コーラス・ワールドワイドが発売を予定しているアドベンチャーゲーム『リードオンリーメモリーズ:ニューロダイバー』の新しいプレビュー版デモをプレイしたので、その内容をお伝えしよう。なおデモは7割ほど日本語化されていた。
本作は海外インディースタジオのMidbossによるサイバーパンクアドベンチャーゲーム『2064: Read Only Memories』の後継作。プレイステーション5/プレイステーション4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PCでの発売が予定されている。
新主人公キャラとともに始まるスピンオフ的新作
クリエイティブディレクターである“JJ”ことジョン・ジェームス氏は、本作を『2064: Read Only Memories』(以下、ROM)の「続編もどきでありスピンオフでもあるような作品」と表現する。
舞台はROMでプレイヤーと世界初の自立思考型AIであるチューリングがある事件を解決してから5年後のネオ・サンフランシスコ。前作のキャラクターであるレクシーやトムキャットたちも登場する。
一方で主人公はROMでのプレイヤーの分身的存在から、サイキック・クリーチャーである“ニューロダイバー”を使いこなすエスパー“ES88”に交代。彼女がその能力を使って活躍する新たな物語が展開される。
さらに明るくなったパステル色の未来世界
今回のデモをプレイしてあらためて実感したのが、グラフィック面の強化。レトロテイストのアドベンチャーゲームとして参照する表現手法の“世代が上がった”という印象だ。
たとえば今作では会話中のキャラの表示の解像度が上がり、ボイスに合わせて細かくアニメーションするようになっているのだが、元気いっぱいで明るいES88はこのシステムにハマっている。
彼女が表情をコロコロ変えながら喋るのが、なんだかすごくいいのだ。陰鬱になりがちなサイバーパンクモノの中で、さまざまな人々がそれぞれのノリで暮らしている楽観的なトーンはROMの特徴のひとつだったが、本作でそれは強化されている。
画面演出の点では、重要なキャラの登場時に立ち絵を上下にスクロールさせるなど、画面を大きく高解像度に使うようになったのもポイント。探索中のシーンなども左右にスクロールできるようになっていたりして、広さを感じられる。
過去の記憶世界を探る新たな仕掛け
さてゲームの作りは、『スナッチャー』などの日本の往年のアドベンチャーゲームからの影響を受けた、ポイントアンドクリック型のアドベンチャーゲームスタイル。会話や探索でキーアイテムを手に入れ、それを使って謎解きをして話が進むという感じだ。
今回そこに入ってくるのが、ニューロダイバーを使った記憶世界の探索。人々の記憶に潜む悪の超能力者“ゴールデン・バタフライ”を追って、ES88は部分的に改変されてしまった人々の記憶に潜っていくことになる。
ゴールデン・バタフライの精神攻撃によって記憶の一部が別のものに置き換えられる“断片化”された場所を見つけ出し、元の記憶と関係のあるアイテムによって修復するのだ。
そして、ここで前作キャラが出てくるのが関係してくる。今回のデモではレクシーの記憶にダイブしたのだが、それはROMでの出来事の前に取り掛かった事件に関わるものだった。つまり設定自体はROMの未来の話なのだが、記憶を通じてROMより過去の話も明かされるのだ。
ROMをプレイしていないと楽しめないというわけではないのだが、プレイした人は「あのキャラ、こんな背景があったのか」と物語の広がりを一層楽しめるだろう。
そのほか、日本の二次元文化のパロディネタなどもいろんなところに散りばめられており、章の合間になぜか魔法少女アニメの予告風の謎のシーンが入ってきたりも。製品版でこの話がどう展開していくのか気になるところだ。