吉田修平氏にPSフォーマットの現状と未来を直撃!

”これまでで一番”手応えのある発表会でした SCEワールドワイド・スタジオ プレジデント吉田氏インタビュー【gamescom2012】_01

 欧州最大のゲームイベントgamescom2012に合わせて、2012年8月14日にカンファレンスを開催したSCEE。新規タイトルを含めて多くの最新情報が公開されたが、その手応えや今後の展望などについて、SCEのワールドワイド・スタジオ プレジデント吉田修平氏にお話を聞いた。

──最初に、昨日行われたSCEEカンファレンスの手応えをどう感じているか、お聞かせください。
吉田修平氏(以下、吉田) そうですね。非常に大きな手ごたえを感じています。過去にE3などさまざまなイベントでプレスカンファレンスを行ってきましたが、今回についても、大変ポジティブなフィードバックを得られ、皆さんにとても喜んで頂けたと感じています。ワールドワイド・スタジオだけでも新規に5タイトルを発表できましたし、PlayStationRVita(PS Vita)を前面に押し出してフィーチャーした部分も、強い手応えがありました。とくに、『リトルビッグプラネット』を制作したMedia Moleculeの新作『Tear Away』は大きな反響がありましたね。

──新たに発表されたタイトルに関して、日本での発売はどうなるのか、気になっている日本のファンも多いと思います。
吉田 SCEジャパンスタジオの2タイトル(『rain』と『PUPPETEER』)に関しては、日本でも発売します。その他のタイトルに関しては、現時点ではお答えできませんが、時期が来たらお伝えできるのではないかと思います。日本での対応が未発表の”クロスバイ”は、現時点では欧州向けのサービスということになります。

──プレイステーションが強いと言われる欧州市場ですが、現状をどう分析されていますか?
吉田 そうですね。欧州の経済状況等、様々な厳しい要素がある環境の中、欧州の
プレイステーションは非常に健闘していると思います。

──欧州でプレイステーションブランドが確立した理由をどうお考えですか?
吉田 まず、SCEは欧州にもリージョンの本社を持って、地域に合わせたローカルな活動を広く継続的に行っているということがあると思います。また、ワールドワイド・スタジオとしましても、欧州でのゲーム開発を活発的に行っていて、ファーストパーティーのタイトルサポートという面でも欧州市場に向けたタイトルが提供できているのではないかと考えています。

──期せずして、今年のgamescomはプラットフォーマーの出展はSCEのみとなりました。
吉田 驚きましたね(笑)。非常に熱気があり盛り上がっているイベントですので、我々としては、gamescomは欧州のゲームファンに大きくアピールすることができる場だと考えており、今年も出展させていただきよかったなと感じています。

──新ハードのPS Vitaに関してはいかがですか?
吉田 欧州に限った話ではありませんが、やはりいまPS Vitaに一番求められているのは、タイトルラインアップの充実であることは理解しています。欧州では発売から約半年ですが、ハードウェアとしての完成度に関しては、購入された方からいいフィードバックを頂いています。求められている点は、やはりコンテンツや機能の充実になりますね。同梱版などコンテンツを組み合わせて、同じ値段でもより大きなバリューを持たせされるような取り組みでアピールしていく予定です。

──プレイステーション3は充実した収穫期を迎えていると思いますが、続々と新規タイトルが出てくるなど、まだまだ現役で活躍してもらうハードだとお考えですか?
吉田 そうですね。ハードのポテンシャルは非常に高いものがありますし、いまになってできること、例えばPS Vitaとの連動やワンダーブックなども増えています。

──噂の絶えない”次世代プレイステーション”については……?
吉田 これに関しての回答はできませんが(笑)、ひとつ言えるのは、現在PS3が非常にいい状態です。今年も来年も良質なタイトルが続々と出てきますので、ユーザーの皆さんにはご期待頂きたいと考えています。

──では最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
吉田 はい。カンファレンスは日本時間で観ていただくには厳しい時間になってしまい申し訳ありませんでしたが、プレイステーションの新しいコンテンツやサービスを数多く発表することができました。これをどのようにして日本市場にも届けていくかというのをこれから検討して、順次お伝えできるようにがんばりますので、楽しみに待っていていただければと思います。

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