本日(2023年4月28日)公開の映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。任天堂と『ミニオンズ』などを手掛けたイルミネーションが共同で制作している3DCGアニメ映画です。
ジャパンプレミアで一足早く映画を鑑賞したファミ通ドットコム編集部の3人による感想戦の模様をお届けします。
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まずはネタバレなしのふんわり感想
世界三大三代川
ファミ通.com編集長。『スーパーマリオワールド』を、1年に1回はクリアーまでプレイするくらいに好き。
北埜トゥーン
『スーパーマリオ』シリーズはもちろんすべてプレイ済み。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどにマリオ関連の取材にもよく足を運ぶ。
つくね伯爵
映画が好き。『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』も好き。
つくねこの記事途中から【以降は作品のネタバレ要素を含みます】と書く予定なので、まずはネタバレなしな範囲でこの映画についてのざっくりとした感想をいただければと。
三代川とてもおもしろかった! あくまで取材としての観賞だったからメモしながら観ていて、とくに最初の15分はあまりの情報量の多さに、ストーリー展開を追いつつもメモすべきポイントも多くて、脳の処理が追いつかなくなるくらいだったんだけど、それでもおもしろかった。
あと、けっこう泣きそうになるポイントも多かったなー。いちゲーマーとして「マリオのこんなところまで描くの!?」という細かいディテールへのこだわりにグッときたし、予想以上にドラマチックな物語になっていてストーリーにも感動したし。メモを取るのと、ストーリーの観賞とで、脳と感情の整理ができなくてずっと忙しい状態(笑)。改めて、取材じゃなくお客さんとして観に行くのが楽しみです。
北埜マリオ好きな人ほど。細かいネタが多くて楽しいし、マリオの意外な一面を楽しめると思います。逆に、「マリオっていうゲームのキャラクターがいる」くらいの知識の人でも全然楽しめるからすごい映画です。IMAXや4DXとかいろんな上映方式で何度も観に行きたいですね。
つくねキャラクターがいきいきしていてかわいいアニメーションでした。ゲームで遊ぶと得られる気持ちいい快感を映像作品から感じることができてずっと楽しかったです。約90分でテンポもいいし「楽しかった!最高!」って感じで映画館を出れるエンターテイメントでした。
……と、ほんとうにサラッと感想をお伝えしたので、ここからはある程度内容に踏み込もうと思います。
【以降は作品のネタバレ要素を含みます】
“人間”マリオが織りなすドラマ
三代川なんでこんなに泣きそうになったかっていうと。マリオの描きかたがすごくよかったんだよね。ジャパンプレミアやインタビューで任天堂の宮本茂さんが「この作品でマリオが人間になった」って言っていたけれど、その言葉の意味が理解できる。マリオのキャラクターとしての背景や成長物語を描いているからとても解像度が上がって、そのうえでドラマチックに展開するから、感情移入してストーリーに感動しちゃう。
北埜映画冒頭でのブルックリンパートが重要でしたね。マリオとルイージに両親がいて、たくさんの親戚と暮らしてました。その家族の存在を僕たちが観ることによってマリオが人であるっていう実在感がしっかり出ていました。しかも、マリオは仕事で挫折して悩んでいて、ゲームだと輝いているところしか描かれていなかったからより人間に思えてしまいました。
北埜あと、日本語版のボイスについても話したいですね。観る前は「マリオが日本語を話すってどういうことだよ」ってすごく違和感があったんですよ。
つくねわっかりやすい前フリ。確かにマリオといえば、ゲーム版のチャールズ・マーティネーさんの声の印象が強いですからね。
北埜鑑賞したら、宮野真守さんが演じるマリオがまったく違和感がなかったですね。すごく自然でした。
三代川「here we go!」みたいな印象的なセリフを要所要所に使いつつ、それだけでなくふつうの会話でも、ゲームのマリオと同じようなイントネーションでしゃべっているから、「マリオってこんなふうに会話するんだな」って自然と受け入れられたなあ。
北埜登場するすべてのキャラクターの声や立ち振る舞いが、ゲームをしていたときのイメージどおりでしたね。
つくねマリオ以外で印象的だったキャラクターはいますか?
三代川クッパだね。ゲームだとピーチ姫をさらう役回りだけど、あんまり動機が描かれていないじゃない。それが、映画ではピーチ姫に対しての恋愛感情がしっかりあって、ホントに結婚したいんだってのが伝わってくる。「あっ、クッパってマジでピーチ姫が好きなんだ!」って驚いた(笑)。
北埜クッパはほんとうに一途でしたね。ピーチ姫への愛を歌いだしたときは笑っちゃいました。ちなみに、僕はキノピオ推しです。かわいいキノピオたちがたくさん登場するけど、マリオといっしょに旅をする関智一さんボイスのキノピオがすばらしかったです。コミカルなキャラクターかと思いきや、ピーチ姫を守るという正義感が強いところがあったり、そのギャップがめちゃくちゃよくて、関さんのすごさを改めて感じました。
つくね敵キャラが全員かわいかったですね。特にボムキングとキングテレサが最高でした。見た目や動きもそうですけど、結婚式の場面でチョロっと出演っていうのが好きなポイントです。お偉いさんだからこそこういう人付き合いが大切。みたいな妙な人間臭さがあって。
ず~っと楽しい、小ネタも盛りだくさん
つくね楽しすぎてあっという間でしたね。
三代川とにかくテンポがよかったね。約90分っていう子どもも楽しめるちょうどいい時間で、アクションシーンも多くて飽きさせないなーって感じた。
北埜物語ってふつうは上下の起伏があったりしますけどこの映画はずーっと右肩あがりみたいなテンションでしたね。ちょっと落ち込むような場面もあるけど、すぐ盛り返したり、場面転換があってずっとワクワクしてました。
三代川カメラアングルで横スクロール的なアクションがあったり、それに合わせて効果音も鳴ったりしていて、ゲーム的な気持ちよさも感じられる映画になっていたよね。ジャパンプレミアでよゐこ・有野晋哉さんが「この映画はコントローラーを持って観るべき」って言っていたのもわかる気がする。
北埜音楽もすばらしかったですね。劇中で流れる曲はいろいろなマリオの楽曲が流れてましたよね。映画用のアレンジがすごくよくて、エンドロールのメドレーは名曲のラッシュで最高でした。サントラが出たら絶対に買います。
つくね『ドンキーコング64』が大好きだから、ドンキーコングが『モンキーラップ』で登場するシーンが最高にアガりました。あれを観るためにもう一回映画館に行きたいです。あと、ゲーム音楽だけじゃなくてふつうにメジャーな洋楽が使われてたのも驚きました。
三代川確かに! 『ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO』とかが流れてた。ゲームの曲じゃなくて既存の曲を使うのは意外だったんだけど、展開に合わせているのもあって不思議とマッチしてたね。
つくねマリオカートは楽しかったですね。『マッドマックス』を彷彿とさせるワイルドなテイストが好きでしたね。もっとあのシーンを観たかった。
北埜ドンキーコングたちが乗ってる車がみんなイカつかったしね。カートのシーンだと、マシンのカスタム画面も『マリオカート』っぽく再現されていてほんとうに芸が細かった。
つくねイルミネーションのゲーム好きのスタッフさんが仕込んだというイースターエッグ(小ネタ)もが盛りだくさんでしたね。
北埜序盤のマリオの元祖ライバルと言えるスパイク(ブラッキー)が出てたし、『スーパーマリオ オデッセイ』のポリーンがキャスターとして登場してましたよね。ポリーンは、『ドンキーコング』のレディが元ネタですし、この映画に登場するのに最適だなと。
三代川ルイージのスマホの着信音がゲームキューブの起動音だったり、本当にいろんな要素が散りばめられてるよね。
北埜宮本さんインタビューでは、スタッフさんが『しゃべる!DSお料理ナビ』で出てきたコックさんの絵が入ったコショウ入れを作ってたみたいなお話をしていました。
三代川うわー気づかないよ(笑)。
北埜小ネタ要素は収拾がつかなくなるから、いちおうファミコンの8ビットのころまでにしようって決まっているらしい。でも、特例でいくつかそれ以降の作品も入っているんだとか。どんな小ネタが出てきたのかを紹介する記事も現在準備中!
つくね読んでね!
語ってたらまた観たくなってきた
つくねようやく本日(4/28)公開されましたね。僕は4DXで観てみたいです。座席がどんな感じに動くのかがすごく楽しみ。
北埜全体的な感想としては各作品の絡ませかたがうまくて、ピーチ姫の設定とかにも驚かされたし、この作品を観てほんとにマリオ作品自体の解像度が上がりました。マリオファンとしては大満足の作品です。
三代川それでいて、マリオやゲームに詳しくない人でも映画として楽しめるという。ありきたりな表現になってしまうけれど、本当に親子でも楽しめるし、大人や子どもだけでも楽しめるし、とても楽しいエンタメ映画だったなー。あ~、また観たくなってきた。今度こそメモを取らずに、仕事と関係なく観ようっと(笑)。
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
- ジャンル:アクション/コメディ
- 声の出演:クリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・デイ、
- ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・キーセス・ローゲン、フレッド・アーミセン、
- ケヴィン・マイケル・リチャードソン、セバスティアン・マニスカルコ
- 脚本: マシュー・フォーゲル
- 監督:アーロン・ホーヴァス、マイケル・ジェレニック
- 製作:クリス・メレダンドリ(イルミネーション)、 宮本茂(任天堂)
- 日本語版吹替声優: (マリオ) 宮野真守、(ピーチ姫)志田有彩、(ルイージ)畠中祐、(クッパ)三宅健太、(キノピオ)関智一