過去シリーズとは少し趣が異なる狂喜が楽しめる!――『ドラッグ オン ドラグーン3』プレイインプレッション

公開日時:2014-01-08 00:00:00

2013年12月19日に、プレイステーション3で発売されたアクションRPG『ドラッグ オン ドラグーン3』(以下、『DoD3』)。シリーズ最新作にあたる本作は、主人公ゼロと5人の姉妹たちとの壮絶な戦いが描かれる。今回は、まだプレイしていない人のために、ネタバレをある程度控えつつ作品の紹介を織り交ぜながら、インプレッションをお届け。まだプレイしていない人の参考になれば幸いです。





■ひと癖もふた癖もあるキャラクターが織り成す独特のストーリー



みなさん、こんにちは! ライターのジャイアント黒田です。いきなりであれですが、僕はどちらかと言うと猥談(いわゆる下ネタですね)が好きなタイプ。そのため、本作は発売される前から注目していたタイトルでした。



というのも本作には、



・主人公のゼロは性にとても開放的。多数の男性との関係を持つことを何とも思わない

・妹のフォウは姉妹の中で唯一の処女

・妹のファイブは会話中にふしだらな単語をあえて使い、性生活を仄めかすことを好む

・使徒(仲間)のオクタは異常なまでの性豪。穴があれば問題ない

・使徒のデカートは苦痛や逆境を試練という名のご褒美に変換する極端なマゾヒスト



といった具合に、およそコンシューマのゲームらしからぬ設定がズラリ。クセもの揃いのキャラクターたちがどんなやり取りを展開していくのか、興味津々でした。



結論から言いますと、下ネタの盛り込み具合は想像以上。使徒のデカートに向かって「前も後ろもきれいに洗って、夜を待ってろ」とか、妹のフォウに「アソコが臭いのかな?」といったように(どちらもゼロの台詞)、過激な言葉がつぎつぎと飛び出してきます。きわどい台詞が多いものの、それらの台詞をキャラクターたちがサラッというものだから、いやらしさは不思議と感じません。オクタの下ネタをゼロがうまくあしらうシーンなどは爽快で痛快。個人的には、軽妙なやり取りに笑いながらプレイできました。



また、本作にはドラゴンのミハイルがおしっこをもらしたり、ファイブを殺害するシーンで予想外の映像(?)が挿入されるなど、コミカルなシーンが豊富に用意されているのもポイント。本作の目的は、“ゼロが5人の妹たちを殺戮する”とかなり重いですが、下ネタのやり取りやギャグシーンのおかげで、暗い気分にならずにゲームを進められたんじゃないかと思います。



下ネタやギャグテイストの強い展開は、賛否両論があるでしょう。ですが、マルチエンディングを採用しているストーリーは非常に奥深いですし、これから紹介するスタイリッシュな戦闘システムや豊富なやり込み要素など、本作にはストーリーの一部の要素だけで食わず嫌いをするのがもったいないほどの魅力がつまっています!

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■地上や空中でくり広げられる爽快なアクション



ドラゴン(ミハイル)に乗って戦闘を行うバトルシステムは、本作でも健在。ゼロを操作して戦う地上戦のほかに、ドラゴンに騎乗して戦う上空戦と地上決戦があります。ストーリーは、基本的に地上戦で展開されて進みますが、要所要所で上空戦や地上決戦が用意されており、多彩なアクションを味わえるようになっています。



地上戦は、剣や槍、格闘武器、戦輪(投擲武器)を駆使して敵を撃破していきます。武器ごとにそれぞれコンボが用意されており、誰でも簡単に連続攻撃がくり出せるほか、武器をシームレスに持ち替えて攻められるようになったのも大きな魅力。たとえば、盾を持った兵士を槍で攻撃して体勢を崩し、使いやすい剣に持ち替えて倒すなど、スピーディーでスタイリッシュなアクションが満喫できます。

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続いて上空戦は、シューティングゲームのような感覚で楽しめるのがポイント。敵はミハイルのブレスで攻撃できますが、□ボタンを長押しすることで複数の敵をマルチロックオンすることもでき、□ボタンを離すと複数のブレスを放てます。マルチロックオンで複数の敵をまとめて倒せたときの爽快感は抜群! ターゲットをすべて倒すと得られる特別なボーナスも用意されているので、挑戦しがいのあるものになっています。

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最後に地上決戦は、ミハイルに乗って地上と上空を行き来しながら敵と戦えるのが最大の特徴です。地上ではかみつき攻撃や強力なファイヤーブレスを放てるほか、上空に舞い上がると、ブレス、突進攻撃をくり出せます。ミハイルの圧倒的な力で敵兵を蹂躙できるのは爽快でしたし、巨大なボスが出現するシーンでは、手に汗握るバトルを楽しめます。

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戦闘システムで忘れてはいけないのが、“ウタウタイモード”です。ウタウタイと呼ばれる特殊な能力を持ったゼロは、敵を攻撃して返り血をあびたりすると、“ブラッドゲージ”が上昇。ブラッドゲージが一定量まで溜まると、ウタウタイモードが発動可能になります。能力を発動させると、ゼロの能力がアップするほか、ダメージを受けなくなるので、ボスのような強敵にも強気でガンガン攻められるように。ウタウタイモードは任意で解除でき、ピンチのときだけ発動させ、窮地を脱したらゲージを温存するといった戦法も取れます。

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ほかにも敵の攻撃を回避するステップや、攻撃を跳ね返すカウンターなども用意されており、多彩な戦闘シーンで奥深いバトルをくり広げられるのがミソ。操作自体はシンプルですし、ゲームオーバーになっても有利な状況でリトライできるシステムが用意されているので、アクションが苦手な方もご安心を。手軽に爽快で派手なアクションを楽しみたいという人には、ピッタリのタイトルだと思います!



■豊富に用意されたやり込み要素に注目!



ストーリーをクリアーしていくほかに、多彩な依頼に挑戦して報酬を獲得したり、入手した武器を強化できるといった、多彩なやり込み要素が用意されているのも、本作の大きな魅力です。



依頼は、いわゆるクエストのようなもの。敵兵や宝箱から特定のアイテムを集めたり、ターゲットを撃破するとクリアーできます。依頼を達成すると、経験値やゴールド(お金)を獲得できるほか、初めて依頼をクリアーしたときに初回報酬として武器を入手したり、アイテムの所持上限数がアップするなどの特典を得ることも可能です。

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依頼の初回報酬やストーリーの宝箱、ショップで購入した武器は、武器素材とゴールドを消費して強化できます。武器を強化すると、攻撃力が上昇するほか、武器によってはサイズが大きくなることも。サイズが大きくなると、攻撃モーションが遅くなるといった欠点はありますが、そのぶんリーチが長くなり、複数の敵をまとめて攻撃しやすくなります。



そして、本作では武器に“ウェポンストーリー”が用意されているのも特徴です。ウェポンストーリーとは、武器ごとに設定された物語のことで、武器のレベルが上がると続きの物語が開放されていく仕組みになっています。ウェポンストーリーのおかげで、武器を集めたり、武器のレベルを上げるモチベーションにもなるというわけです。ちなみに、ウェポンストーリーの内容は、武器によってテイストがかなり異なっています。たとえば、デカートが使徒になったときに入手できる格闘武器“自虐の悦極”のウェポンストーリーはと言うと……。



【Lv1】

なんという事!

おやめください。そのような熱湯に浸けられては大火傷をしてしまうではありませんか!! 酷すぎる!



【Lv2】

ああっ、惨めすぎるッ!

そのように固い鉄の棒で打ち据えられては、ただただ捨てられた犬のような悲鳴を上げるしかありません!!



Lv3以降は、ぜひご自身で確認してほしいのですが、このように思わず先が気になるストーリーとなっています。もちろん、武器によってはちゃんとした(というと、自虐の悦極に失礼?)ウェポンストーリーが用意されていますので、お楽しみに! 愛用している武器の設定を知ることで、愛着が増すと思いますので、お気に入りの武器はどんどん強化してください!!



■ドラゴンのミハイルに注目!



最後に、個人的にツボだったミハイルの魅力を紹介したいと思います! ミハイルは、ゼロのパートナーのドラゴンです。僕のイメージでドラゴンと言えば力の象徴。口から火を吐き、圧倒的なパワーで立ち塞がる相手を殲滅する畏怖の存在です。



しかし、本作に登場するドラゴンのミハイルは、純粋無垢でかなりのドジっ子。見た目は成長してドラゴンらしく立派になっていきますが、無邪気にはしゃいだり、みずからピンチを招いてはゼロに助けを求めたりと、とにかくキュートなんです! この新手のギャップ萌え(?)に僕のハートは射抜かれてしまい、いつのまにかウタウタイの六姉妹ではなく、ミハイルに夢中になっていました(笑)。本作をプレイする際は、ぜひミハイルの活躍に注目してください!!



ちなみに、本作はシリーズ最新作ではありますが、『1』や『2』を遊んでいなくても、十分に楽しめる内容になっているので、シリーズ未経験者の方もご安心を。『ドラッグ オン ドラグーン3』が気になっている人は、ぜひ本作の世界を体験してみてください!

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著者:ジャイアント黒田

週刊ファミ通で執筆する、ゲームと食べ歩きが大好きなフリーライター。本作をプレイしてミハイルに萌えてしまった残念な人。微笑ましいミハイルの姿を見ていると、自然と笑顔になってしまうらしい。

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『ドラッグ オン ドラグーン3』特設ブログ DoD3通信

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