上界と下界に分かれている世界観や、親殺しの罪を着せられて下界に送られる主人公の境遇といった要素が興味をそそる。ただ、ストーリーはもうちょっと盛り上がりが欲しいと感じるところも。本編での恋愛要素が薄く感じられるが、追加された後日談でカバーされているのはいいね。舞台設定のこともあってか、ハードな展開が多く見られ、バッドエンドも複数あるので、このあたりが苦手な人はいそう。
週刊ファミ通1507号より
主人公が口汚くののしられたり、暴行を受けることが茶飯事で、ルートによっては残虐な場面が続く。そもそも低い恋愛の糖度を痛々しさが上回り、辛くなることも。それだけシナリオの密度が濃く、描写が丁寧で没入しやすいとも言えますが、確実に人を選ぶ尖った作品。主人公が誇り高くて勇敢な反面、かなり恋愛に疎い設定で、本当の恋を知る過程はおもしろかったです。それにしてもフィンさん……涙。
週刊ファミ通1507号より
上界や下界などの世界設定や渦巻く陰謀が、物語を突き動かすいいエッセンスとなっています。主人公は騎士道精神を持つ女の子で、プレイヤーが自身を投影しやすいタイプではないけど、潔さと男性たちに翻弄される初々しさがいいですね。一方、愛憎でドロドロした場面も。やや性急に感じる展開もあるものの、起伏に富んで、勢いよく読み進められます。男性視点のパートや機能面なども充実のひと言。
週刊ファミ通1507号より
恋愛糖度としてはビター。不条理かつ殺伐とした世界感への耐性が必要となります。でも、コメディー要素もあり、まったく色恋に興味がない主人公に、男性陣が頭を悩ませながら恋愛について教えていく姿はツボでした! プレイの進行状況により、少しずつ開放されていくオマケ要素が楽しく、エンディング回収もがんばれます。欲を言えば、後日談は、視点ごとに異なるストーリーであればうれしかった。
週刊ファミ通1507号より