Cult of The Lamb(PS4)のレビュー・評価・感想情報

ローグライクの2Dアクションに、教祖としてカルト教団を管理、運営する要素を組み合わせた建て付けがユニークかつ、おもしろい。非道徳な行いや、不衛生な描写もあるけれど、ポップなアートスタイルがかわいらしく、あまり嫌悪感を抱かずにフィクションとして楽しめます。信者たちの要求に応え、お世話をしていると、ときに愛おしく、ときに憎らしくも思えてきて、つい夢中で遊んでしまう。

週刊ファミ通1761号より

アクションゲーム勘のある人なら手癖でスイスイ進められ、そうでない人もドロップアイテム運と諦めない心で何とか突破できる絶妙な難度の“探索パート”。そこで得たものを閉鎖的な村の体で維持・調整していく“教団パート”を交互にくり返すうちに、外の世界のことがどうでもよくなってきます（笑）。あらゆる面で、何かを得るために何かを犠牲にすることが強いられるゲーム性に、耐性があれば。

週刊ファミ通1761号より

ちょっぴりアートが香るキャラクターは“小動物感”を放っていて、守ってあげたいタイプのかわいらしさ。彼らと出会える期待で、ともすれば作業になりがちな洞窟探検に、つねにフレッシュな気持ちで臨めます。彼らとともに教団を大きくする運営シム要素は、カルト宗教というより子どもの悪だくみのような、マイルドなダークさが愉快。できることも行動範囲も徐々に増えていき、やめどきを見失います。

週刊ファミ通1761号より

ローグ系探索アクションと、街作りのシミュレーションがそれぞれ持つ、異なるゲーム性を丁寧に追求するとともに、両者のシステム的融合が化学変化となり、独自の手応えを生み出す。ゲームシステムやキャラクターのモーションなどの作り込みも丁寧だが、それは本作の題材となっているカルト宗教に対しても毒気たっぷりな方向で発揮されており、そのブラックユーモアは遊ぶ人を選ぶかな、とも。

週刊ファミ通1761号より