バンダイナムコエンターテインメントのRPG『テイルズ オブ アライズ』の大型DLC、“ビヨンド ザ ドーン エキスパンション”が、2023年11月9日にリリースされた。このDLCでは、ゲーム本編のエンディング後の物語を描く追加エピソード“ビヨンド ザ ドーン”を楽しめる。

 この“ビヨンド ザ ドーン”のテーマソング『We Still』を手掛けるのは、ロックバンドの感覚ピエロだ。感覚ピエロは、『テイルズ オブ アライズ』本編のテーマソング『HIBANA』も手掛けている。

 本記事では、感覚ピエロのメンバーへのインタビューをお届け。『テイルズ オブ アライズ』とのこれまでの関わりや、『We Still』制作時の想いなどをうかがった。

『テイルズ オブ アライズ』大型DLC“ビヨンド ザ ドーン”のテーマ曲担当・感覚ピエロにインタビュー。『We Still』は、聴き終えた後にもう一度『アライズ』の世界に帰りたくなるように制作した

横山直弘(よこやま なおひろ)

ボーカル&ギター

秋月琢登(あきづき たくと)

ギター

滝口大樹(たきぐち だいき)

ベース

アキレス健太(あきれす けんた)

ドラム

――『アライズ』の発売から2年が経ちました。発売後、『HIBANA』に対して、どのような反響がありましたか?

横山身近な知り合いから「『アライズ』プレイしたよ! 曲聴いたよ!」という連絡をたくさんいただきました。僕らのお客さんも、いまではライブでいっしょにシンガロングしてくれていて、 この楽曲が世の中に浸透していることを強く感じました。

滝口過去に自分がそうだったように、ゲームを通して感覚ピエロの音楽に興味を持ち、掘り下げて出逢ってくれる方が多かったように思いました。いまではライブでもいっしょに歌ったりと、僕たちにとっても特別な一曲になったように思います。

――“テイルズ オブ フェスティバル 2021”などで、『テイルズ オブ』ファンと触れ合う機会もあったと思います。『テイルズ オブ』ファンに対して、どんな印象を抱いていますか?

滝口とにかくあたたかい。“テイルズ オブ フェスティバル”では直接目の前で演奏する機会もありましたが、終演後、たくさんのうれしい声をいただいて、純粋にやってよかったな、また会いたいなと思いました。

健太ファンの皆様は、とにかく『テイルズ オブ』に対してすごく愛情があるなと感じました。歴史が長い『テイルズ オブ』シリーズの中で、新参者の感覚ピエロの演奏をしっかり聴いてくれたのはすごくうれしかったです。

――2022年には、『アライズ』のオンライン舞台の主題歌『モノクロセンチメンタルビリーバー』、『アナザーエデン 時空を超える猫』と『テイルズ オブ』コラボのテーマソング『the light』を担当されています。これらの楽曲を手掛けたことで、『アライズ』への理解はどのように深まっていきましたか?

秋月ゲームから舞台化、そして『アナザーエデン』コラボと、本当に『アライズ』の作品にここまで携わらせていただいて、感覚ピエロとしても思い入れの強い作品になったことは間違いありません。また、ゲーム、舞台、コラボとそれぞれ違った場面を魅せてくれています。『アライズ』の世界観はどこか他人事ではない、ゲームの中だけではないような気がしていて、とくに舞台では人が演じる中でリアルと重ね、改めて考えさせられるストーリーだなと思いました。

――ゲーム本編に続いて、“ビヨンド ザ ドーン”のテーマソングのオファーがあったときのお気持ちを教えてください。

滝口純粋にうれしかったです。自分自身も『テイルズ オブ』シリーズのファンなので、『HIBANA』の時点で感無量でしたが、続投のオファーをいただいて制作陣の作品への愛を感じたのとともに、『テイルズ オブ』シリーズを一生愛そうと決めました。

――今回のテーマ曲『We Still』を制作する際、とくに意識したこと、こだわったことは? また、富澤祐介プロデューサーら開発チームからは、どのようなリクエストがありましたか?

横山富澤さんを筆頭に、開発スタッフの皆様のビジョンがとても鮮明で、ゲームを最後まで進めてエンドロールをご覧になられるユーザー様に伝えたいことについて、ご要望をいただきました。そのビジョンを、音でユーザー様に感じ取っていただけるように、構成から質感からこだわりました。

――『HIBANA』を手掛け、実際に『アライズ』をプレイした経験は、『We Still』の制作にどのような影響を与えていますか?

秋月『アライズ』から続く物語ということもあり、『HIBANA』から始まり『We Still』で締めくくる、という大きな流れは意識したかもしれません。影響で言うと、この物語がフィナーレに向かっているという感覚と、あくまで“エンディング”として終わらせるのではなく、今作の“テーマソング”として『We Still』を聴き終えたあとに、またもう一度『アライズ』の世界に戻りたくなるよう(プレイしたくなるよう)に制作しました。

――感覚ピエロの皆さんが考える、“ビヨンド ザ ドーン”の見どころとは?

秋月まだプレイも何もできていないので的を得ているかわかりませんが(笑)、個人的にはどこか世代が入れ替わる瞬間に立ち会えるような気がしています。『アライズ』で積み重ねたそれぞれの時間、想いなんかが、ひとつの襷のように受け継がれていく。僕らはそんな物語に立ち会えるような気がします。全然違かったらごめんなさい!(笑)

――最後に、『テイルズ オブ』ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

横山『テイルズ オブ』シリーズにこうしてまた楽曲を書かせていただいたことをとても光栄に思っております。“ビヨンド ザ ドーン”のエンドロールで皆様をお待ちしてます。『テイルズ オブ』チームの皆様とともに作り上げたこの想いが、音で皆様に届くことを願っています。これからも感覚ピエロをよろしくお願いします。

滝口まず、新規大型DLC“ビヨンド ザ ドーン”リリースおめでとうございます。 の2年間、続きを待ち望んでいたファンの方も多かったのではないでしょうか? また、DLCとはいえ作品を跨いで続投という、数少ない機会を与えてくれたこと、とてもうれしく思っております。皆さんのことですから、11月9日のリリースからクリアーまで、猛スピードで走り抜ける人も数多くいるのでしょう。エンドロールの先で待っていてください。僕もすぐに行きます。

健太みなさんと『テイルズ オブ』をガンガン盛り上げて、大切なシーンを音楽で色濃く彩っていきたいなと思いますのでよろしくお願いします!