中国のゲームファンも新世代機を待ってます!
2014年7月31日(木)~8月3日(日)、中国・上海にある上海新国際博覧中心にて、中国最大規模のゲームイベントChinaJoy 2014が開催。7月31日、ついに1日目がスタートした。「とにかく人が多い」と聞いていたChinaJoyだが、その評に違わず、いきなり初日から全開で、とにかく人・人・人の渦。「来場者の年齢が若いような気がするなあ」と、通訳をお願いしたSさんに話しかけてみたところ、「夏休みだから高校生や大学生が来ているのだと思いますよ」とのこと。おお、確かに7月31日ともなれば夏休みだった。それは初日からいきなりテンションマックスなのも当たり前だよなあ……と思いつつ、目をキラキラさせながら会場を歩いているゲームファンの姿を見ると、「あんまり日本と雰囲気違わないよね……」と、うれしく感じるのだった。
そんなゲームファンがいのいちに駆けつけたのではないか……と思われるのが、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)とマイクロソフトが陣取るフロア。既報の通り(⇒記事はこちら)、隣りどうしにブースを構えるSCEとマイクロソフトだが、その空間は尋常ではないくらいの人の密度。「このくらい盛り上がってくれたらうれしいなあ」という期待を上回るほどの人の集まりぶりだった。PCオンラインゲームの絶大な人気やスマートフォン向けアプリの隆盛ぶりが伝えられる中国市場ではあるが、コンシューマーゲーム機に対しても興味津々なんだなあ……と安心した次第。
2007年、2012年についで3回目の出展となるSCE。プレイステーション4やPS Vitaなどの発売日が決まっていないために、前2回と同様“参考出展”という形での展開となった。とはいえ、実際に参入が決まっているともなれば、来場者の見る目も違ってこようというもの。とくに注目度が高いのは、もちろんプレイステーション4で、試遊を求める列が、ぐるりとプレイステーション4スペースの周りを取り囲んでいた。出展されていたのは、『真・三國無双7 with 猛将伝』、『NBA 2K14』、『FIFA 14』、『KNACK(ナック)』など。来場者に少し話を聞いてみると、「ハードのデザインがいいですね。スペックを見る限りでは期待できそうです」、「じつはプレイステーション4はすでに持っているのですが、友だちと見に来ました。期待を裏切らないハードですね」といった声が聞かれた。
SCEブースでは、プレイステーション4と並んで、プレイステーション3やPS Vita用ソフトも展開。とくにPS Vitaがけっこう人気が高く、「『ソードアート・オンライン -ホロウ・フラグメント-』を遊ぶために並んでいます」といった来場者の声も聞かれた。中国でも日本のマンガ・アニメコンテンツの人気は高いようで、そういった意味でもPS Vitaに注目する中国のゲームファンが多いのかも。
一方のマイクロソフトブースは、Xbox Oneの中国発売日が9月23日に決まっているぶん、1歩踏み込んだブース展開との印象を受けた。ラインアップも『ウォッチドッグス』や『『LEGO Batman 3:Beyond Gotham』』など、バラエティー豊かに取り揃えた感じで、『Neverwinter Online』など中国発のタイトルもチラホラ。やはり自国コンテンツの充実を図るのは、どの地域でも同じといったところか。なかでも、軸となるのは『Forza Motorsport 5』と『タイタンフォール』となるようだ。
なお、関係者に確認したところ、Xbox Oneの価格3699元(約61770円)はKinectを同梱しないバージョンとのこと。Kinectつきは4299元(71793円)らしい。金額について来場者に聞いたところ、皆さん「少し高いかも」とのお答え。それでも輸入品よりは安いようではあるが……。一方で、実際にXbox Oneに触っての感想は「楽しい!」という方が多く、いかに価格を高く感じさせないかが、訴求のカギになるのかも。ちなみに、ソフトの価格は1本250元(約4175円)と、日本市場よりは若干お安め。パッケージソフトは売れないという中国市場の事情をにらんでの値付けかしらとも思われるが……。
さて、中国におけるXbox Oneのポイントになると思われるのが、BesTV。同社は、中国ではマイクロソフトと協業にてXbox Oneを展開する企業で、Xbox Oneでは、動画配信サービスやオンライン通販など、オンラインサービスまわりの部分を担当している。BesTVの提供する動画配信は、基本無料で一部コンテンツのみ有料とのこと。先に触れた、“いかに価格を高く感じさせないか”という部分は、BesTVが担ってくるのではないかと思われる。いずれにせよ、マイクロソフトがどのような施策で中国市場を攻めていくのか、興味深いところだ。
(取材・文 編集部/F)