プレイヤーが行うのは、記事の掲載について承認か却下かを決めるのみだが、これによって世論とともに社会の情勢が変わっていく様子を見届けるのは、好奇心が刺激される。疑念や葛藤を抱きつつ、報道する記事の取捨選択に悩むのも楽しい。くり返しプレイで多彩な結末を見る構造もいいが、扱うニュースのジャンルがそれほど多くなく、もっと変化の幅やプレイごとの広がりがあれば、さらによかった。
週刊ファミ通1618号より
シンプルな取捨選択の蓄積によって、見える範囲の世の中が劇的に変化していく様は、ポップなビジュアルでは取り繕えない生々しさを感じさせます。ある程度の国際情勢の知識や関心がないとピンと来ない部分もありますが、1プレイが短く、登場人物がアンロックされるやり込み要素もあるので、続けるほどに自然と理解が深まるでしょう。意図せぬ決定をしやすいUIは、“それも現実的”と思うしかない!?
週刊ファミ通1618号より
報道の影響で変化する情勢の行方を眺めては、よりよい社会を求めて、再び挑戦せずにはいられない。1回あたりの所要時間が短いことや、登場人物の追加といった大きな変化があるのも、再プレイ性を高めています。社会問題をテーマに、原因と影響が記号化されていますが、ふたつの正しい主張のうち一方しか選べないような葛藤も多く、実際に胃が痛くなるほど。犬やドローンとの触れ合いが慰めに。
週刊ファミ通1618号より
自分が選んだ記事でガラリと変わる、街並や身近な人間関係。毎日通う道だからこそ、その変化に自身の責任が重くのしかかる。民族対立、グローバリズム、遺伝子操作……政治的“選択”の難しさと影響を、わかりやすく遊びに落とし込んでいるのがすばらしい。緊張の日々をちょっとだけ癒してくれる、ペットの犬やドローンの存在もいいね。ただ、選んだ記事をその場で取り消しできないのは気になった。
週刊ファミ通1618号より