※本記事は、2023年3月13日にアップした記事を再編集したものです。

続編だからこそ新しい挑戦が豊富に盛り込まれた意欲作

 いまから21年前の2003年(平成15年)3月13日はプレイステーション2(PS2)用ソフト『ファイナルファンタジーX-2』が発売された日。

『ファイナルファンタジー10-2』が発売された日。『FF10』から2年後の世界を舞台に、忘れられない“キミ”の面影を追って“ユリパ”の3人の新たな冒険が始まる【今日は何の日?】

 『ファイナルファンタジーX-2』はスクウェア(当時)から発売されたRPGで、『ファイナルファンタジー』シリーズ初の続編作品。なお、2003年4月1日にスクウェアとエニックスが合併したため、スクウェアから発売された最後の作品となった。

『ファイナルファンタジー10-2』が発売された日。『FF10』から2年後の世界を舞台に、忘れられない“キミ”の面影を追って“ユリパ”の3人の新たな冒険が始まる【今日は何の日?】

 本作は、『ファイナルファンタジーX』から2年後を描いたタイトル。『FFX』の主人公ティーダとの悲しい別れを経験して静かに暮らしていたユウナだったが、リュックが見つけたスフィアにティーダらしき人物が映っていたことをきっかけにスフィアハンター“カモメ団”に入り、舞台となるスピラを巡って真相を追うことになる。前作で最大の脅威“シン”を消滅させたことでスピラ各地にはさまざまな変化が起こっており、月日の流れを感じながら再び思い出の地を巡るのはじつに感慨深いものがあった。

『ファイナルファンタジー10-2』が発売された日。『FF10』から2年後の世界を舞台に、忘れられない“キミ”の面影を追って“ユリパ”の3人の新たな冒険が始まる【今日は何の日?】
『ファイナルファンタジー10-2』が発売された日。『FF10』から2年後の世界を舞台に、忘れられない“キミ”の面影を追って“ユリパ”の3人の新たな冒険が始まる【今日は何の日?】
『ファイナルファンタジーX』

 前作ではどこか一歩引いた奥ゆかしさのあったユウナが、本作では髪型や服装、性格までも一変。しかし、それは冒険を通して自分の殻を破ろうとする表れだということが垣間見え、そのひたむきな姿は胸を打つ。そんなユウナを筆頭に、おなじみのリュック、そして本作から新たに登場した女剣士パインの3人を主軸として物語が進んでいく。3人の通称は、名前の頭文字を取って“ユリパ”。冒頭でリュックが囁く「ユ・リ・パ レディ ミッション・スタート!」というセリフはじつに印象的だ。

『ファイナルファンタジー10-2』が発売された日。『FF10』から2年後の世界を舞台に、忘れられない“キミ”の面影を追って“ユリパ”の3人の新たな冒険が始まる【今日は何の日?】
『ファイナルファンタジー10-2』が発売された日。『FF10』から2年後の世界を舞台に、忘れられない“キミ”の面影を追って“ユリパ”の3人の新たな冒険が始まる【今日は何の日?】
『ファイナルファンタジー10-2』が発売された日。『FF10』から2年後の世界を舞台に、忘れられない“キミ”の面影を追って“ユリパ”の3人の新たな冒険が始まる【今日は何の日?】

 当時は女性3人がメインキャラクターというだけでもセンセーショナルだったが、筆者がいちばん衝撃を受けたのはオープニング。ユウナらしき人物がライブ会場のような場所で『セーラームーン』ばりに華麗に変身をし、音楽に身を躍らせながら歌うキラキラとした姿には度肝を抜かれた。当時のファミ通編集部でもかなり話題になって、モニターの前にみんな集まって「もう1回見よう」と、何度もオープニングを見た記憶がある。

 ちなみに、オープニングの『real Emotion』とエンディングの『1000の言葉』は倖田來未さんの7枚目のシングル。当時、倖田來未さんはテレビにまったく出演していなかったという背景もあり、抜群の歌唱力とクールでセクシーな声質はとても話題に。

『ファイナルファンタジー10-2』が発売された日。『FF10』から2年後の世界を舞台に、忘れられない“キミ”の面影を追って“ユリパ”の3人の新たな冒険が始まる【今日は何の日?】

 バトルシステムは『FFX』のカウントタイムバトル(CTB)ではなく、シリーズでおなじみのアクティブタイムバトル(ATB)。行動コマンドを選択するとゲージが溜まっていき最大値まで溜まるとコマンドを実行するというもので、使用するアビリティやアイテムによって待機時間が異なるため戦略性が高く、おまけにサクサクとテンポよく進むので非常に爽快だった。

 また、本作最大の特徴といえば“ドレスフィア”。過去の『FF』シリーズに登場したジョブシステムのようなもので、ガンナーや白魔導士、ダークナイト、ギャンブラー、きぐるみ士など、能力値やアビリティが異なるさまざまな種類が存在し、戦況に応じてドレスフィアを変更しながら戦いに挑む。それぞれの衣装デザインが素敵なうえに、バトル中にドレスフィアを変更するとド派手な衣装チェンジシーンが挿入されるので、まるでショーを見ているような気分に浸れた。筆者は“強くてニューゲーム”を使って何度も周回プレイをしたが、バトルの爽快さと見た目の華やかさによって飽きずに楽しめた覚えがある。

『ファイナルファンタジー10-2』が発売された日。『FF10』から2年後の世界を舞台に、忘れられない“キミ”の面影を追って“ユリパ”の3人の新たな冒険が始まる【今日は何の日?】
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 2004年2月19日には、北米版をベースに『FFX-2』のその後のエピソードを描いた“ラストミッション”が追加された『ファイナルファンタジーX-2 インターナショナル+ラストミッション』が発売。その後、さまざまな機種で展開された『ファイナルファンタジーX/X-2 HDリマスター』には、『FFX-2』から1年後のティーダとユウナ、そして新キャラクターたちが織り成すボイスドラマが収録されている。ちなみに、『FFX』と『FFX-2』のシナリオを担当した野島一成氏が手掛けた小説『FINAL FANTASY X-2.5 ~永遠の代償~』も存在。小説には、シンを倒してから2年と数ヵ月後の物語が描かれている。

 少し話は逸れるが、2023年に『FFX』が歌舞伎化し、大きな話題となったことも記憶に新しい。『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』と銘打った舞台で主人公のティーダを演じたのは尾上菊之助さん。『FFX』をかなりやり込んだ尾上さんみずからスクウェア・エニックスに企画書とビデオレターを送って実現したという。

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