突然ですがこの度、芸術の街“アテネス”にある夢幻美術館の館長に就任しました。……が、私はもうダメかもしれません。
※この記事は『ガールズクリエイション』の提供でお送りします。
突如として前館長が失踪してしまったので、私が新館長に選ばれたとのこと。引き継ぎもなく毎日がわからないことだらけですが、所蔵品管理官のミャコ・サンソヴィーノの手厚いサポートでなんとかやっていけています。
おもな仕事は美術品収集をはじめとした美術館の経営。そして犯罪の解決です。
いきなり美術館館長の範疇から逸脱してしまった。この街ならではの問題として“芸術犯罪”というものがあり、治安の維持も美術館の管轄らしいのです。まじですか。
忙しい毎日だけど、サンソヴィーノちゃんからめっちゃ頼られているので、フルアニメーションのオープニングを見ながら今日も1日がんばっていきます。
というわけで、2023年10月24日に配信開始のDMM GAMES新作『ガールズクリエイション -少女藝術綺譚-』(以下、『ガールズクリエイション』)の中に入り込んでしまった。PC(ブラウザ、DMM GAME PLAYER)とAndroid端末でプレイ可能なターン制戦略シミュレーションだ。
いわゆる“擬人化”系のゲームであり、テーマは“芸術”。ゴッホもロダンもミケランジェロもフェルメールも、名のある芸術家や彼らが手掛けた作品がかわいらしい女の子に。紳士な方のために大人向け版も用意されている。
本作はDMM GAMES内の開発チーム“クリエイティブチーム くまさん”の第4弾タイトル。これまでに『ティンクルスターナイツ』などを世に送り出してきた同チームにとっても、『ガールズクリエイション』はフラッグシップタイトルなのだという。
ひと足先にプレイできる機会をいただけたので、特徴的な戦闘やかわいらしいキャラクターたちと美術館運営の魅力を紐解いていきたい。
そして、ゲームを進めるうちに、冒頭の画像で主人公が「自分も失踪してやろうか」なんて冗談を言う気持ちが少しわかった。それだけやれることが多いのだ。まあ、ゲームとしてはコンテンツが多い方がうれしいのだが。
なお、この記事の内容やスクリーンショット類は開発中のもの。リリース後とは異なる可能性がある点はご了承ください。
藝術の神々によって生み出された街に、魔の手が忍び寄る
舞台となる芸術の街“アテネス”は、この世界における文化・交易の中心地。産業革命前夜のヨーロッパを思わせる雰囲気が印象的だ。
世界中から移住者が集まっていることもあり、中には国際色豊かな街区も。一見華やかながら、近年は人々を傷つける“死の芸術”や、それを生み出す“死の芸術家”たちが引き起こす凶悪事件と治安悪化に悩まされているという。
死の芸術に対抗するために立ち上がったのが、あらゆる藝術の蒐集保護を目的としてアテネスに設立された夢幻美術館の“藝術家”たち。藝術家とは、ゴッホやロダン、フェルメールといった名のある芸術家と同じ名を持つ美少女たちだ。
夢幻美術館は主人公たちの拠点。かつては街のランドマークだったが、いつしか時代に取り残され、現在ではすっかりさびれてしまった。死の芸術が引き起こす事件を解決しながら、客足が減った夢幻美術館を盛り立てていくのが若き新任館長の目標となる。
上の画像を見ればわかる通り、死の芸術家たちは得体の知れない存在だ(頭がひまわりのやつらなんて怖いに決まってる)。主人公ひとりでは事件を解決できそうにない。
そこで頼りになるのが、藝術家に加えて、彼女たち作品から生まれる“イマージュ”。個性豊かなキャラクターは、ときに貴重な戦力となり、ときに『ガールズクリエイション』に彩りを沿える華となる。
藝術家たちの中でも気になるのはキービジュアルの中央にいるアルテだ。序盤からストーリーに関わってくる彼女は何らかの原因で記憶を失っている。失われた記憶が物語のカギを握るのかもしれない。
本作では戦闘用のデッキを組むために藝術家とイマージュを集めるわけだが、各キャラクターにはレアリティや属性の異なるスタイル(衣装やグラフィック違い)が用意される。高いレアリティほど強力で豪華になるため、つい集めたくなってしまう。
イマージュとは、鳥山石燕作の“河童”(画図百鬼夜行より)やドナテッロ作の“ダヴィデ像”のように、作品に魂が宿った姿のこと。藝術家に力を貸してくれる存在だ。作品名とは別に個人としての名前もついている。
メインストーリーはフルボイスで進行(主人公を除く)。オート再生や連続再生、過去ログ閲覧といった機能が付いているため、自分のペースでゆっくり物語を読み進められるのはありがたい。
なお、ストーリー第1章では、藝術家のアルテとゴッホ、そしてゴッホ作の“星月夜”から生まれたイマージュのネイトたちが登場。数日前から連絡が途絶えてしまったゴッホの妹・テレサの行方を探すこととなる。
ちなみに、本作でのゴッホは自己評価が異常に低く、生活能力に乏しく、すぐに人に依存する(とくに妹のテレサに)。なるほど、ゴッホを美少女化するとこうなるのか。
ストーリーを開放して読むには“ストーリーキー”というアイテムが必要で、これはバトルを行うと少しずつ溜まっていく(バトルの詳細は後述)。ステージをクリアーすると“探索報酬”という形で手に入るのだ。
無課金の場合は1日あたりのストーリーキー入手数に限界はあるものの、それほど不自由は感じなかった。ステージごとの条件を満たして★3でクリアーするとスキップ機能が開放されるため、時間がないときでもサクッと集めておける。
どうしても先を読みたいときは、課金ショップで“探求のクロノメーター”を購入し、探索報酬の待ち時間をリセットしてもいい。
戦闘はターン制の戦略シミュレーション。もっとも重要なのは“移動”
『ガールズクリエイション』はキャラクターを集めてデッキを構築する、一般的に“ソシャゲ”と呼ばれるタイプのゲームだ。その中では珍しく、戦闘にはターン制の戦略シミュレーションを採用している。
バトルの前のお楽しみと言えばデッキ構築。5人の藝術家と、それぞれに協力する5人のイマージュを選択する。とにかく最強を目指すのは鉄板として、好きなキャラクターを軸に、自分のロマンを追求するのもいい。
藝術家には以下の3種を装備可能。
- イマージュ:藝術家をサポートする精霊(のようなもの)。ステータスが全体的に上乗せされ、必殺技(絶技)の効果が変化。
- 技法:一般的なゲームで言うところのスキル。スタイルを入手すると増えていく。3つまで装備可能。
- アクセサリ:武器や防具にあたるもの。3つまで装備可能。
準備ができたらいよいよ戦闘だ。バトルはタイル状に構成されたマップ“藝術空間”で行われる。1ターン経過するごとに後方が崩れ、前方に新たなマスが現れるという、ほかのゲームではあまり見られない仕様となっている。
前へ前へ進むしかないということもあり、本作の戦闘システムは“移動”が非常に重要。キャラクターが敵の上を通過すると通常攻撃を行い、移動後には技法を使用できる。行きたいマスを指定すると効果的なルートを進むが、自分で移動ルートの設定も可能。
この、“前進”に重きを置いている点がとてもいいのである。一般的な戦略シミュレーションでは待ちの姿勢が強い。敵の移動が届かない位置まで退避し、目の前で止まったら先制攻撃。効率はいいが戦いが消極的になりがちだ。
一方、『ガールズクリエイション』でそんなことをしているとマップから落ちてしまう。前に進むのでアグレッシブに戦う気が起こり、戦闘が前のめりに。スピーディーに勝てると何とも気持ちいい。
味方キャラの上を通過すると“すれ違いバフ”という効果を得られるので、進軍ルートを考えるのが楽しい。並んでいるふたりにバフをかけた後に敵を攻撃、なんてことも可能である。バフは装備しているイマージュによって効果が異なる。デッキ構築にも力が入るというものだ。
移動による通常攻撃後は技法で追撃。技法には属性や射程距離、効果範囲、再使用までのクールタイムが設定されている。MP的な数値はないので、既定のターンが過ぎれば何度でも使用可能だ。
フィールドには“ソウル”というものが落ちている。これを拾ったり敵を攻撃すると“入魂”ゲージが溜まり、100%に到達すると装備中のイマージュの姿に変身できる。これを入魂と言い、通常攻撃の属性が変化するほか、必殺技“絶技”を使用可能になる。
ほかにも、バトルに関する要素は多彩だ。ダメージを軽減させつつ敵の移動を止められる“受流”、攻撃を避ける“回避”、一部技法の発動条件となる“熱情”などなど。
そこに敵との属性関係も加わるため、バトルは一筋縄ではいかない。最大効率を求めて戦略性を楽しめるほか、オート進行も可能。周回のストレスがない点は安心してほしい。
“四季”や“阿弥陀如来坐像”など、美術館に美術品を配置しよう
もうひとつの重要なコンテンツが“ミュージアム”だ。ゲームをプレイする中で手に入れた美術品を飾って、イマージュを学芸員として配置。夢幻美術館の再興を目指すモードとなる。
美術品が多いほど美術館のレベルが上がり、来客者数も増えていく。来客者は“感情資源”を生み出し、美術館に少しずつ蓄積。感情資源は工房で芸術作品を創作するための材料となり、配置した学芸員によって獲得量を増やせる。
創作活動はふたりの藝術家がペアになって行う。美術館に展示する芸術作品だけでなく、イマージュも入手可能だ。
4種からなる感情資源を好みの分配で使用し、待ち時間を経るとイマージュや芸術作品が生み出される。感情資源の消費量や藝術家の組み合わせによって完成品が変わるため、ぜひいろんなパターンを試してほしい。
仲のいい藝術家たちを眺めるのはとても気分がいいものだが、自分(館長)と仲を深めてもらうこともできる。一部の界隈では女の子ふたりの間に挟まること=死とされているので、個別に仲よくなりたい。
藝術家にプレゼントを贈ったりして信愛度を上げることで、個々のエピソードが開放される。館長と藝術家の信頼関係からなる甘い雰囲気が感じられて、読み応えもバツグンだ。
芸術家×美少女という新たな擬人化に挑戦した『ガールズクリエイション』。かわいい女の子たちといっしょに戦っていくうちに、芸術作品についても自然と知識が身につくのはおもしろい。筆者はつい作品のことを調べてしまったし、美術館で展示があったらリアルに鑑賞してみたい。
イマージュのキャラクターデザインにも、もととなった芸術作品の要素がギュッと詰め込まれているので、両者を見比べてみるのもおもしろい。
サービス開始後もたくさんの藝術家やイマージュが登場していくと思うので、館長とどういったストーリーが展開されるのか期待したい。