突然ですが、“日本橋”という文字を見て、みなさんはどこを思い浮かべますか? 東京都出身の筆者は中央区の日本橋(にほんばし)を思い浮かべてしまうのですが、いまからご紹介するメイド喫茶経営シミュレーション『電気街の喫茶店』の舞台は大阪中央区・浪速区の日本橋(にっぽんばし)です。
本作はドット絵で描かれており、その大阪・日本橋の再現度がえぐいのです。セガの『龍が如く』を彷彿とさせるくらいに。
2024年3月2日から3日にかけて行われた、インディーゲームの祭典“TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024(TIGS2024)”にて本作を試遊してきましたので、早速レビューをお届けしたいと思います。
※本記事はPLAYISMの提供でお届けしています。
なにもかも“Kawaii”で構成されたメイド喫茶アドベンチャー『電気街の喫茶店』
本作の主人公は、いわゆるブラック企業を退職し、衣食住も失ってしまったばかり。そこでひょんなことから店長不在のメイド喫茶“ふわふわ”の店長代理を任されることになり、個性的でかわいい4人のメイドたちといっしょにメイド喫茶“ふわふわ”を盛り上げていく、というストーリーです。
『電気街の喫茶店』をプレイした際に感じてほしいのが、舞台となっている日本三大電気街のひとつ、大阪・日本橋の再現度です。
本作のパブリッシャーであるPLAYISMは大阪府に本社をかまえており、パブリッシングの話が持ち上がったときは「うちがやらないでどこがやる」とパブリッシングすることになったとか。
本作の開発者である劉氏は、大阪・日本橋の再現にかなりこだわっており、ソフマップや駿河屋、地元のラーメン屋など、そのまま実名で実装されている店舗も数多くあります。その再現へのこだわりはセガの『龍が如く』に匹敵しそうです。PLAYISMの担当者は劉氏の希望を叶えるため、許可取りに日本橋中を回ったと語っていました。
劉氏がここまで日本橋の再現にこだわったのは、ひとえに、プレイした人たちが日本橋を訪れてほしい、という思いからだそうです。聖地巡礼をしてくれる人がいたらうれしい、とも語っていました。
『電気街の喫茶店』をプレイしてみて感じたのは、「想像したよりノベルゲームの色が強い」ということでした。それもそのはずで、もともと、開発初期段階ではノベルゲームとして制作されており、それからメイド喫茶の経営シミュレーションてきなシステムを組み込んで、現在の形になったとか。
女の子たちとキャッキャッしながら会話し、日本橋でデートをして、メイド喫茶の店長代理として働く……「ブラック企業、辞めてよかったじゃねぇか」と主人公くんの肩をバシバシ叩きたい気分です。
とはいえ、メイド喫茶の経営シミュレーション部分もおざなりになってはいません。お金を稼がないと家賃を払えませんし、ガチャガチャもコンプリートできないし、ゲームもできないし、何より女の子たちとのデート代がない。
メイド喫茶の営業日は、開店前にまず従業員を厨房、ホールなどに配置。そしていざ開店すれば目が回るほどの忙しさで、店長代理も注文を取ったり、料理を運んだり、レジを打ったりします。本当に忙しい……。
ときには、イベントが発生する特別なお客さまが来店することも。
お客さまのリクエストに応えるべくドリンクを作るのですが、これがまあ本格的。試遊では2種類のコーヒーを淹れたものの、トッピングの材料棚だけ見ても膨大な量のレシピが存在するのでは? と予想。グラフィックもいいので、かなり満足感が高いです。
ちなみに劉氏は日本・横浜生まれの中国人で、開発スタジオである冒険者酒館は上海にあり、上海のスタッフと作り上げているのが『電気街の喫茶店』になります。世界で日本の“Kawaii”の概念が浸透しつつありますが、本作はまさに、劉氏と冒険者酒館の皆さんが“かわいい”に対する熱い思いをゲームにした“Kawaii”ゲーム。
かわいい女の子とデートをして、ドット絵のかわいい街並みを散策して、かわいいメイド喫茶でかわいいコーヒーを淹れる。日本の“Kawaii”が詰まっています。
『電気街の喫茶店』は、2024年内にPC(Steam)にて配信予定。ぜひウィッシュリストに登録して、配信日を待ちましょう!
『電気街の喫茶店』
- プレイ人数:1人
- 価格:未定
- 発売日:2024年
- ジャンル:アドベンチャー
- 開発元:冒険者酒館
- 販売:PLAYISM
- 対応言語:日本語・英語・中国語(簡体字)
- 対応プラットフォーム:PC