クロスレビュー
ホラーと少々のグロい要素、そして陰鬱なシナリオは、けっして万人向けの作風ではないけど、通常のBL作品とは一線を画す、独特の魅力があります。切ない系の物語が好きな人なら、ハマれるかも。選択肢が文章では表示されず、本能と理性を表すエフェクトのどちらかを選ぶ形式なのもユニーク。結末は複数あるが、途中までの大筋はあまり変わらないこともあり、ストーリーは短めに感じるかな。
週刊ファミ通1538号より
つぎに何が起こるのか予期できない物語が繊細かつ淡々と描かれ、目を背けたくなるほどグロテスクで哀切なのに、深く没頭してしまう秀逸なシナリオ。グラフィックとサウンドの効果的な演出も相まって、息をすることすら忘れます。彼らが逃れられない運命に絡めとられていく様は、ともすると美しく、愛おしい。新規の追加要素は少ないですが、10年経っても心をえぐられる、センセーショナルな作品。
週刊ファミ通1538号より
“異端な自分(たち)は世間になじめていない”という10代で抱きがちな感覚が、禍々しい設定と、ハードな肉体関係によって妖しく描かれます。本能に従うか理性で対処するかの2択の積み重ねで分岐していくシナリオに、さほど広がりは感じないものの、ダークな日常モノとしてのとしての魅力は十分。画面のタテヨコ比率がフィットしないイベントCGの表示法や閲覧操作に、少しひっかかりを感じました。
週刊ファミ通1538号より
分娩を連想させるような生々しい描写と、救いのない展開が続き気が滅入りますが、それだけに強烈な印象が残りました。言葉による選択肢ではなく、理性を働かせるか本能に従うかを選ぶシステムも、作品性にマッチ。彼らが求め合う理由に納得のいくシナリオ背景が見事です。たとえばミッションスクールの校風など、若干の違和感を覚える部分があり、物語に浸る妨げとなっているのがもったいない。
週刊ファミ通1538号より
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