役のプリースト、ロバに乗って出撃するロバ兵などの種類がある。
【魔法】(△ボタンで選択ウィンドウを出現させる/決定する)
兵や空間に働きかける魔法が放てる。プレイヤーは魔法を出す対象(兵や空間のポイント)を指示する。特定の敵兵に攻撃する、味方を回復させる、バリアーを張って城を守るといった魔法がある。唯一、特別なものとしてガレス卿をフィールドに出現させて、みずからの操作で直接攻撃ができる“ヒーロー”がある。これは一般的なタワーディフェンスにはないユニークなシステム。アクションゲームのような感覚で、剣と弓攻撃がくり出せるのだ。戦力は高いため、窮地に立ったときはみずから出撃することで切り抜けられることも。
それぞれのカテゴリーには最大5種類の投てき武器、兵、魔法がセットできる。つまり、ステージ中でガレス卿ができるアクションは3分野×5種類の15通りとなるのだ。序盤こそセットできるものは少ないが、ステージが進むとアンロックされて選択肢は増えていく。ゲームが進行するほど、攻めの手段が増えることになるのだ。もちろん、そのぶん敵も手ごわくなり、プレイヤーに求められる戦略性のハードルが高くなる。これまでの戦いで培った知識とテクニックが求められるぞ。
また、強力な力を持つものほど、一度発動させた後はクールダウンの時間を経ないと再び発動できないようになっている(兵士の場合は時間で増える“食料”が必要)。これは出撃のためのコストのようなもの。この数値を意識しながら、ベストのタイミングで出撃指示、攻撃の選択をしていくかが戦いのカギとなるのだ。