イギリスの競争・市場庁(CMA)が、現地時間の2023年9月22日、マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザード買収に関して、修正案によって従来の懸念点がほぼ解消されたという見解を公表した。

 これは、“アクティビジョン・ブリザードのタイトルのクラウドゲーム版の権利をユービーアイソフトに売却する”という修正案について検討を進めていたもの。CMAが一度買収反対の判断を下した際、アクティビジョン・ブリザードのタイトルが加わることによってマイクロソフトのクラウドゲーム分野での独占性が高まりうることを懸念しており、修正案はその解消を狙ったものとなっている。

 CMAが公表した文章によると、残された懸念点としてユービーアイへの売却が十分な形で行われない可能性などがあったものの、CMAが売却の執行を強制できるという条件をマイクロソフト側がつけたことで暫定的な結論に至ったという。最終的な判断については2023年10月6日までに行われる予定だ。

 買収の成立に向けてはすでにアメリカやECで実質的に成立可能な状態になっており、最後の障害となっていたCMAからの正式な承認が下れば無事成立という形になる。

 マイクロソフトのブラッド・スミス社長はこの発表を受けて、CMAの判断を歓迎しつつ、2023年10月18日に延長された合意期限までに買収を成立できるよう、引き続き取り組んでいく旨を語っている。