“すごいATB”の秘密に迫る! 『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』開発スタッフ独占インタビュー

2013年1月11日(現地時間)、フランス・パリにて開催された『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』のメディア向けイベントで発表された新情報について、プロデューサーの北瀬佳範氏と、ディレクターの鳥山求氏にインタビューを行った。

 2013年1月11日(現地時間)、フランス・パリにて開催された、スクウェア・エニックスのプレイステーション3、Xbox 360用ソフト『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』(2013年秋発売予定。以下、『LRFFXIII』)のメディア向けイベント。ファミ通ドットコムは、『LRFFXIII』プロデューサーの北瀬佳範氏と、ディレクターの鳥山求氏に、本イベントで発表された新情報について、日本メディアとして唯一インタビューを行った。
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左:プロデューサー
北瀬佳範(きたせ よしのり)氏
文中は北瀬

右:ディレクター
鳥山 求(とりやま もとむ)氏
文中は鳥山

●新キャラクターのルミナと、前作の主人公ノエル

――欧州で取材を受けられて、メディアの反応はいかがですか?

北瀬 『LRFFXIII』について欧州でプレゼンをするのは初めてなのですが、なかにはとても詳しい方もいて、驚いています。「プレゼンで流した映像で上空に浮かんでいたのは、『FFXIII-2』の最後に出てきたブーニベルゼなのか?」なんて質問もあって、なかなかアツい感じでしたよ(笑)。

鳥山 制作の初期段階で実機デモをお見せするのは初めての試みだったのですが、おおむね好評でした。とくにバトルシステムに関しては、前作までとはガラリと変わっているというのが伝わり、強く興味を持っていただけたようです。

――プレゼンで使用した映像には未公開のシーンが多く含まれていて、ルミナという新キャラクターも登場しました。彼女はセラにそっくりですが?

鳥山 今回の物語では、ライトニングがさまざまな人の心の闇を解放していきます。同時に、彼女自身の心の闇を解放する、ということも、ストーリーの大きな要素のひとつになっているんです。彼女は前作で“セラを救えなかった”という闇を抱えているので、セラに似ているルミナがどう関わってくるかは、大きな意味を持っていますね。

――彼女は、ライトニングの心の闇に関わる存在だと。

鳥山 はい、非常に重要な存在です。


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――ノエルも登場しましたが、いきなりライトニングに斬りかかるという行動に出ました。彼はどういう立ち位置なのですか?

鳥山 ノエルもセラといっしょに行動していたので、ライトニングと同じように、セラを救えなかったことが心の闇になっています。彼の場合はさらに、ユールやカイアスに対して抱えている思いがありますし、前回の自分たちの戦いが原因で、異世界であるヴァルハラが現実の世界に侵入し、現実世界が崩壊しかかっているという事実もあります。そういった闇をすべて内包したまま長い時を過ごしているので、非常に心の闇が深い。ライトニングは、ノエルの魂の解放を試みる過程で、彼と戦うことになります。

――ノエルも、ライトニングからすると救う対象なのですね。彼は、映像で“シャドウハンター”と言われていましたが……。

鳥山 シャドウハンターは、日本語版では“闇の狩人”となります。もともと彼は狩人で、それがダークサイドに落ちてしまったので、そういう呼称になっています。本作での彼は、ルクセリオで単独行動をしていて、悪人を狩るような行いをしています。

――ルミナとノエルが登場するシーンでは、“予言の書”があるのを確認できました。『FFXIII-2』に続いて、予言の書がキーアイテムになるのでしょうか?

鳥山 ルクセリオで起こっている犯罪の根幹に関わるのが、予言の書なんです。そこに何が映っているのかは、プレイしてみてのお楽しみということで。


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●“すごいATB”は、ATBを3本使用するシステム

――ではつぎに、バトルについておうかがいします。以前お聞きした仮称“すごいATB”で戦う様子が公開されましたが……。

鳥山 あ、その“すごいATB”ですが、正式名称になりそうです。

――えっ?

北瀬 バトルシステム自体の呼称は“スタイルチェンジシステム”なのですが、ATBの名前は“すごいATB”でいいかなと(笑)。“強くてニューゲーム”のような。

――なるほど、そういうイメージからきていると(笑)。以前、北瀬さんは、“すごいATB”について「複数人のパーティーで戦っているような感覚がある」とおっしゃっていましたが、ATBを3本使用するシステムだからなんですね。ゲージの溜まっているスタイルに、つぎつぎと切り換えて戦うイメージでしょうか。

北瀬 そうです。従来のATBは、「MAXまで溜まったらこの技を使おう」といった具合に、待ち時間のあるものでした。『LRFFXIII』の“すごいATB”は、そのとき、どのスタイルが攻撃に適したタイミングになっているかをつねに考えながら、切り換えて戦うものになっています。

――3本にするという発想は、どこからきたんですか?

鳥山 これは、阿部(阿部雄仁氏。ゲームデザインディレクター)が考えてくれたものです。僕が休暇を取っていて、それが明けて出社したら、いつの間にか変わっていました(笑)。プレイヤーが、細かくカスタマイズしたスタイルをいかに切り換え、使いこなしてもらえるかを重視したものです。いままででいちばん忙しいATBですね。

――実機デモでは、スタイルの切り換えを一瞬で、スムーズに行っていましたね。

鳥山 ストレスのないものに、というのは意識しているところです。

――弱点を突くとしばらく敵が行動不能になるという、“ノックダウンシステム”の解説もありました。

鳥山 あれは従来の“チェーン&ブレイク”を、より進化させたシステムです。チェーン&ブレイクは、特定の攻撃をくり返してゲージを溜め、ブレイクさせるものでしたが、今回はモンスターごとにいくつか弱点を設定していて、どの弱点を突くのかを考えながら戦うことになります。

北瀬 あるスタイルで、ベヒーモスの弱点である雷属性で攻撃しようとしても、サンダーを使えるスタイルのATBが溜まっていないとダメですよね。そのときは、ガードが使えるスタイルで、“大振りの攻撃をガードで弾くとよろける”という、別の弱点を狙えます。

――敵のHPゲージの下に、3つの四角いウィンドウが表示されていました。弱点を突いてノックダウンさせると、ウィンドウにアイコンが表示されるようでしたが、あのウィンドウの数が、弱点の数を表しているんですか?

鳥山 いまはそうですね。ただ、UI(ユーザーインターフェース)はこれから変更し、もっとわかりやすくなります。最大数は3というわけではなく、強いモンスターほど多いですよ。今回のバトルでは、ライトニングを自由に移動させられますが、特定の部位に攻撃を当てることで、弱点を突ける場合もあります。

北瀬 ライトニングひとりのバトルになるので、戦略の多彩さを重視していますね。ボタンを押すと即座にコマンドが発動するという、アクションの要素を取り入れたバトルではありますが、非常に思考性が高くなっています。


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●ゲームデザインに絡むタイムマネージメントの概念

――モンスターが出現するエリアは“シ界”と言うそうですが、実機デモではシ界の発生する時間を、街に流れるアナウンスで教えてくれていましたね。

鳥山 シ界は、混沌の吹き溜まりのようなものなのですが、時間帯によって出やすさが違います。街のアナウンスは、台風警報みたいなものですね。人々は、日常の中にそういう危険がある状況下で暮らしているんです。

――モンスターが出てくると、NPCが慌てふためく様子なども見られました。

鳥山 街の生活を、どこまでモンスターと絡めるかというのは難しいところなのですが、リアリティーのあるものを目指しています。なお、敵の出現については、以前ご説明した“ワールドドリブン”というコンセプトにも関わる部分です。何時ごろ、どこにモンスターが現れるのか、レアなモンスターはどこに出現するのかを考えながら、移動することになります。

――街にはたくさんのショップがあるとのことで、買い物が楽しそうです。飲食店で食事を摂ると、HPが回復するとおっしゃっていましたが、これは従来とは違い、バトル終了時にHPが全快しないということですね?

鳥山 『FFXIII』や『FFXIII-2』は、ライトユーザーのことを考えて全快させていたのですが、今回は阿部のゲームデザインに合わせて、回復を行うという要素を入れました。HPが減ったら、どう回復するかを考えますよね。そこで、お金でポーションを買うのか、ポーションより安価な食事をショップで摂るのか、という選択肢が生まれます。ショップまでの距離次第では、移動で行動可能な時間が減りますから、そういったことも考慮する必要があります。回復がタイムマネージメントの概念とも絡んでいるんですよね。すべてのルールが、きちんとゲームデザインに落とし込まれていて、かなりよくできたシステムだなと。

北瀬 阿部は1作目から関わっているスタッフです。『FFXIII』と『FFXIII-2』は、鳥山のテイストが強いものでしたが、今回は完全に“阿部ロジック”で自由にやってもらっているんですよ。バトルだけでなく、ゲーム全体の遊びのサイクルがつながっているのが、阿部のゲームデザインですね。

――では最後に、発売時期が発表されたということで、日本のユーザーにひと言ずついただければと。

北瀬 『FFXIII-2』は、『FFXIII』から非常に短いスパンで開発した作品でしたが、今回はさらに早いスピードで開発を進めています。ユーザーの皆さんは、『LRFFXIII』を発表したときに、「早く出せるの?」と半信半疑だったと思うのですが、今回発表したように、2013年秋にはリリースできる見込みです。前作では、ファンの方をストーリーの面でやきもきさせる形で終えたので、早くその結末をお届けしたいですね。また、『FFXIII-2』は、ダウンロードコンテンツを含めて世界を拡張していこうというコンセプトでしたが、今回はすべてを収束させていきます。ライトニングの最後の戦いに、ご注目いただければと思います。

鳥山 今回は欧州、そして北米(フランスでのメディア向けイベントの後に、アメリカのサンフランシスコで同様のイベントが行われた)で、実機でのゲームプレイをお見せする機会を設けましたが、もう少し開発が進んだら、日本のユーザーに向けて、新しいゲームであることをしっかりとお見せしたいと思っています。ぜひ、ご期待ください。


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