百合系の作品だが、直接的な描写よりも精神的なつながりを重視した内容で、抵抗なく読み進められる。推理パートは、前作『春篇』と比較すると、少しやさしめな印象。独特なタッチの美しいグラフィックや素敵な楽曲、少女たちの心理を緻密に描いた物語は、相変わらず魅力的。PC版に近い画面の色合いに補正できたり、PS Vita版でのタッチ操作への対応など、システム面のこだわりも前作同様で○。
週刊ファミ通1402号より
文章にやや小難しい言い回しが出てくることはあるものの、淡い雰囲気のグラフィックや優美な音楽と相まって、美しい世界観を作り出している。少女たちの気持ちの動きが丁寧に描かれる物語は魅力的で、前作とは主人公が違っていて、視点が変わっているところもまたおもしろい。前作に比べて推理パートの難度が下がり、納得しやすいものになっているのも○。各種機能面も充実していて抜かりなし。
週刊ファミ通1402号より
表現スタイルは総じて抑制的ながら、浮世離れした物語世界の空気が伝わるシナリオテキストや画面演出、BGMが秀逸。スキップや巻き戻しなどの動作も快適で、“美しき乙女の園”のムードに気持ちよく浸れます。推理パートの難度は、物事の前後関係や、登場人物の性質を押さえていれば、無理なく答えを導き出せるレベル。百合関係の描写も、驚くような展開やビジュアルなどはないのでご安心(?)を。
週刊ファミ通1402号より
淡いタッチのビジュアルとプラトニックな描写、雰囲気を大切にした演出が、甘やかで残酷さもある清らかな美しい世界に浸らせてくれます。システム的に目新しさは感じられないものの、珍しいテーマを密やかに体験できる点はゲームとして価値あり。対人関係や感情の変化が納得できるシナリオもいい。推理要素は、物語の妨げになっているのが惜しいが、インタラクティブ性を持たせる試み自体は○。
週刊ファミ通1402号より