シンジュクに、熱い古代サウンドが鳴り響く!
2017年8月14日、新宿 ReNYにて、アトラスの人気ダンジョンRPG『世界樹の迷宮』シリーズの10周年を記念したライブ、““世界樹の迷宮 10th Anniversary LIVE ~イザツドエ!ボウケンシャー!!~”が行われた。
本ライブでは、シリーズ珠玉の名曲を、公式バンド“SQ F.O.E band”が熱く演奏したほか、シリーズの作曲者である古代祐三氏もゲストとしてバンドに参戦。さらに、ゲストボーカル・いとうかなこさんの登場や、MCを務めた声優・磯村知美さんによる、ファンならではのトークなど盛りだくさんのステージとなっていた。本記事では、“シンジュク”にて、ボウケンシャーたちが熱く盛り上がった模様を、みなさまにもお届けしよう(以下、『世界樹の迷宮』シリーズを『SQ』、『新・世界樹の迷宮』シリーズを『SSQ』と記載)。なお、出演者は以下の通り。
■出演者
公式バンド“SQ F.O.E band”
上倉紀行氏(キーボード&エレキギター)
副田整歩氏(サックス)
テイセナ氏(ヴァイオリン)
宮崎大介氏(ギター) ※宮崎氏の“崎”の字は、正しくは山へんに立奇です
中西道彦氏(ベース)
白川玄大氏(ドラム)
古代祐三氏(作曲者、ゲストキーボード)
いとうかなこさん(ゲストボーカル)
磯村知美さん(MC)
大きな拍手に迎えられながらバンドメンバーが登場すると、まずは『SSQ』のオープニングムービーとともに、『the beginning of the end』でライブがスタート! 力強い演奏でパフォーマンスすると、続けて『SQIV』の通常バトル曲『戦場 疾風』へ。心地よいサックスの音色とヴァイオリンの旋律が会場を温めていく。
オープニングに圧倒されつつも、MCの磯村さんがつぎの2曲を発表すると、その懐かしさからか観客たちからも溜息にも似た歓声が。3曲目には、ボウケンシャーたちが初めて迷宮に足を踏み入れた、『SQ』より『迷宮I 翠緑ノ樹海』をしっとりと演奏、続いて『SQII』の通常バトル曲『戦場 初陣』で、疾走感溢れるサウンドを披露。早くも4曲が終了すると、ここで上倉氏が、バンドメンバーを観客のみなさんにご紹介。また、上倉氏は“SQ F.O.E band”が結成から5周年を迎えたことを、シリーズ10周年と合わせて、ファンへ感謝を述べていた。
続いては、街や広場のBGMが2曲演奏。まずはサックスの色気がムーディーな『SQV』の『街景 暮れ行くは双子の宴』。さらに、舞台が海の『SQIII』より、海底施設 インバーの港のBGM『街景 日輪照らす水面』が披露され、この夏にピッタリな陽気なリズムで、ボウケンシャーも南国気分に。
そしてここで、ボウケンシャーたちからの大きな歓声に包まれながら、古代氏が登場。古代氏はこの10年を振り返り、1作目『SQ』のBGMをFM音源で作ったこと、『SQIV』、『世界樹と不思議のダンジョン』より生演奏に切り替わったことが思い出深いと語る。また『SQIII』までは、自分好みのFM音源の音色を取り入れて作曲していったそうだが、『SQIV』、『世界樹と不思議のダンジョン』以降は、本シリーズが昔のRPGを再現することがテーマということもあり、生演奏も楽器や音色にあえて古めかしいものを取り入れるなど、さまざまな試行錯誤や工夫をしているそうだ。
トークが終わると、“SQ F.O.E band”に、古代氏もキーボードとして参加し、2曲を演奏。ちなみに古代氏は、自身の担当したタイトルの曲を、単独ライブで演奏するのは、作曲者として活躍しているこの約30年間の中で初なのだとか! 最強のバードとも言える古代氏をパーティーに加え、『SQV』の『戦場 一触即発』に、『SQIII』の『戦場 その鮮血は敵か汝か』と、F.O.Eバトル曲を続けて披露。強敵F.O.Eと遭遇し、あわててしまうような感覚がギターに乗り気持ちよく、観客たちからも「きたきた!」という声が聞こえてきたのが印象的だった(そこ! 増殖する悪夢にゾンビパウダーをかけないで!)。
8曲目を迎えて、ここで前半が終了。ここからは、ゲーム中盤以降の曲がテーマになっていく。後半の最初は、ボウケンシャーたちの行く手を阻んできた、“迷宮”のBGMが5曲連続して披露。『SQV』の『迷宮III 晦冥ノ墓所』、『SQIV』の『迷宮 IV 木偶ノ文庫』、『SQII』の『迷宮IV 桜ノ立橋』、『SQ』の『迷宮V 遺都シンジュク』、『SQIII』の『迷宮V 白亜ノ森』が、神聖な音の空気感で演奏されると、観客たちは声を出さずに大きな拍手をステージへ送っていた。余談だが、筆者は新宿の地で『迷宮V 遺都シンジュク』が聴ける日が来るとはと感激し、思わず目に涙を浮かべていたのはナイショ。
ここで再度古代氏が登場し、トークパートへ。シリーズの曲を振り返り、『迷宮』はテーマがしっかりとしているため、シリーズ総じて楽曲を作りやすいそうで、その中で難しく感じるのはバトル曲なのだとか。プレイヤーがいちばん聴くBGMなので、古代氏はバトル曲だけは日数をしっかりとかけているそうだ。また、もし次回作が発売され、もし対応ハードが3DSから変更されるとすれば、楽曲のイメージも変えたいという個人的な願望も語っていた。さらに古代氏は続けて、「僕の勝手な言葉ですが、僕としては『新・世界樹の迷宮3』が見たいですね!」というと、会場からも賛同者たちからの大きな拍手が送られていた。お願いしますよ、アトラスさん!
さらに続いての楽曲たちにも古代さんが参加し、終盤戦へ突入。『SQ』の『鉄華 恍惚』、『SQIII』の『戦乱 剣を掲げ誇りを胸に』、『SQIV』の『戦場 己が信念を杖に』、『SQV』の『戦場 明日を掴むは死闘の先』、『SSQ2』の『血戦 身命を賭して』と、バトル曲の連続にはボウケンシャーたちもノリノリ! 激しいドラムにギター、サックス、ヴァイオリンがガッツリとミックスされ、そこに観客たちのハンドクラップが加わり、会場全体が一体となってステージを盛り上げていた。
19曲目にはいとうかなこさんが登場し、『SSQ2』のオープニングテーマ『Reaching out for our future』を、オープニングムービーとともに熱く歌い上げる。アンコールには、『SSQ』のフォレスト・セル戦BGM『眠らずの戦場』に、ラストはシリーズ屈指の人気曲である、『SQIV』の『戦乱 吹き荒ぶ熱風の果て』が演奏され、大歓声が沸き起こる! クライマックスを迎えてサウンドの余韻が残る中、これにて全21曲が終了。
最後には、出演者全員でお別れのご挨拶。古代さんは、ボウケンシャーたちの前で演奏できた喜びを語り、いとうかなこさんは、「ファンのみなさんの愛がすばらしいです!」と感激。上倉氏は、「ファンの皆さんのおかげで、ライブをやるたびに、大きな会場へどんどんレベルアップできています!」と、感謝の気持ちを述べていた。そして、次回のライブへ向けて、「みなさんまたお会いしましょう!」、「またね!」という、観客たちとのコール&レスポンスでライブは終了となった。
なお、2017年8月31日に発売予定である『世界樹と不思議のダンジョン2』の先着購入特典は、ファン投票企画によって作られた、ユーザーズベストアルバムだ。古代氏の監修のもと全楽曲がリマスターされたアルバムとなっているほか、今回のライブで演奏された楽曲がほぼ収録されているので、ぜひゲットすべし! また、ライブの途中には、2017年11月3日に開催されるゲーム音楽バンドフェス“Return to 4star 2017 - GAME MUSIC BAND FES. -”に、“SQ F.O.E band”が参戦することが発表された。続報を楽しみに待とう。
■“世界樹の迷宮 10th Anniversary LIVE ~イザツドエ!ボウケンシャー!!~”セットリスト
M01『the beginning of the end』(『新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女』)
M02『戦場 疾風』(『世界樹の迷宮IV 伝承の巨神』)
M03『迷宮I 翠緑ノ樹海』(『世界樹の迷宮』)
M04『戦場 初陣』(『世界樹の迷宮II 諸王の聖杯』)
M05『街景 暮れ行くは双子の宴』(『世界樹の迷宮V 長き神話の果て』)
M06『街景 日輪照らす水面』(『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』)
M07『戦場 一触即発』(『世界樹の迷宮V 長き神話の果て』)
M08『戦場 その鮮血は敵か汝か』(『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』)
M09『迷宮III 晦冥ノ墓所』(『世界樹の迷宮V 長き神話の果て』)
M10『迷宮 IV 木偶ノ文庫』(『世界樹の迷宮IV 伝承の巨神』)
M11『迷宮IV 桜ノ立橋』(『世界樹の迷宮II 諸王の聖杯』)
M12『迷宮V 遺都シンジュク』(『世界樹の迷宮』)
M13『迷宮V 白亜ノ森』(『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』)
M14『鉄華 恍惚』(『世界樹の迷宮』)
M15『戦乱 剣を掲げ誇りを胸に』(『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』)
M16『戦場 己が信念を杖に』(『世界樹の迷宮IV 伝承の巨神』)
M17『戦場 明日を掴むは死闘の先』(『世界樹の迷宮V 長き神話の果て』)
M18『血戦 身命を賭して』(『新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士』)
M19『Reaching out for our future』(『新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士』)
EC1『眠らずの戦場』(『新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女』)
EC2『戦乱 吹き荒ぶ熱風の果て』(『世界樹の迷宮IV 伝承の巨神』)