『FFXIV: 新生エオルゼア』GDC準備中の吉田直樹氏に直撃! パッチ2.2では○○が××に!?【GDC 2014】

GDC 2014で講演を行うため渡米中の、『FFXIV: 新生エオルゼア』プロデューサー兼ディレクター・吉田直樹氏にインタビュー!

●最新情報山盛りのロングインタビュー!

 2014年3月17日~21日(現地時間)、サンフランシスコ・モスコーニセンターにて、ゲームクリエイターを対象とした世界最大規模のセッション、GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2014が開催。

 会期2日目の2014年3月18日(現地時間)には、『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』のプロデューサー兼ディレクター・吉田直樹氏による講演が行われる予定だが、それに先立ち、講演準備中の吉田氏が、現地でインタビューに応じてくれた。GDCに対する想いから、PS4で実施中のベータテストの状況、そして気になるパッチ2.2の最新情報まで、たっぷりと語ってくれたので、その内容をお届けしよう。


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◆吉田直樹氏(文中は吉田)

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●GDCがくれた“衝撃”

――GDCには、いままでにも何度か参加されているのですか?
吉田 『新生FFXIV』を担当してからは、忙しくて来られなくなっていましたが、7~8年前あたりから4年連続で来ていて、いろんなセッションを見て回ったり、ワークショップに参加したりしていたんですよ。

――今回はひさびさのGDC、ということですね。
吉田 3年ぶりくらいですかね。

――今回のGDCをご覧になって、いかがですか?
吉田 まだ2日目で、チュートリアルとワークショップが中心なので、まだそんなにどうこうという感じではないですね。ただ、僕が開発スタッフに、「GDCには行ったほうがいい」とよく言っているのは、セッションを受講することも有意義ですが、世界中にこんなに真剣にゲームを作っている人がたくさんいるんだ、ということを感じてほしいからなんです。僕自身、最初に来たときの衝撃はものすごかったですから。

――今回、『新生FFXIV』チームからは、ほかにどなたか参加されているんですか?
吉田 今回は僕1人です。本当は、来年のGDCを、『新生FFXIV』で埋め尽くしたいと思っていたんですよ。『新生FFXIV』はいろいろな経験をしたタイトルなので、マネージメントのセッションから、プロデュース、サウンド、グラフィックス、プログラミングのグラフィックスエンジンまわりや、タスク管理のマネジメント方法まで、一日中『新生FFXIV』のセッション尽くしにしようと。今年は、中国でのロンチも控えていますから、その成績も含めて。
 “来年のGDCで”というのは、やはりMMORPGは、ロンチしただけではまだスタートなので、今年やるのはまだ早いだろうとと思っていたからです。ところがGDCの主催側から、「やってくれないか」というお話が来まして。当初はお断りしようと思って、社長と会長に、「断りますね」と報告しに行ったのですが「いやいや行ってくれ」と言われて。それで結果として、スケジュールがめちゃくちゃになったという(笑)(※編集部注:この後吉田氏は日本時間20日にGDCで講演を行った後、すぐさま日本に帰り、21日に札幌からのプロデューサーレターLIVEに出演する……!)。
 でもお話をいただいたのは光栄なことで、僕自身たくさん刺激を受けさせていただいた場所ですし、来年やろうと思っていたことでもあるので、それなら少しだけ、僕のセッションだけは、今年早めにやろうかな、ということになりました。


●PS4ベータテストは大盛況、新米冒険者も多数!

――『新生FFXIV』について、いままさにPS4でベータテストが行われていますが、現在の反響などについて教えてください。


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吉田 ダウンロード数については公表していないので、数字は言えませんが、相当な数です。
 フィードバックについて少し意外だったのは、フルHDになって喜ばしいと同時に、「小さくて見えない」という声があって。とくにPS3版もプレイされている方から、「ウインドウはPS3と同じ大きさにしてください」というフィードバックが寄せられました。その、「純粋に解像度が上がってキレイになることが、いいことだけではないんだな」というところは、けっこう意外でした。やはり慣れという部分は大きいんですね。
 そこで、UIについては、PS3とまったく同じ表示サイズにして、小さくしたければ小さくすることもできますよ、という形にしました。ベータテストのフェーズ2が4月4日から始まりますが、すごい勢いで進めて、ベータ2では、皆さんのUIに対するほとんどのフィードバックの実装を終わらせました。そのあたりはぜひ見ていただいて、「もうちょっとここを」というところがあれば、突っ込んでいただけたらと思います。

――そこは、PC版で慣れているユーザーだと、逆にPS3版のUIが大きすぎると感じたりもしますし、難しいところですね。
吉田 UIに画面を占有されたら辛い、となりますよね。やはり慣れってすごく難しいポイントなので。PS4の方には、コンソール的な考えから、最初じゃ表示をすごく大きくわかりやすく。ただし小さくすることができるので、ハイレベルな人は自分で小さくしてください、と。

――やはり、PS4のベータに参加しているのは、PS3でプレイしている人が多いのでしょうか?
吉田 いや、そんなこともなかったですね。新しい人もかなり多いです。

――PS3組と、新規プレイヤーとで、遊びかたに違いがあったりするのでしょうか?
吉田 PS4では、SHARE機能でライブ配信ができますよね。そこで、ライブ配信されているのを見ていたのですが、「ああ、クエストそっちいくかー !」、「目の前にクエストがあるのに、なんで戻るんだ!」みたいな感じでした(笑)。どうも目的リストにクエストが表示されていると、「この順番で進めたほうがいいのかな?」という心理が働くらしいんですね。つぎつぎにクエストを受けようとするのではなく、一個受けたら片付けないと、という。
 でも、クエストに番号を振っても、“やらされてる感”が強くなるだろうし、僕のポリシーとして、ガイド――光る道のようなものは出したくないですし……。そんな感じで、スタッフとは、つぎに序盤の導線だったり、フィールドを追加するタイミングでは、これが役に立つね、という話をしていました(笑)。でも皆さん本当に楽しそうに、新鮮に遊んでくれているのを見て、僕らにとっても大きなモチベーションになりました。


――PS4版についてですが、たとえばロジクールのG13(左手用のキーボード)などのようなゲーミングデバイスへの対応予定はありますか? PCの場合は、ソフトウェアで対応をしている形ですが。
吉田 僕らのやれる対応には限界があるので、SCEさん次第になってしまいますね。専用のドライバが必要なものについてはNGだと言われています。あとは、各メーカーさん、もしくはSCEさんに、プレイヤーの皆さんからたくさん希望を寄せていただければ……。
 ボタンさえ認識してくれれば、それに対してのキー割り当てをする機能は、マウスキーボードモードのほうで存在してるので、置き換えで使えるものも出てくるとは思いますが、一個一個までは保証しきれませんし、ドライバが変わった瞬間、対応できなくなったり……ということも起こりえますから。フルサポートとはいいづらいですね。
 でも、ハードウェアがロンチしたばかりの段階ですから、この先PS4の世代が長く続けば、ちゃんと対応したものが出てくるのではないかと思います。


●北米プレイヤーが見た『新生FFXIV』

――北米での反応は、どんな感触でしたか?


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吉田 フィードバック的には、そんなに違いがないんですよね。ただ、ある意味、日本の方たちのほうが、まだ慣れていないのかもしれない、というのはあります。北米の人たちは、『World of Warcraft』(以下、『WoW』)で慣れているところがあって。『WoW』でできて当然のことは、『新生FFXIV』でもけっこうできているので、そういう部分で突っ込まれることはないですね。

――やはり北米のプレイヤーの多くは『WoW』ベースで考えるのですね。
吉田 ええ、そこは絶対そうです。おそらく北米のプレイヤーも、『WoW』のスタート直後は、「なんでこうなってるの?」となったのでしょうが、長くプレイする中で理解できてしまっているので、『新生FFXIV』システムにも疑問を持たないんですね。でも日本の方は初めて触れるシステムが多いので、「なぜこうなの?」と感じる方が多い。唯一違うところと言ったら、そこなのかな、と思います。

――北米のほうがMMORPGというジャンルが浸透している影響もありますよね。
吉田 スムーズではありますね。でも、難しいのを歓迎する人と、「難しすぎる!」という人が半々で、北米でも「難しすぎる」と言う人もいなくはないです。
 ただ『WoW』は、いまかなり難度が下がっているので、難度が高かった時代の『WoW』が好きだった人など、「『新生FFXIV』のこの難度がたまらん!」みたいな人も多いです。そこはおもしろいですよね。
 あともう一点、昔に比べて、北米のお客様のほうが、サブスクリプション(利用期間に応じて料金を支払う仕組み)というモデルに対して、“現実主義”なところはあるな、と思います。

――現実主義、と言いますと?
吉田 使ったもの、使う気があるものに対してお金を払う。これは現実主義ですよね。でもサブスクリプションモデルは、“来月遊ぶかもしれないものにお金を払う”という考えかたじゃないですか。これしかなかったときは、それで受け入れられていましたが、いまはF2P(フリー・トゥ・プレイ。基本無料+アイテム課金式)というモデルがありますから。「今月遊ぶ分だけ払いたい」だったり、「遊んでから払いたい」という意見が多くなっているのは事実だと思います。ですので、北米では、「このアイテムを売ってくれ。売ってくれれば買うから」という声も多いですね。その辺はストレートだな、という感じはします。

――では、たとえば遊んだ後に払う、といった支払い方法も検討されているんですか?
吉田 そこは難しいんですよね。踏み倒されたらどうにもならないので(苦笑)。クレジットカードには、ただでさえそういうリスクがあるんですよ。そのためにゲームカードがあったりもしますし、いろいろな支払い方法を用意することが、まずは大事かなと思っています。今年2月からデジタル配信プラットフォームのSteamに対応したのですが、Steamウォレットで支払うことができるようにしてあるのも、それが理由のひとつだったりします。

――今後海外ユーザーが増えると、ニーズに変化が生まれて、開発リソースの割きかたを変えていくようなこともあるのでしょうか?
吉田 ゲームのアップデートって、そんなに単純なものではないですよ。北米と日本でのニーズの違いって、具体例が思いつかないくらい、ないんです。
 ハードゲーマーか、MMORPGコアゲーマーか、カジュアルゲーマーか、クラフト系中心のプレイヤーか、というニーズの違いはありますが、国による違いはあまりないですね。今回のパッチのテーマはカジュアル向きにしよう、といったことはありますが、それはグローバル全体に対するコンセプトであって、プレイヤーの国別比率が変わったからといって、それで変えることはないです。

――地域別のイベントなどはいかがですか? 子どもの日など、日本独特のものもあったりしますが。
吉田 北米の皆さんは、“日本が開発しているゲーム”というところに敬意を払ってくれているので、「うちの国に関係ないイベントはやめてくれ」とかは全然ないんです。でも逆にイースターやハロウィンもちゃんとやりますし、そこはグローバル運営をしているので、できるだけ、共通になるように配慮しています。
 でも、たとえば独立記念日って、フランスだとNGだったりするんですよ。その日を祝ってはならない、みたいな感じがあって。だから日付をずらしたり、“復古祭”という名前にして、独立を謳うイメージにしないようにするとか。そういう部分にはそもそも気をつけています。
 ただ中国語版で言うと、正月のタイミングが、“旧正月”でそもそもずれていたり、“国慶節”というのがあったりします。ですので、中国版ではオリジナルのイベントをやる可能性はありますね。

――中国版と言えば、現在はどんな状況なのでしょうか。
吉田 αテストがまもなくですね。

――中国での前評判はいかがでしょうか。
吉田 ようやく先月から、シャンダさん(『新生FFXIV』の中国での販売・運営を手がけるシャンダゲームズ)のPRが大々的に始まったところですが、中国版Twitterでの反応もすごく増えてきていて、かなりいいんじゃないですか。

――同時接続数など、目標はどのあたりに置いているのでしょうか。
吉田 運営はシャンダさんで、シャンダさんのお考えもあるので、僕があんまり話してしまうとまずいんですよね。ただ、日本で言ったら信じられないくらいの数字ですよ。聞くと、「は?」ってなるレベルなので(笑)。

――同接100万とか……?
吉田 そういう数字が、ぜんぜん冗談ではない国ですからね。そういう数字が普通にとびかったりはします。ただビジネススキームにもよるでしょうし。いま中国の市場って、韓国もそうですが、F2Pが多すぎるのが現状です。フリーの期間中だけ大量に食いついて、すぐつぎに、という状況になってしまっているので、あまり同接数にこだわりすぎて、広く間口を開けすぎるのが、ゲームにとって成功なのかどうか、といったところは、かなり真剣に話し合っています。見た目、瞬間のことだけではなく、ゲームの本質を考えた方がいいかもしれない、と。


●サブスクリプションvsF2P……なんて考えは間違っている!?

――サブスクリプションとF2Pについて改めてお聞きしたいのですが、吉田さんが考える、“『FFXIV』がサブスクリプションでないとダメな理由”とは、どんなところなのでしょうか。


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吉田 僕は、「ダメです」といった覚えはなくて、“選べばいい派”なんです。
 ただ事実として、2005年くらいから、一時期MMORPGラッシュが続いたのですが、いわゆる大型に属してるMMORPGでは、ほぼ100%、みんなサブスクリプションで始めているんですよ。なぜかと言うと、安定したサブスクリプションだと、毎月いくら入ってくるかがだいたい見えるじゃないですか。それによって、安定した開発チームを持ちたいからなんです。
 「今月はこれだけ売れたけど、来月はいくら売れるかわからない」というF2Pのモデルにすると、雇用が不安定になってしまう。そうなってしまうと、開発者も不安だし、ロードマップが出しにくくなってしまいます。
 長く楽しんでもらうためには、コンテンツを定期的にきちんとリリースしていきたい。そう思うと、きちんとした開発チームが必要で、それを支えるには安定した収益の方がいいんです。
 僕は、MMORPGのプロデューサーってみんなやさしいな、と思っていて(笑)。それは、儲けよりも、安定したお金をいただいて、それをきちんとゲームとしてお返ししていこうとしているからです。そしてそうするのは、続けていただける理由って、アップデートされて入ってくるコンテンツがおもしろいかどうかだからだと思うんです。
 F2Pだと、ゲームコンテンツではお金をとれないので、アイテムとか、時間をお金に換える部分でお金をいただいて利益が出さないと、ゲームを続けられなくなってしまいます。すると、コンテンツのアップデートに集中したいのに、アイテムたくさん作ったり、アイテムをたくさん売るためのショップを作らなきゃ、となってしまう。でもそれって、ゲームのおもしろさに直結しないところですよね。アップデートが、100%の力でコンテンツを作りたいのに、お金儲けのために30%、40%のコストを割かないといけなくなると、「これ何のために作ってるの?」となってしまう。

 とはいえ、MMORPGの開発には、本当に信じられないくらいのお金がかかりますし、莫大な資金を集めるために、いろんな投資家さんたちにお金を出してもらって開発しているのが現実です。サブスクリプションでスタートしてはみたものの、投資家たちにプレゼンしたようなサブスクライバーに届かなかった場合、彼らはすぐに危機感を感じて、「お金を返してほしい」、「これ以上君らには投資できない」という話になります。そうなると、突っ張ってサブスクリプションではいけないわけですよ。課金が止まってしまうと、アップデートすらできなくなるので。結局、やむなくF2Pに切り替えて、売上げを一瞬でばーっとあげて、インベスターにお金も返して、なんとか続けていく。それが現代の辛い現実かな、とは思います。

 ただ、最近のユーザーさんって、長くゲームに1日時間拘束されることを嫌うと思うんです。僕自身もそうですし。気軽に初めて、その瞬間いきなりハイボルテージの高いゲームエクスペリエンスがあって、すぐやめてもいい。でもトータルで見ると、すごく長い時間プレイしている、という。いまの理想はその形かな、とも思います。そういうゲームを突き詰めたような、PvPに特化した『League of Legend』や『World of Tanks』などは、F2Pにすごく向いていると思います。

 結局チョイスだと思うんです。ビジネスモデルは、どんなゲームで、どんなゲーム体験を与えたいか、どんな運営をするかによって選ぶもであって、どっちが優秀だとか、どっちが強いとか、どっちが劣ってるとか、そいうう話ではない……というのを、GDCの講演で話す予定です(笑)。本当に、ゲームによってチョイスを変えればいいし、ニーズが変わるなら変えればいい。“儲からないからないから変える”という後ろ向きな変えかたではなく、“さらにユーザーを増やすために変える”というのはプラス思考なので。僕がサブスクリプションに固執しているというイメージがあるなら、それは違いますよ。

――では、「アイテムを売ってくれ」と言われたら……?
吉田 それがゲームバランスに影響を与えないもので、本当に買いたいニーズがあって、それに対してアイテムを届けられるなら、売ると思いますよ。

――幻想薬(キャラクターの容姿を変えられるアイテム)などはいかがですか?
吉田 そうですね。販売してもいいと思っています。

――それはいつごろから?
吉田 すごくユーザーさんからのニーズが高いので……プロデューサーレターライブのつぎの質問項目にも、「いつから買えるようになるんですか?」と書いてあって、それに“いいね”が400とか付いているんですよ(笑)。時代も変わるんだな、と思いましたね。


●パッチ2.2衝撃の新事実が続々!

――パッチ2.2について多くの情報が公開されていますが、ここまでユーザーの反応はいかがですか?


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吉田 ミラージュプリズム(武具投影)について、なぜか、いわゆる青ネームの装備は投影できないという話が広まっていたんですよ。「吉田が言ってるぞ」と。なんでだったんだろう(笑)。それで、先日のプロデューサーレターで投影の仕かたを全部解説したら、「満額回答じゃないか!」という反応で(笑)。

――それくらい反応がよかった、ということですね。
吉田 普通におしゃれのために用意します、とずっと言っていたものですから。わざわざ使いにくくしたりはしないですよ。プロデューサーレターLIVEの質問でも、「投影したらなくなりますか?」というのがあったり。なくならないですよ(笑)。皆さん、割と厳しめに考えているんだな、と思いました。
 ただ、バインド(譲渡不可の属性)されるので、トレードやマーケットには出せなくなります。だから、買ってきて、見た目だけ移してまた流す、ということはできません。これができると、クラフターが困ってしまいますから。それ以外は、本当に自由に変えていただけるようにしていますよ。

――それ以外の要素についても、おおむね好評のようですね。
吉田 そうですね。クラフターのアイテムはまだ公表していないので、そのあたりは半信半疑だとは思いますが、公表している部分については、楽しみだと言っていただけています。とくにPVについては、楽しみだという声をたくさんいただいているので、この勢いのままいけたらな、と思います。
 あとは……あれですかね。「ゾディアックウェポンってなんだ?」という声が。

――……なんなのでしょう?(笑)
吉田 レリック(古の武器)強化ですが、かなりハードです。コンテンツ的なハードさではなく、時間をかけるタイプのもので、レアドロップも必要になります。

――コツコツやればたどりつけるという感じでしょうか?
吉田 そうですね。制限が一切ないので。ただ、すごくたいへんだと思います。

――レリックより何倍もきびしいような?
吉田 段階が徐々に上がっていくので、目標は立てやすいと思います。パッチ2.2だけで終わるコンテンツではなくて、2.25、2.3……と続いていくので。

――つまりパッチ2.2の段階では完成しないわけですね?
吉田 区切りはちゃんとありますよ。

――パッチ2.2ではここまで、という感じでしょうか。
吉田 そうですね。ただパッチ2.25がきたら、すぐつぎがありますので。でもたぶん、想定される所要時間を考えると、 2.25までにいける人って、ほぼいないんじゃないですかね。

――ロードマップ的にはかなり先の方にまで続くコンテンツなのですね。
吉田 数パッチかかりますね。最終的には、デザイン自体も完全に変わります。昔、僕がエクスカリバーと呼んでいたシステムが、それにあたります。最終的には、ちょっと自分でパラメータをいじれたり、というところもありますよ。
 いままでは、いわゆる大迷宮バハムートのような最難関コンテンツを突破して得る、最高アイテムレベルの武器があり、もうひとつはアラガントームストーンというトークンを貯めて得られる武器があり、このふたつでした。そこにもうひとつ、長時間じっくりかけて育てていく、3つ目の軸ができたわけです。そこがいまの『新生FFXIV』に足りていなかった部分なので。ここから、お好きなものをチョイスしてください、と。もちろん全部やってもらってもいいんですけどね(笑)。

――今後アイテムレベルの引き上げが続いていくと、いわゆるインフレ状態になって、たとえばアラガントームストーン:哲学やダークライト装備が不要になったり、ということを心配しているユーザーもいるようですが。
吉田 プロデューサーレターLIVEまでは答えづらいのですが、哲学は撤廃になりますので。神話にトレードしてください。通貨が増えると、いちばん下位のものは持っていても無駄なので。NPCに哲学を渡して、神話と交換してください。

――哲学はいままで通り取れるのでしょうか?
吉田 もう取れなくなります。また、ダークライト装備は交換から外れて、普通にダンジョンドロップになります。ですから、後発で始める方は、ダンジョンにハイレベルが追加されていますよね。そこを普通にクリアーしていくと、ダークライトが普通にドロップします。

――ホプリタイシリーズがドロップするインスタンスダンジョンで、ダークライト装備がドロップする?
吉田 そのつぎのダンジョンですね。ホプリタイ装備を揃えたら、つぎは、と。インスタンスダンジョンのハイレベルで取れる最高装備が、レベル70のダークライトで、80はクリスタルタワー。90は神話で交換するか、大迷宮バハムート邂逅編。その上は、戦記で交換、という感じです。だからインフレ―ションはしないんですよ。
 いままでの日本の方の持っているイメージって、レベルキャップが上がるイメージだと思いますが、これってレベルのインフレーションなんですよね。僕らは、アイテムが成長することが、メインジョブのさらなる成長だと考えています。
 レベルキャップの開放って、下手をすると、オーバーパワーになりすぎて、最後はバランスが取れなくなっていくんです。その開放するタイミングはできるだけ、エクスパンションのように、ものすごい広大なフィールドがまた追加されて、ダンジョンが一気に8つくらい追加されて、成長させる、という要素が入ってきてこそ、成長が楽しめると考えています。
 そこまでは、アイテムレベルが上昇した、じゃあメインジョブにいよいよ新しい出番がきた、じゃあつぎのアイテムレベルのてっぺん目指してフル装備に育てていこう、という形で。ある程度育った人は、余裕があるならセカンドキャラにまわしたり。
 でもその成長のルートは、増やしてはいきます。時間をかけていくタイプと、腕でコンテンツをねじふせてドロップを取りに行くタイプと、アラガントームストーンでこつこつ交換するタイプと。その幅は今後も増やして、いろんなニーズに応えていこうと思っています。

――ちなみに、戦記装備のアイテムレベルは……?
吉田 ……(沈黙)。プロデューサーレターLIVEで言うことがなくなっちゃうので(苦笑)。

――ゾディアックウェポンのお話もありましたが、ロードマップはどのあたりまで決めておられるのでしょうか?。
吉田 パッチ3.0の設計はだいぶ終わっています。ダンジョン数もダンジョン名も確定していますし、大迷宮バハムートのつぎのハイエンドダンジョンも、テーマも名前も決まって、レベルデザインも始まっています。かなり先、2年分くらいは決まっていますよ。
 いまはどちらかというと、開発全体が、いままで計画通りにきっちり遂行してきて、逆に慣れすぎているところがあるので、「アドリブを入れていかないとダメだ」という話をしています。「勝手にパッチ2.3での実装に決めるんじゃない、もっと手前で入れたいコンテンツがあるなら、入れたいって話をしてこい」という感じですね。


●『新生FFXIV』が目指す先

――今後もコンテンツが山盛りで追加されていきそうで、ユーザーとしてはうれしい限りです。ただ一方で、Sony Online EntertainmentプレジデントのJohn Smedley氏が、コンテンツ主導型のMMORPGは持続できないと語ったり、これにスクウェア・エニックスの和田会長が、ユーザークリエイトコンテンツ主導だとバランスが難しくなると語ったりされていますが、そのあたりについて、吉田さんの見解はいかがですか?
吉田 僕は、そんなに極端な話ではなく、どちらもあっていいのではないかな、と思います。コンテンツでも引っ張ってくれるし、ユーザークリエイト型の遊びも用意されている、となれば、ユーザーにとっては夢のゲームですよね。
 実際、『WoW』は成功しています。僕は、『WoW』の成功は、あきらめなかったことだと思っていて。社運をかけて、ギブアップしなかった。
 いま、9年目を迎えている『WoW』は、すさまじい化け物みたいなゲームになっていますよね。コンテンツもメチャメチャあるし、クリアーしなくてもいい遊びだらけで、自分で目的を見つけたら、いくらでも遊べるくらいのボリュームになっている。でもスタートからそうだったかというと、全然そんなことはなくて。レベル30でキャップだし、キャップになったからPvPをやろうと思ったらバランスはめちゃくちゃだし、「大丈夫かブリザード?」って内容でした。僕も2ヶ月半でアカウントキャンセルしましたし(笑)。
 でも、あきらめなかったんですよね。ブリザードのスタッフこそが世界一のゲーマーであり、というプライドでゲームを作ってきたブリザードが、「ユーザーの声をちゃんと聞かないとダメだ」と言い出して。すごいビックリしましたよ、「あのブリザードが!?」と。でも、フォーラムを立てて、テストサーバーを置いて。一個一個着実に進んでいって、体制が整ったところでTVCMを始めたり、リージョンを増やしていったり。イギリスでは、有名4紙の新聞にディスクをつけてばらまいたりもしたんですよ。イギリスって、MMORPGをプレイする文化はなかったんですよ。すごく格式というか、ちょっと保守的なところもあって。でも、「あれだけ有名な新聞がつけてくるゲームが悪いものであるはずがない」と、上流階級の人たちがプレイをしてみたら、見事にはまってくれた。『WoW』は、そうやって、すごい努力を積み上げて、ああなったんです。

 GDCの講演では、“WoW”と名前がついたルガディンと、“A REALM REBORN”と書いてあるララフェルが戦う、という風刺をやるつもりです(笑)。でも現実、戦わせられるんですよね、メディアさんにも、ユーザーさんにも。
 だけど、事実そうだったんですが、『WoW』だって、当時は『Ever Quest』と比較されて、「足りない」「バランスが悪い」と言われながら、あきらめなかったんですよね。ひたすらコンテンツを作り続けて。あれこそが、MMORPGが生き残る最大にして唯一のポイントだと思っています。
 『旧FFXIV』は失敗したと言われて、事実僕も失敗だったと思っています。でも、アップデートは怠ってこなかったので、課金を初めてから、ユーザー数が3倍になりました。もちろん、『新生』への期待感もあってのことだとはわかっていますが、それでもやはり、コンテンツをアップデートし続けて、おもしろいものを提供し続けていけば、ユーザーさんは、おもしろいのであればお金を払ってくれる。その実証例が、『旧FFXIV』だと思っています。その実証例がある以上、やったことがあるのであれば、がんばれば僕らだってできないことはない、と信じてやっていきたい。
 成功例が一例もないなら、「確かに無理なのかもね」となっても不思議はないけど。『WoW』がある以上、そこに向かって努力を続けるほうが、僕は好きですね。

――やはりロールモデルは『WoW』なんですね。
吉田 そうですね。僕は、MMORPGのNextGen(次世代)を作っているつもりはないんですよ。現世代の最後でいいや、と。NextGenを作るには、危機感がなさすぎる(笑)。
 僕らは、『旧FFXIV』があって、ハードロンチの状態を盛り返すという使命をもって作っているので、「誰も見たことがないようなMMORPGを!」とはならないんですよ。日本人が安心して遊べる、今世代最後のMMORPGでいいかなと。追いかけたいのは、まずそこです。NextGenはそこからでいいのかな、と。もしくは、『新生FFXIV』を作っていく中でNextGenになっていくという。『WoW』がやっていないチャレンジというのも、いろいろ計画しているので、『FF』らしさを追求していけば、違うものになっていくはずだと思います。