セガはNintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、Xbox Series X|S、Xbox One、PC向けに『ソニックオリジンズ・プラス』を2023年6月23日に発売する。
『ソニックオリジンズ』は『ソニック』シリーズ初期4作品をデジタルリマスターし、大画面で快適にプレイできるアニバーサリーモードなどを追加したファン垂涎のタイトルだ。
当時の貴重な資料がミュージアムで鑑賞できたりなど、ゲームをプレイせずとも、コレクションとして持っておきたいほどのボリュームになっている。
『ソニックオリジンズ・プラス』の購入はこちら (Amazon.co.jp)『ソニックオリジンズ・プラス』ではさらに、ゲームギア12タイトルの実装、プレイアブルキャラとしてのエミー参戦など、ファンの期待に応える追加要素が加わった。
本記事では『ソニックオリジンズ・プラス』で追加された要素を実際にプレイした所感をお伝えしていこう。本作一本で何十時間でも遊べそうな大ボリュームに仕上がっていたので、シリーズファンの人はぜひチェックしてほしい。
『ソニックCD』でナックルズが参戦! エミーもプレイアブル化
本作でプレイできる『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、『ソニックCD』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3&ナックルズ』の4タイトルでは、新たにエミーがプレイアブル化したことが大きな要素となっている。ムービーなどで登場することはあっても実際に操作する機会はなかったので、待ち望んでいた人も多いだろう。
エミーでいくつかのタイトルをプレイしてみたところ、操作感はソニックに近い仕上がり。テイルスやナックルズほどクセがなく、初めてプレイする人でも扱いやすいキャラになっている。スピードも十分かつ、固有のアクションが強力なこともあり快適に遊べた。
エミー固有のアクションはピコピコハンマー攻撃。ジャンプ中にもう一度ジャンプボタンを押すと全方位にハンマーを振り回すという、シンプルなアクションだ。
一見すると通常のアタックと変わらないように見えるが、絶妙にリーチが伸びており敵やアイテムに触れやすい。全力疾走しながらぐるぐるハンマーを回すだけで敵をなぎ倒せるので、ステージをトップスピードで走る心地よさが強く感じられる。
とくにボス戦ではその性能を遺憾なく発揮してくれて、多少ジャンプ力が足りなくてもハンマーでビシバシ殴れるので非常に快適。エッグマンが飛んでいようが距離を取ろうがお構いなしに叩けるため、少し無茶な動きをしても何とかなる頼もしさだ。
難しく考えずとも直感的に戦えるので、当時難度が高くて挫折した人や、もう一度遊びたいという人でも新鮮な気持ちで遊べるだろう。
ちなみにハンマーは地上でも使用可能で、ジャンプボタンを押したまま着地すると前方に振り回しながら突進する攻撃に移行する。長い直線に敵がいる場合も、そのまま突っ切れる安心感があるアクションだ。
ただし、段差などでキャンセルされることもあるため過信は禁物。エミープレイ時は調子に乗って突撃しまくって、何度もリングをロストする羽目になった。
もうひとつの追加要素として、収録タイトルのひとつ『ソニックCD』でもナックルズが使用可能になった。ナックルズ自体は『ソニックオリジンズ』から使えたのだが、『ソニックCD』では使用不可だったためようやくの参戦だ。
『ソニックCD』は過去や未来にタイムワープしながらステージを進んでいく作りが特徴的だが、ナックルズが解禁されたことで探索の魅力が広がったように思える。ナックルズの固有アクションである空中での滑空と壁登りにより、新規の攻略ルートを作り出せた。
タイムワープ後にステージを逆走してアイテムを回収したり、高所から滑空して大幅なショートカットをしたりとやりたい放題できてしまう。筆者は酸素管理が下手で水中ステージに苦手意識があったのだが、ナックルズだといくつかのルートを強引に突破できたのでひたすら水を避けて飛んでばかりいた。
『ソニックCD』は一部ステージに新規ルートも追加される大盤振る舞いなので、すでにクリアー済みの人も必見だ。ボス戦もナックルズの固有アクションで攻略方法を変えて楽しめたので、『ソニックCD』はナックルズ、ほかのタイトルはエミーでもう一周遊んでみてほしい。
どこでもセーブで難易度が緩和したゲームギアタイトルのボリュームが凄すぎる
エミーとナックルズのプレイアブルも魅力的だが、『ソニックオリジンズ・プラス』ではさらにゲームギア版12タイトルが追加されている。メガドライブ版とは異なるステージや楽曲が楽しめる『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』をはじめ、『ソニック』シリーズの原点となるタイトルが揃い踏みだ。
ほとんどのゲームに今回初めて触れることになったが、いずれも歴史を感じられる内容になっていた。30代前後の人なら「昔こういうゲームが流行っていたよね」という共感を強く得られそうなゲームデザインで、どこか懐かしい気持ちでプレイ可能。
また、当時日本では発売されなかったゲームまで収録されているため、『ソニック』シリーズを振り返るアーカイブとしてだけでも価値があるボリュームだ。ちなみに一部のタイトルは2P対戦も可能となっている。
【収録タイトル一覧】
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ2
- ソニック&テイルス
- ソニック&テイルス2
- ソニックドリフト
- ソニックドリフト2
- ソニック・スピンボール
- テイルスアドベンチャー
- ソニックラビリンス
- Gソニック
- ドクターエッグマンのミーンビーンマシーン
- テイルスのスカイパトロール
ここからは、実際にプレイして印象的だったタイトルを紹介していきたい。
テイルスのスカイパトロール
ゲームギアのタイトルは難度が高いものがあると聞いていた。その中でも手応えがあったのが『テイルスのスカイパトロール』だ。このタイトルは障害物を避けながら進んでいくのだが、ステージ1から何度もゲームオーバーになってしまった。
壁に激突すると即失敗になるため、覚えゲーに近い。リングを使ってアイテムを取りつつ、つぎに現れる障害物を避ける方法を瞬時に考えることになる。何度も失敗するのだが、つぎこそはいけそうな気がすると思わせてくる、絶妙な難易度でついついリトライして遊んでいた。
ドクターエッグマンのミーンビーンマシーン
当時北米でのみ発売された『ドクターエッグマンのミーンビーンマシーン』。カラフルなデザインで、ステージごとに登場するボスを倒していくゲームなのだが……。
これはもう簡潔に言ってしまうと『ぷよぷよ』だ。登場するキャラが変わってはいるが、遊びかたについては説明不要だろう。ちなみになぜこのようなシステムなのかは開発経緯を見ると納得するので、気になる人は調べてみてほしい。
ソニック・スピンボール
タイトルの説明書きに“きわめつきの異色タイトル”とまで書かれていた『ソニック・スピンボール』は、ソニック自身がピンボールになってステージを攻略していくゲーム。
ボールを弾きながらスイッチを押してギミックを作動するといった遊びかたは定番だが、トンネルを通っていくつものエリアを行き来したり、ときには地に足をつけて走ったりとピンボールの枠組みに収まらない仕組みが印象的だった。ただボールを弾くだけでなくソニックを左右に動かして移動もできるため、ピンボール要素はありつつも従来のシリーズ作品らしさも感じられる。
かなり独特なシステムだが、黙々とピンボールをやるのが好きな人は本作も楽しめるだろう。
ソニックラビリンス
『ソニックラビリンス』は、筆者がスーパーファミコン世代ということもあってか、ゲームデザインやクォータービュー視点の3Dグラフィックスに懐かしさを感じられるタイトルだった。
2Dの『ソニック』シリーズと言えばハイスピードでジャンプしながら進んでいくのが定番。ところが、本作のソニックができるのはスピンダッシュのみだ。スピンしながらギミック満載のステージを探索し、鍵を集めてゴールを目指すというゲームになっている。
壁にぶつかったときの角度などを計算しながらスピンダッシュをしたりギミックを利用するなど、アクションや戦略性の完成度が高く、いまプレイしても熱くのめり込めるクオリティ。ダッシュが封じられてもソニック特有のスピード感も失われておらず、従来のタイトルとはまた違った手応えを得られた。
テイルスアドベンチャー
テイルスを操作してゆっくりとステージを攻略していく『テイルスアドベンチャー』は、個人的にイチ押しのタイトル。『ソニックラビリンス』に続いて、特定の世代にはとくに刺さるであろうゲームになっている。
内容は従来のシリーズのようにダッシュで進んでいくのではなく、ギミックを攻略しながらゆっくり進んでいく王道のアドベンチャー。スピンアタックやジャンプではなく、爆弾などの装備を使って敵を倒していくのも特徴的だ。
使える装備はステージを探索したりボスを倒すことで手に入るのだが、この探索要素の作り込みの深さに驚かされた。順番にステージを攻略するだけでなく、新たな装備を入手してから以前のステージに再チャレンジすると、取れなかった装備などを入手できるようになるのだ。
ただ先に進むだけでなく、新装備をゲットするたびに探索の楽しみが増えていくメトロイドヴァニア風の魅力も感じさせる。
ゲームギアのタイトルはいずれも個性的でおもしろいが、当然ながら昨今のゲームと比べると失敗すると最初からやり直しなどシビアな側面もある。その救済措置として、なんど『ソニックオリジンズ・プラス』ではどこでもセーブ&ロードが可能だ。
この機能をどの程度活用するかは個人の裁量次第だが、たとえばボス戦前やリトライが面倒なステージなどは、その都度セーブ&ロードをして簡単に失敗を巻き戻せる。結果的に難度の緩和につながっており、攻略の難しいゲームでも諦めずに最後まで遊ぶことができた。
使いすぎると緊張感が薄れてしまうのは否めないが、当時難しすぎてクリアーできなかったという人もこの機能を使って再チャレンジしてみよう。
「こういう機能があると便利」と思うものが網羅され、至れり尽くせりな『ソニックオリジンズ・プラス』。コンテンツの追加により、ますます『ソニック』シリーズファンなら手にしておきたい一本に仕上がったと言えるだろう。
『ソニックオリジンズ』のときからある機能だが、スペシャルステージで失敗してもリトライできるなど全体的に快適に遊べる工夫がされているので、ファンはもちろんのこと、最近『ソニック』シリーズに触れ始めた人もぜひ遊んでみてほしい。
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