『トワイライトシンドローム』を思わせる探索型のホラーアドベンチャーだが、1960年代の台湾の文化や思想が作品に織り込まれていて、日本製のゲームにはない独特の雰囲気が感じられるのがいいですね。謎の多い朽ちた学校という舞台や、息を潜めて通り過ぎるのを待つなどして対処することになる、倒せない霊の存在が、じわりとした怖さをプレイヤーに与えています。謎解きの難度はやや高めの印象。
週刊ファミ通1527号より
イラスト調のグラフィックで、ものすごく怖いというほどではないが、恐怖感をじわりと煽る演出が巧み。サウンド面などで、とくにそれが光る。プレイ的には、探索やちょっとした謎解きがメインとシンプルだけど、息を止めて霊をやり過ごす動作は緊張感があっていい。ホラー体験だけではなく、次第に見えてくる切ない物語も魅力で、当時の台湾の歴史的背景を知れば、本作への理解がより深まりそう。
週刊ファミ通1527号より
重苦しく悲哀に満ちたシナリオが胸に迫ります。おどろおどろしい学校の怪異を調べ、幽霊をやり過ごしたりするうちに、作品世界へと深く引きずり込まれていく作りが巧妙。謎解きの一部が時間をキーとしているのも、真相やテーマを示唆する仕掛けに。あと少し解説が充実していれば理解の助けになると思う一方、説明過多を避けつつエンターテインメントとして仕上げたところにセンスを感じます。
週刊ファミ通1527号より
台湾と日本の学校文化の、似ている部分が既視感を、同時に日本に存在しないものが違和感をもたらし、怖さを増幅。色彩を抑えたグラフィック、雨音や魔物のラップ音など、巧みな演出も不安をかき立てる。アイテムを拾い、行く手を阻む謎を解くというオーソドックスな探索スタイルだが、夜の学校という状況と、息を止めての移動など、要所で挿入されるアクション要素が、緊張感を途切れさせない。
週刊ファミ通1527号より