スクウェア・エニックス・ホールディングス代表取締役専務 松田洋祐氏

 「我々は昨晩、『FFXV』の発表と『FFXIV』のPS4への対応を発表しました。さらには、『ライトニング リターンズ FFXIII』や『FFX/X-2 HDリマスター』の発売を控えています。『FF』はつねに注目を浴びるフランチャイズですが、これらの強力なタイトルを携えて、いま一度『FF』がすばらしいブランドであることを示したいと思います。
 同じく昨夜、我々は『キングダム ハーツIII』も発表しました。ディズニーさんと手を携えて、この作品を作り上げられることに改めて感謝いたします。そしてファンの皆様の期待にお答えすべく、全力で開発に取り組みたいと思います。
 昨年度来、業績発表や社長交代等、皆さんにご心配をおかけしていましたが、この2013年のE3を起点として、我々スクウェア・エニックスは、より強く、より大きくなるべく前進していく所存です」。

『ファイナルファンタジーXV』に関する質疑応答も スクウェア・エニックス“SQUARE ENIX -THE FUTURE-”リポート【E3 2013】_01
▲カンファレンスの冒頭に登壇したスクウェア・エニックス・ホールディングス代表取締役専務 松田洋祐氏。6月下旬の株主総会と取締役会で、代表取締役社長への昇格が正式に決定する。

『FFXIV』プロデューサー兼ディレクター 吉田直樹氏

 「『FFXIV』は、この夏8月27日に、日本語、英語、ドイツ語、フランス語の4言語対応にて世界同時発売予定の『FF』最新作、そして『FFXI』に続くMMORPGの第2弾となります。
 『FFXIV』は、MMRPGでありながら『FF』を前面に打ち出したタイトルです。我々はPC版はもちろん、PS3版のクオリティーに絶対の自信を持っています。PS3で、これだけのクオリティーで遊べるMMORPGは『FFXIV』だけです。
 そして2014年には、PS4版をリリースする予定です。これは、『FFXIV』を世界中のひとりでも多くの方にプレイしていただくための、我々の新しいチャレンジになります。もちろん、PS3版のプレイデータはすべてPS4版に引き継げますし、クロスプラットフォームでプレイできる予定です。現在、PS3版からPS4版へ乗り換えるときに“よかった”と思える施策を、SCEさんと協議しています。どうぞこの夏、PS3版でまず冒険をスタートし、PS4版を楽しみにお待ちください」。

『ファイナルファンタジーXV』に関する質疑応答も スクウェア・エニックス“SQUARE ENIX -THE FUTURE-”リポート【E3 2013】_02
▲吉田直樹氏。カンファレンスでは、“CRYSTAL'S CALL”と名付けられた最新トレーラーも公開。E3 2013会場でPS3版の試遊が可能であることもアピールした。

ファイナルファンタジー ブランドディレクター 橋本真司氏

 「昨夜の『FFXV』発表から大きな反響をいただいており、非常に感動しています。昨夜は、興奮してなかなか寝つけませんでした。我々にとっても、『FFXV』を発表したことが大きな喜びであることを、改めて皆様にお伝えしたいと思います。
 さて、今年のE3は次世代機の話題で盛り上がっておりますが、今回発表させていただいた『FFXV』は、DirectX11で開発しております。そのツールによって、さまざまなハードへのポーティング(移植)が可能になりました。昨夜のPS4版発表に引き続き、本日、Xbox Oneへの対応も発表させていただきます。
 ご覧いただいた通り、『FFXV』は力強く、より美しく進化を遂げてまいります。今後の情報にご期待ください。」

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▲橋本真司氏。Xbox Oneへの対応を発表すると、会場からは大きな拍手が起こった。なお、『FFXV』の実機デモを中心としたトレーラー(SCEカンファレンスとは異なるもの)も公開された。

『ライトニング リターンズ FFXIII』、『FFX/X-2 HDリマスター』プロデューサー北瀬佳範氏

 「『FFX/X-2 HDリマスター』は、PS3版、PS Vita版というふたつのスタイルをご用意しました。オリジナル版のファンはもちろん、まだの方も遊んでいただきたい名作が復活します。
 そしてもうひとつ、『ライトニング リターンズ FFXIII』は、非常にチャレンジブルな完全新作です。自由度の高い広大なフィールドと、アクションライクなスピーディーなバトル。これが『FF』か、とびっくりすると思います。でも、これが『FF』です。今世代機最後の、究極の『FF』になります」。

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▲北瀬佳範氏。『ライトニング リターンズ FFXIII』と『FFX/X-2 HDリマスター』のトレーラーも流された。

ファイナルファンタジー ブランドディレクター 橋本真司氏

 「E3で『キングダム ハーツIII』を発表できたことを、非常に、非常にうれしく思っています。
 さて、『キングダム ハーツ』シリーズは、これまでソニー・コンピュータエンタテインメント様、任天堂様のハードで発売してまいりましたが、ここで、私から発表があります。『FFXV』と同様、『キングダム ハーツIII』もXbox Oneへのポーティング(移植)が決定しました。マイクロソフト様のハードで初めて動き出す『KH』にご期待ください」。

『ファイナルファンタジーXV』に関する質疑応答も スクウェア・エニックス“SQUARE ENIX -THE FUTURE-”リポート【E3 2013】_05
▲松田洋祐氏が、Disney InteractiveのCo-President、John Pleasants氏を壇上に招く場面も。シリーズのフランチャイズとしての重要性などを語り、スクウェア・エニックスとの連携をアピールした。

引き続き橋本真司氏が質疑応答に対応

 ここで、ファイナルファンタジー ブランドディレクターである橋本真司氏が、メディアからの質疑応答に対応。以下に、主要な質問と回答を掲載する。ゲーム内容に関する質問は、橋本氏から回答するのではなく、クリエイターへのインタビューでの対応になるとのことで明確な回答が得られなかったため割愛。また、開発状況や価格は「お答えする段階にない」、PS4版とXbox One版が同時発売になるかについては未定とのこと。
 
 
Q 『FFXIII』のようにシリーズ化される可能性はあるか?
A 『FFXV』は壮大なドラマでして、その意味でいろいろなお話があります。その中で、今回は『FFXV』というものとして、まずは出させていただきます。大きなストーリーについては、クリエイターのほうからインタビューで回答させていただきます。

Q 『FF ヴェルサスXIII』を『FFXV』に変更した意図
A 当初、(同作は)“ファブラ ノヴァ クリスタリス”という大きな構想の中にありました。しかし『ヴェルサス』がさらに大きく膨らみ、この大作をどうやって皆様にお届けするのがいいか? ということになりました。そしてちょうどハードが切り換わって大きく変動するタイミングですので、大切にやっていこうと、名前を変えてご用意する形をとりました。

Q 『キングダム ハーツ』の過去作は、Xboxフランチャイズでフォローしないのか?
A 現在、予定はありませんが、さまざまな書籍や映像は出ているので、そちらをご覧いただければと思います。

Q 『FFXV』になり、スタッフは変わったのか
A メインのスタッフは変わらず、社内の優秀なスタッフを増やして制作しています。今回のハードは作り甲斐のあるハードですので、優秀なスタッフに参加してもらっています。

Q 『FF』は今後、こういった(アクション性の高い)方向になるのか?
A 『FF』シリーズは、皆さんご存知の通り、毎回システムを見直しているんです。アクション性の高い『FFXV』以降のタイトルが今後どうなるかは、つぎのタイトルを担当するディレクターが考えることです。いまは、とても(『FFXV』より)未来を語る段階にありません。このシステムが固定されていくということはないとは思います。

Q 『キングダム ハーツIII』を開発しているスタッフについて
A スクウェア・エニックスにはたくさんの開発チームがあり、『キングダム ハーツIII』の開発は、『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』や『キングダム ハーツ -1.5 HD リマスター-』を担当した大阪の精鋭チームが担当しています。

Q 『FFXV』と『キングダム ハーツIII』のWii Uへの対応
A いま制作に使っているのはDirectX11なので、このツールで動かないと、現実的にはきびしいと思います。

 なお、『FFXV』がナンバリングタイトルとしては初となる、アクション性の高い作品になることについての質問は何度かあり、海外メディアの『FFXV』への興味や、同作を踏まえての『FF』シリーズの将来的な展開について、とくに関心が高いことがうかがえた。
 それに対し、橋本氏は「私の年齢でも操作ができるように相談させてと言っていて、多くのファンを裏切らないように調整していきます」、「もちろんアクションRPGとコマンドRPGには、それぞれ未来があると思っています。『FFXV』は前者を選んだだけで、後者に未来がないわけではありません」、「つねに進化していくというスピリッツは変わらないので、ポジティブに受け止めていただけるとありがたい」と、あくまでアクション性の高さは『FFXV』の目指すゲーム性に合った選択であることと、シリーズらしい意欲的なチャレンジでもあることを強調。実機でのデモ映像を公開したことにも言及し、開発が進んでいることをアピールした。

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