スクウェア・エニックスがサービスを予定しているスマートフォン向けRPG『ファイナルファンタジーVII エバークライシス』(開発はアプリボット)。
本作は『FFVII』本編からコンピレーション作品(いわゆるスピンオフ作品)まで、『FFVII』の関連作品群の壮大なストーリーが章仕立てで楽しめる作品だ。
フィールドはデフォルメキャラ、バトルはリアルな頭身キャラのコマンドバトルRPGとなっており、原作の『FFVII』に近いものになっている。
本作の事前登録が開始され、クローズドβテスト(CBT)が2023年7月に開催されることも決定し、テスター募集も開始された(募集期間は6月28日まで)。
そんな『FFVII エバークライシス』について、クリエイティブディレクターの野村哲也氏、プロデューサーの市川翔一氏に本作の魅力や詳細について、ゲームの構造やバトルシステム、あのキャラクターについてなど、気になる要素について話しをうかがった。
※『ファイナルファンタジー』は『FF』と表記している部分があります。
『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』Summer Game Fest 2023 トレーラー
野村哲也氏(のむら てつや)
『FFVII エバークライシス』クリエイティブディレクター。
原作の『FFVII』ではメインキャラクターデザインを担当。その後の『FFVII』コンピレーション作品でもキャラクターデザインはもちろん、シナリオやバトルなどのアイディア出しなど、作品作りの中心的な役割を果たす。『FFVII』のリメイクプロジェクトでは、『FFVII リメイク』ではディレクター、『FFVII リバース』ではクリエイティブディレクターを担当。
市川翔一氏(いちかわ しょういち)
『FFVII エバークライシス』プロデューサー。
『FFVII』関連作品ではスマホ向け『FFVII ザ ファーストソルジャー』のプロデューサーも担当していた。
- リメイク作品をより深く楽しむための『FFVII エバークライシス』
- バトルは原作寄り。プレイキャラは原作の主人公でも、育成した別のキャラでもよし
- 綺麗な(?)セフィロスが堪能できる『ファーストソルジャー』編
- 新キャラクターや既存キャラクターの若かりしころも出てくる!?
- リメイクにはいろんな可能性がある
- バトルは3人パーティのひとりを操作。本作ならではの戦略的な要素も
- ウェアはガチャを回した際にもらえるスタンプを集めて入手
- タワーなのに最上階ではなく最下層を目指すバトルコンテンツの“バトルタワー”
- シーズンイベントは充実。コラボイベントの予定も
- CBTの注目ポイントは? 正式サービスはまだ暑いうちに
リメイク作品をより深く楽しむための『FFVII エバークライシス』
――『FFVII エバークライシス』について、市川プロデューサーに直接お話しを伺うのは今回が初めてなので、改めて本作がどのようなきっかけでスタートしたのかを教えていただけますか?
市川『FFVII エバークライシス』の企画は『FFVII リメイク』や『FFVII リバース』といった“リメイクプロジェクト”が動き出したことがきっかけでスタートしました。『FFVII』自体が25年以上も前のタイトルですし、リメイクプロジェクトの作品群も原作とは異なるアレンジが入ってきますので、『FFVII』の関連作品をプレイしている人とそうでない人で、リメイク作品のプレイ体験は若干変わってくると思うんですよね。
――たしかに、リメイク作品だけでも十分に楽しめますが、原作を知っていると「フィーラーって何? 原作に出てこなかったんだけど!」みたいに、その違いが謎になっていたりして、より楽しめる印象です。
市川そうなんです。リメイクプロジェクトの作品は、『FFVII』本編や『クライシス コア -FFVII-』などのコンピレーション作品を知っていると、より深く楽しめるようになっていますし、そういった過去の『FFVII』の関連作品を知っていただくための入り口が必要だろう、というので立ち上がったのがこの『FFVII エバークライシス』です。
――PS2向けの『ダージュ オブ ケルベロス -FFVII-』はまだ何とかなりますが、ガラケー時代のアプリ『ビフォア クライシス -FFVII-』はサービスが終了してプレイはできませんから、それらの物語を追体験できるのはうれしいですね。プレイしていても忘れがちですし……。『FFVII エバークライシス』はそれぞれの作品の物語が章立てで進んでいくとのことですが、サービス開始当初はどの作品の物語が用意される予定なのでしょうか?
市川リリース時には『FFVII』本編と『クライシス コア』編、そして『ファーストソルジャー』編の3つが楽しめるようになっていて、『ファーストソルジャー』編については本作で初めて語られる物語になっています。
――まずは『FFVII』本編につながる物語が楽しめるということですね?
市川はい。
――どのストーリーから始めてもいいんですか?
市川最初はチュートリアル的な部分もあるので、『FFVII』本編からスタートして、『クライシス コア』編、『ファーストソルジャー』編と順番に1章ずつプレイしていただくことになります。それを終えたら、以降の進めかたは自由ですね。『FFVII』編を進めていただいてもいいですし、それを2章まで進めたら『クライシス コア』編をプレイ、といった遊びかたもできます。
バトルは原作寄り。プレイキャラは原作の主人公でも、育成した別のキャラでもよし
――バトルはどういったものになるんでしょう?
市川『FFVII エバークライシス』はシリーズの物語の入り口の役割を果たすとともに、モバイルという形態で『FFVII』のバトルを気軽に楽しめるエントリーモデル的な作品になればいいなと考えています。『FFVII リメイク』はアクション寄りのゲームになっていましたが、本作では原作の『FFVII』と同じように「コマンドRPGで遊びたい」といった声に応えたい、という狙いもあります。
――見た感じでは『FFVII リメイク』のようなアクション性の高いバトルになるのかなと思っていたんですが、『FFVII』に近いコマンドRPGになっていると?
市川はい。これはPVなどでも謳っている“もうひとつのリメイクの可能性”を体現する要素のひとつですね。要は、そのままの移植ではない独自の形で、『FFVII』本編や関連作品を遊べるようにしたものが『FFVII エバークライシス』というわけです。
――『FFVII』関連作品は作品ごとにバトルシステムが変わっていましたが、本作は章が変わっても共通のバトルシステムで遊べるわけですよね?
市川はい。
――『FFVII』本編だったらクラウド、『クライシス コア -FFVII-』だったらザックスと、明確にプレイヤーキャラがいる作品はいいのですが、『FFVII ザ ファーストソルジャー』や『ビフォア クライシス -FFVII-』など、固有の操作キャラがいない作品は誰を操作していくことになるのでしょう?
市川『ファーストソルジャー』編に関しては、グレンとマット、ルティアたちが主人公となるので、基本的には彼らを操作することになります。『ビフォア クライシス』編については、また今後のお楽しみとさせてください。
――操作キャラが変わった際、レベルはどうなるのでしょうか? たとえば、『クライシス コア』編でザックスでプレイした後、『ファーストソルジャー』編をプレイしようとした場合など。
市川ストーリーにはふたつのモードがあって、原作のキャラクターのままで戦うストーリーパーティモードと、いわゆるソーシャルゲーム的に育てたキャラクターを参戦させられるフリーパーティモードのふたつを用意しています。たとえば、『クライシス コア』編のストーリーパーティモードならザックスひとりを育てながら戦い、フリーパーティモードなら別のストーリーで育てたキャラクターでバトルに挑む、といった具合ですね。
――ああ、なるほど。原作通りのキャラクターで育てながら挑んでもいいし、別のモードで育てたキャラクターで進めてもいいと。たとえば、『クライシス コア』編を育てたクラウドで挑んでもいいと。
市川はい。それもひとつのifですよね(笑)。ただ、ストーリーモードでクリアーしていただくと、ストーリーモード向けに用意された報酬もありますので、報酬の面で考えるとストーリーモードで進めてもらうといいかもしれません。
綺麗な(?)セフィロスが堪能できる『ファーストソルジャー』編
――では、今回公開されたトレーラーについてもお伺いします。冒頭、“WE STILL DON’T KNOW SEPHIROTH(我々はまだセフィロスを知らない)”といった一文が出ていますが、過去のトレーラーでもセフィロスにフォーカスが当てられていた印象です。物語の全体像としてはセフィロスをフィーチャーしたものになるのでしょうか。
野村これまでの『FFVII エバークライシス』は既存作へのアプローチを主題としてPRしていたんですけれど、先ほど市川も言ったように、本作は『ファーストソルジャー』編も収録しているんです。
『ファーストソルジャー』のストーリーはざっくりとした設定はあったんですが、それが今回改めてセフィロスを軸にしたものになっています。
――なるほど。では、『ファーストソルジャー』編のセフィロスの映像がトレーラーにいろいろ使われていると。以前のトレーラーで公開された短髪のセフィロスは新鮮でした。
市川正式リリース直後ではないのですが、短髪のセフィロスは『ファーストソルジャー』編でプレイヤーキャラとして操作もできます。
――おお、あのセフィロスを!
野村闇落ち前の綺麗なセフィロスと言いますか(笑)。彼の若き日の活躍にもご期待ください。
――綺麗なセフィロス(笑)。トレーラーではまわりを炎に囲まれたセフィロスがジェネシスに電話をかけているシーンがありましたが、あの場所はこれまでの『FFVII』に出てきた場所ですか?
野村あそこは『クライシス コア -FFVII-』に登場したタンブリン砦の近くです。
新キャラクターや既存キャラクターの若かりしころも出てくる!?
――グレン、マット、ルティアは『FFVII』の本編には登場しませんが……彼らの行く末も気になります。
野村『ファーストソルジャー』編のシナリオも野島さんが担当してくれていますし、鳥山(鳥山求氏。『FFVII リメイク』のCo-Directorとしてシナリオデザインなどを手掛ける)もしっかり入ってくれていますので、楽しみにしていただければ。
――トレーラーではグレンたち3人に加え、犬を連れたキャラクターがいっしょにいましたが、彼はどういったキャラクターなんでしょうか?
市川NPCのひとりではありますが、物語に関わってくるキャラクターではあります。
野村若きセフィロスとも絡みがあり、多少なりとも影響を与える重要なキャラクターですね。
――では、フードを被った人物がセフィロスと対峙しつつ、「俺は正義の味方だ」と語るフードを被った人物は? ヒゲと武器から想像すると……グレンですか?
野村はい。
――あのシーンのセフィロスは長髪ですが、ということは『FFVII』本編と同じくらいの時代ということでしょうか。
野村あそこは『クライシス コア -FFVII-』とほぼ同じなので、まだ綺麗なセフィロスの時代です。
――ちなみに、『ファーストソルジャー』編にはマット、グレン、ルティアの3人以外のキャラクターも登場するのですか?
野村『FFVII エバークライシス』がタイトルとして続いていけば、今後も新キャラクターや既存キャラクターの若かりしころも出てくると思いますよ。
市川そこはしっかりとがんばりたいと思います(笑)。
リメイクにはいろんな可能性がある
――本作ではフィールド上はオリジナルのようなデフォルメ、バトルはリアルな頭身でキャラが描かれていますが、ここにはどのようなこだわりがあるのでしょうか。
市川やはり『FFVII』の体験がベースですね。『FFVII』ではダンジョンはデフォルメキャラで、バトルはもう少し頭身が高いキャラでしたから。当時プレイした方の懐かしさの体験も大事にしつつ、いまのクオリティーで作るというコンセプトですね。
野村『FFVII リメイク』が発表されたときにも、そういうオリジナルに近しい形を望んでいる方もいたので、『FFVII エバークライシス』はその声に応える部分も重視しています。ですので、ストーリーも原作から変わることはありません。
『FFVII リメイク』の企画当初、北瀬(北瀬佳範氏。『FFVII』ではディレクターを務め、『FFVII』関連作品ではプロデューサーを担当)は「ドット絵でやったら?」なんてことも言っていたくらい、リメイクにはいろんな可能性があると思うんですけど、今回は懐かしさと新しさがある形として、今回の形にしています。
――ボイスが入っているシーンもいろいろありましたが、イベントシーンにはボイスがあるということでしょうか?
市川こちらも基本的には原作をリスペクトしていまして、デフォルメキャラクターのイベントシーンはボイスなしとなっています。
野村原作はバトルもボイスないけどね(笑)。
市川そこはがんばっちゃいました(笑)。
――では、バトルにもボイスがあると。
野村そこは最初、意見が分かれたところで、自分はボイスはいらない派だったんです。ただ、トレーラーにもあったカットシーンにはボイスがつくので、同じ頭身のバトルにもボイスが入ることになりました。頭身が高くなったら喋る、といった感じですかね。
――『FFVII』本編だけでもボリュームがありますし、複数の作品をまとめるというのは物量的にたいへんなのでは?
市川そうですね(苦笑)。『FFVII』の物語も壮大ですし、それを同じように描くわけにもいきませんから、どこをピックアップすればクラウドたちの心情がわかってもらえるか、どうやってコンパクトにするか、というのは考えた部分です。モバイルで楽しめるような切り分けや味付けには苦労しましたが、結果としては上手くまとまったかなと思います。そして、もっとも気を遣ったのは“『FFVII』レベルのクオリティーにする”という部分ですね。
――やはり『FFVII』は作り手にとってもハードルが高いんですね。
市川はい。開発は『NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション)』など弊社タイトルをほかにも手掛けているアプリボットさんにお願いしているのですが、かなり厚めに開発体制を組んでいただいて、「これはなかなかいいものができたぞ」というところで野村さんにお見せしたのですが、そこからさらにもう一歩、と。
野村グラフィックに関しては当初からある程度のクオリティーになってはいたんですけど、やはりゲームとしての部分ですよね。複数のストーリーが章立てで入っていますが、統一された『FFVII エバークライシス』という作品として、しっかりとまとまるように整理するのがたいへんだったかな、と思います。
――作品ごとに原作が登場した年代も違えば物語の時間軸も違っていて、整合性を取るだけでもたいへんそうです。
野村操作キャラも多いですからね。昨今、モバイルゲームは据え置き機と差がないようなレベルのものも出てきていますし、そこに慣れている人たちが見ても、なるべく引けを取らないようなクオリティーにしていく、というのも課題だった部分ですね。
バトルは3人パーティのひとりを操作。本作ならではの戦略的な要素も
――ここからはPVで公開されていたシステムまわりについても伺っていきたいのですが、まず、バトルのパーティについては最大3人になるのでしょうか。
市川はい。ここは『FFVII』本編が3人パーティだったことを踏襲しています。各キャラクターが5つのコマンドを持った状態で、ATB(アクティブタイムバトル)ゲージを消費してコマンドを発動する、古きよきATBをしっかりと作っています。ただ、モバイルということもあって一気に3人を操作するとすごく煩雑になってしまうので、基本的に操作するのは自分がメインに設定している1キャラクターになります。
――ほかのふたりはオートで動くと。
市川はい。ただ、オートで動く際に攻撃型か防御型か、といった作戦は切り換え可能です。操作キャラの変更はいつでもできるので、やろうと思えばひとりで全員を動かすこともできます。
――操作キャラを切り換えながら戦うと言うと、『FFVII リメイク』に近いイメージでしょうか?
市川まさに『FFVII リメイク』をイメージしていただくのがいちばん近いと思います。『FFVII リメイク』のようなテンポ感でスイッチしながら、しっかりとATBが楽しめる形になっています。
――バトルについて、本作ならではの特徴はどこになるのでしょう?
市川今回、敵キャラクターが一定時間後に必殺技を撃ってきたりバリアを張ったりしてくるのですが、その前に行動を阻害しよう、といったシステムが入っています。こちらは『クライシス コア -FFVII- リユニオン』に入っていた“スキルパワーゲージ”に近い遊びかたですね。
基本的に弱点属性でダメージを与えたり、“サイン”と呼ばれるものを破壊して行動を阻害していくんですが、行動を阻害した後がちょっと特徴的なものになっていますので、そこはプレイして確認してみてください。
――オーソドックスに考えると行動を阻害するとチャンスが訪れるイメージですが……。
市川本作の場合、必ずしも攻撃のチャンスになるわけではなく、行動の阻害に成功した後は攻めてもいいんですけど、自分の体勢を立て直すために時間を使うような場面もあります。
敵の行動バリエーションも豊富になっていて、たとえばガードスコーピオンも全体への薙ぎ払いレーザーやひとりを集中攻撃するフルバーストなど、パターンがいくつかありますが、行動の予告を見て集中攻撃するか、阻害は難しいので防御型に切り換えて耐えるのか、状況に応じて何を優先して行動するかという選択が比較的多いゲームになるかと思います。
――お話しをうかがうと、けっこう戦略性のあるコマンドRPGになっている印象ですね。スマホ向けだとオート戦闘などのお手軽さも求められると思うのですが、そのあたりはどうなんでしょう?
市川昨今のスマートフォンタイトルにあるオートバトルや倍速機能など、いかに手軽に遊べるかというところももちろん重要視しておりまして、今回はAIがかなり優秀になっています。
AIがいま何を優先すべきかを判断して動くようになっていますので、基本的に最適なスキルセットを持っていれば、オートでも進めるようになっています。もちろん、本当に最高効率を目指すなら手動でプレイされたほうがいいのは当然なのですが、AIに頼って手軽に楽しんでいただくことも可能です。
――『ファーストソルジャー』のキャラクターたちは銃を武器にしていることが多いと思いますが、トレーラーではルティアはスナイパーライフルを撃っていました。バトルでスナイパーライフルを撃つようなシチュエーションや有利に働くようなことはあるのでしょうか?
市川近距離武器、遠距離武器でとくに差があるわけではなく、武器はキャラクターごとの個性を付けるための意味合いが大きいですね。ちなみに、トレーラーのスナイパーライフルを撃つシーンはリミットブレイクによる攻撃なんですよ。通常攻撃ではアサルトライフルを使用しています。
ウェアはガチャを回した際にもらえるスタンプを集めて入手
――これまでのトレーラーもそうですが、ウェアのバリエーションが豊富で、しかもキャラクターのこれまでのイメージといい意味でギャップがあって新鮮に感じました。このあたりのデザインコンセプトをうかがえると。
市川ウェアに関しては、野村さんとも密にやり取りを重ねながら作っています。まずコンセプトとして、今回は「各キャラクターがそれぞれの武器に合わせた衣裳を着るならどんなものになるだろうか」といった方向性で武器をベースにウェアのデザインを考えています。
――武器がウェアデザインのベースになっていると。ウェアは武器を入手すると入手できるのですか?
市川武器は基本的にはガチャで入手することになりますが、ガチャを回すとスタンプをもらえます。そのスタンプを一定数集めるとウェアが手に入る仕組みです。ほかにも、ストーリーを進めることで入手できるウェアもあります。
――たとえば、スタンプが5個、10個と集めたときにウェアが入手できるイメージですか?
市川そのイメージが近いかと思います。武器に合わせて衣装を考えていますので、たとえば、トレーラーに登場している和装のクラウドは、日本刀である村雨を装備したときのイメージが元になっているんです。
単に和装にするだけでなく、クラウドが着るならアシンメトリー(不均衡)だろう、刀を用いて間合いを詰めるならば足取りを気にされないように袴を着るかもしれない、といった感じで「その武器で戦うなら」みたいなイメージでデザインが考えられています。
ウェアはマップ上に表示されるデフォルメキャラにも反映されるので、そこは本作ならではの要素かなと思います。
タワーなのに最上階ではなく最下層を目指すバトルコンテンツの“バトルタワー”
――メニューには、デイリークエストやストーリークエスト、強化クエスト、召喚獣クエスト、バトルタワー、ダンジョンなどのコンテンツが確認できました。とくに気になるのはバトルタワーとダンジョンですが、これらはどういったものになるのですか?
市川まずバトルタワーに関しては、純粋に自分の腕を試す場所になっています。一般的にタワーと言うと上っていくイメージだと思いますが、今回は下に下がっていくものになります。
――タワーなのに下がっていく、というのは何か意図があるのでしょうか?
市川最下層まで行っていただければ「なるほど」と思っていただけるかと思います。『FFVII』の世界には天から降ってきて地下に眠っている存在もいますので、「最下層で何かが待っています」とだけ。
――気になる……。
市川バトルタワーでは1階層ごとにバトルが用意されていて、どこまで勝ち抜けるか、最下層までたどり着けるか、といったバトル中心のコンテンツになっています。
バトルタワーをクリアーしていくことで特定の機能が解放されたり、キャラクターを育成するアイテムがもらえたりするので、階層をクリアーしていけばいくほどオイシイですね。
なお、バトルタワーは定常コンテンツとして定期的にアップデートを行っていく予定です。
――ダンジョンについてはいかがでしょう?
市川ダンジョンはいくつかの形のものがあるのですが、基本的にはストーリーモードに出てきたダンジョンのハードモード版のようなイメージです。ダンジョンにはザコや中ボスだけでなく、複数体のボスが配置されているので、ダンジョンを探索しつつ挑むボスラッシュのようなものだと思っていただけるとわかりやすいかと。多いところだと5体ほどのボスがいて、ボスを倒すたびにほかのボスが強くなっていくので、最後のボスまで攻略できるか、といったチャレンジになっています。
単純にボスを倒して終わりのものもあれば、イベントとして、ボスを倒すまでの時間やクリアーまでの行動によって算出されるスコアを競うようなものを実施していきたいと思っています。
――なるほど、種類の異なるチャレンジコンテンツがあるわけですね。ストーリークエストも気になりますが、こちらはどのような物語が描かれるのでしょうか。
市川テストプレイやユーザーの皆様からのアンケートなどを見てみると、クラウドたちのまだ見ていない一面を見たい、といったお声が多いんですよ。ですので、今回のストーリークエストについては、クラウドやエアリスといったメインキャラクターの、本編のどこでも描かれていないちょっとしたストーリーが展開される予定です。
――おお、それは楽しみですね。『FF』シリーズおなじみの召喚獣については、契約ミッションを達成すると契約が可能になると。
市川そうですね。特定のキャラクターで特定のバトルをする、特定のアイテムを納品するなど、ただ戦うだけではないバラエティーに富んだミッションを用意しています。それらをクリアーすると召喚獣との契約が可能になります。
――バトルタワーなどはシングルコンテンツに分類されているようですが、マルチコンテンツにはどんなものが?
市川強敵と戦う共闘モードを用意しています。強い敵であればあるほどいいアイテムを落とすので、その取得がしやすくなるよう、ほかの方と共闘できるコンテンツですね。ゆくゆくはGvE(グループvsエネミー)のようなものも拡充していきたいと思っています。
――マルチコンテンツ限定のアイテムなどもあるのでしょうか。
市川基本的にはシングルと共通のものが取れるようになっていますが、共闘したほうが手に入りやすいものもあります。マルチを行うことで専用のコインが貯まって、そのコインとアイテムを交換できるといった副次的なメリットがある感じですね。
シーズンイベントは充実。コラボイベントの予定も
――スマートフォンタイトルですとコラボイベントや季節ごとも楽しみのひとつですが。
野村季節ごとのイベントはけっこう力を入れて用意していて、『FFVII エバークライシス』ならではのものになっているので、ぜひ楽しみにしていただきたいですね。
市川コラボについてもいろいろと検討していますし、シーズンイベントに関してはかなり力を入れてやっていきたいと思っています。「『FFVII エバークライシス』と言えば季節ものが楽しみ!」と思ってもらえるようなものにできるといいですね。
野村コラボについては市川がいろいろと提案してくるんですけど、『FFVII』の世界観を考慮しながら、きびしくジャッジしています。
市川けっこうな弾を持っていって手ぶらで帰ることもあります(笑)。ただ、皆さんに『FFVII』の世界を楽しんでいただきつつ、シーズンイベントやコラボなども楽しんでいただけるようにスケジュールを組んでいますので、ぜひご期待いただければと思います。
CBTの注目ポイントは? 正式サービスはまだ暑いうちに
――CBTの募集も開始されましたが、今回のCBTでのもっとも注目してほしいポイントはどこになりますか?
市川『ファーストソルジャー』編がプレイ可能な状態になっていますので、まずは新しいストーリーを楽しんでいただきたいですね。バトルもキャラクターがかなり動きますし、リミットブレイクもそれぞれユニークなものになっているので、そこにも注目いただければと思います。
――正式サービスの開始時期も気になるところですが……。
野村まだ暑いうちにサービスを開始できればと思っています。
――おお、CBTからそれほどあいだを置かず正式サービスを予定しているのですね。では最後に、サービス開始を楽しみにしている方々へのメッセージをお願いします。
市川『FFVII エバークライシス』を皆さんの手に最良の形で届けられるよう、今後もがんばってまいります。ぜひ期待してお待ちいただければと思います。よろしくお願いいたします。
野村『FFVII エバークライシス』のトレーラーとともに『FFVII リバース』の続報も発表されて、皆さんの『FFVII』熱が再び盛り上がっていたらうれしいです。『FFVII リバース』は2024年の早い時期にリリース予定ですので、そこまでは『FFVII エバークライシス』を遊んでテンションを高めてもらえたらと思います。
――『FFVII リバース』の映像は最初からティファたちが担架で運ばれるという衝撃的な内容でしたし、バトルでは『FFVII リメイク インターグレード』にあったような連携などの要素も確認できました。あと、広大なフィールドが美しく、そこを移動するだけも気持ちよさそうでした。
野村『FFVII リバース』に関してはトレーラー公開までに公式ツイッターでQ&Aが投稿されましたが、今回『FFVII リバース』としてのインタビューがない代わりに、トレーラーの補足的な意味合いがありました。また、情報公開の都合上、明言できないメッセージとなり申し訳なかったです。『FFVII リバース』に関して具体的な情報はもう少しお待ちください。そんな『FFVII リバース』を発売するころには、『FFVII エバークライシス』自体も続きが楽しみになってくると思います。『FFVII リバース』発売後も引き続き遊んでいただき、3作目以降も楽しんでいただけたらうれしいですね。
先程「Summer Game Fest」で公開した『FFVII EVER CRISIS』新トレーラーの日本語版を公開します。発表の通り事前登録とCBT募集を開始しますがこの時間ですのでもうしばらくお待ち下さい。今後最新情報はこちらのアカウントでお伝えしますのでフォローよろしくお願いします@野村
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2023-06-09 05:15:26