クロスレビュー
ゲームシステムは『不思議のダンジョン』がベース。そこにキャラメイクや職業、スキルといった『世界樹の迷宮』の魅力が盛り込まれて、非常にバランスのいい作品に仕上がっている。アリの巣構造のダンジョンや砦の建設、防衛隊など、本作ならではの新しい遊びが味わえるのも◎。さまざまな要素が絡み合っているものの、煩雑さは少なく、ユーザーの誘導も丁寧で、ストレスなく楽しめるのが好印象の1本。
週刊ファミ通1369号より
それぞれのシリーズのシステムがうまく融合していて、キャラのメイキングやパーティ編成の妙を楽しみながら、スリルのあるダンジョン探索に臨むのがおもしろい。パーティの仲間は、ふだんはオートで行動するので、つぎのターンでの行動が読みづらく、少々ややこしく感じるかも。ボスとの戦闘では、メンバー全員に指示を出すRPG色の強いバトルになり、メリハリが利いているのがいいね。
週刊ファミ通1369号より
2作品のいいとこ取りで、システムも多いけれど、チュートリアルが丁寧で、かつ世界観を大切にした内容なので、とても入り込みやすい。ダンジョンやBGMの美しさも、中毒性を高める一助となっています。部屋の前で止まるダッシュ機能や、通路後方にいる仲間を部屋の中へ招く展開機能も便利。砦を建設したり、街の施設を発展させていくのも、いいモチベーションに。新職業のフーライもおもしろい。
週刊ファミ通1369号より
ひと言で言ってしまうと、『世界樹』の皮を被った『不思議のダンジョン』で、『世界樹』のキャラたちが“不思議のダンジョン”を冒険するという内容。自動生成のダンジョンは楽しくも緊張感満点。システム的に無理な部分は承知しつつも、『世界樹』シリーズの特徴であるマッピングは残しておいてほしかった。似て非なるゲーム性をひとつにまとめようという企画のおもしろさと勇気は、賞賛に値します。
週刊ファミ通1369号より
良かった点
・双方の要素を上手く混ぜている
死ぬときはあっさり死ぬ所やD.O.E.が容赦なく攻めてくるなど、世界樹のスリルのある所は残しつつ不思議のダンジョンの要素を上手く組み合わせていると感じました。
序盤からのステージごとの難易度の上げ方もちょうど良くて、チュートリアルダンジョンもわかりやすく不思議のダンジョンが初めての方も取っつきやすいと思います。
・BGMのアレンジがとても良い
BGMのアレンジがどれも良くてとても嬉しかったです。
特に3の航海BGM、1の5層、3の5層のアレンジが気に入っています。
・世界樹ファンにはグラフィックが嬉しい
世界樹では装備品の見た目がグラフィックで出てくる事がないのですが、このゲームでは武器や盾は見た目に反映されるのでPCキャラのイラストで持っていた装備品の名前が解ったりするのは世界樹プレイヤーにはかなり嬉しかったです。
悪かった点
・味方AIがあまり思ったように動いてくれずテンポが悪い
特に砦戦闘で感じてしまいました。
砦防衛でやってきてくれるキャラクターは指示ができず完全にAI任せなのですが、状態異常をバラ撒いて欲しいカースメーカーが延々と攻撃魔法だけをやり続けたりするので、攻撃魔法を使わないようにスキルをオフにしたら、今度は近接で殴り始めたりだとか。
お前は何の職業なんだと思わずにはいられませんでした…。
他にも冒険中に通路で前のキャラクターが戦っていてもすぐ後ろで何もしないルーンマスターとか、自分に強化がかかるまで号令をかけ続けるプリンスなど、細かい部分でストレスがたまりました。(というか、そもそもプリの号令はなぜ自分にかからない事があるのか…?)
シレンの方でも仲間NPCが邪魔だなと思うことが多かったので発売前から操作しない仲間キャラクターのAIについては不安だったのですが、悪い方に予想が当たった感じです。
AIとは少し違うのですが、割り込み指示をオンにしていると状態異常解除の巻物を持っていると状態異常になる度にアイテムを使うかどうか全部のキャラのターンで聞かれるので、これもまたストレスがたまりました。冒険中は割り込み指示はオフにしておいた方が良かったなと、今更ながら思います。
このような所が積もり積もって全体的にテンポが悪いです。
・敵の見た目があまり変わらない
敵はフロアによって入れ替わっていくのですが「琥珀の力が強くなった〜」というテキストで敵が強くなった事を知らされて敵の見た目は前のフロアと同じというより、世界樹は色違いで敵が違うものになってしまうので難しかったのかもしれませんが、色違いでもいいので見た目で敵が変わった・強くなったんだな、と思わせて欲しかったです。
総評
総プレイ時間約47時間・ストーリークリアでの感想です。
クリア後のダンジョンは少しプレイしましたがクリアしていません。
PTはプリンス・ルーンマスター・フーライ・ダンサーでした。
世界樹シリーズは1〜4と新1、不思議のダンジョンはシレン5をクリアしています。
細かいひっかかりはたくさんあったんですが
(F.O.E.戦のBGMをストーリーダンジョンで多用しすぎてちょっと耳につくので要所だけで使って欲しかったとか、ダンジョンの風景が潜っている間は大幅に変わらないのでちょっと見飽きるとか、不思議のダンジョン系にある餓死スリルがほぼ無かったとか、酒場で聞ける他の人たちのテキストがいつものシリーズよりも読んでてしんどいとか)
これは双方の元のゲームをプレイ済みだから感じる事で、このゲームが初めてという方は気にならないかもしれません。
あとキャラクターの雰囲気がナンバリングの世界樹と違うのが気になったので、PCのイラストは世界樹シリーズのイラストレーターさんに担当して頂きたかったな、と少し思いました。
キャラクターのグラフィックも2種類づつしかないので、元の4種類全部見たかったです。
世界樹ファンには思ったよりも世界樹なのでオススメですし、シレンファンは最初からソロか二人程度のパーティでプレイするのが良いかと思います。
良い点で上げていますが、世界樹が好きで従来シリーズプレイ済みならより楽しめると思います。
クロスレビュー