2023年4月18日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて実施された映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ジャパンプレミアの模様をお届けする。

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 イベントの模様をまとめた動画も公開中だ。

「ゲームを大好きなひとを裏切らない作品にしたかった」宮本茂が映画への挑戦を語る『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ジャパンプレミアレポート
左からアニメ制作会社イルミネーションCEOのクリス・メレダンドリ氏、任天堂代表取締役フェロー宮本茂氏。

宮本茂「この作品でマリオが人間になった」映画への挑戦を語る

 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、イルミネーションと任天堂が共同で制作する『スーパーマリオ』のアニメーション映画。日本語版の吹替声優としてマリオに宮野真守さん、ピーチ姫に志田有彩さん、ルイージに畠中祐さんらが出演する。2023年4月28日より全国公開だ。

 イベントでは“マリオの生みの親”で任天堂代表取締役フェローの宮本茂氏と、アニメ制作会社イルミネーションCEOのクリス・メレダンドリ氏が登壇して本作の制作過程やこだわりを語った。

――この作品を作ることになったきっかけを教えてください。

クリス14年前に宮本さんとお会いできる機会をいただいてそれに飛びつきました。そして今夜このような舞台に立つことができました。

宮本映画を作ってみてもいいかなと思い始めたときに、クリスさんとお会いしました。クリスさんの映画の作りかたと僕のゲームの作りかたがすごく似てるっていう話で盛り上がったんですね。

 それならクリスさんといっしょに映画を作ってみたらおもしろいんじゃないかってことで、スタートしました。

――完成した映画をみてどう思われましたか?

宮本この大きなスクリーンでマリオが出てきてどうなるのかって心配をしてたんですけども。40年前の8ビットで書いてたマンガのような平面のドット画から、ニンテンドウ64で3Dになって、だいぶ進化したけどまだパペットのような感じだった。

 今回やっと(マリオが)人間になったぞっていう手応えを感じてます。たぶん、皆さんも自分の知ってるマリオが人間になったって思ってもらえるので、楽しんでいただけたらと思います。

「ゲームを大好きなひとを裏切らない作品にしたかった」宮本茂が映画への挑戦を語る『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ジャパンプレミアレポート

――宮本さんとクリスさんがマリオの映画を制作するにあたって具体的にどういうお話をしながら作ったのかをお聞きしたいです。

宮本(やりたかったことは)ゲームを大好きな人を裏切らない、ゲームを知らない人が観てもおもしろいっていう。そんなうまいハナシがあるかって思いますが、それを実現するためにいろいろ練りました。

 結論は、劇場に来たみんなが1時間半で楽しめる作品を作ろうということとなり。仕上がったらけっこうゲームに沿ってるんですよ。そこは(詳しい部分)ヒミツです。

クリス宮本さんや任天堂のチームの方々といろいろなやり取りがありました。デザインやアニメーション、ストーリー、音楽などすべての要素について話し合い細部までこだわって作り上げました

――マリオの歴史は長いですが、映像化にするにあたっていちばんこだわったところを教えてください。

宮本すごくわかりやすく言うとマリオを大好きな人たちが観に来て「これは俺の知ってるマリオだ」と言ってもらえるかにこだわりました。このスクリーン上に映るマリオをちゃんと人として思ってもらえて、おかしくみえないようにひたすらこだわりました。

「ゲームを大好きなひとを裏切らない作品にしたかった」宮本茂が映画への挑戦を語る『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ジャパンプレミアレポート

クリス監督のアーロンとマイケル、脚本のマシュがマリオ好きで、細部までこだわって制作していました。新しいデザインなども原作のよさをちゃんと活かして作っていたんです。

宮本パリにいる600人のイルミネーションスタッフはみんなマリオファンなんですよ。ほんとうに僕らなんかよりマリオのゲームを知ってて。(ユニバーサル・スタジオの)『スーパー・ニンテンドー・ワールド』もそうですけど、そういった人たちに支えられています。

――本作の吹替版はスーパー日本語版と言っても過言ではないくらいのこだわりがあるとお聞きしたのですがそこについても教えてください。

宮本スーパー日本語版ですね。せっかくアメリカと日本でいっしょに作るんだから、日本語版は日本語版で作ろうよと思ったんです。

 ローカライズとかよく言うじゃないですか? 翻訳版とか吹替版とか、本作は吹替版じゃないんです。最初から脚本を英語版、日本語版で2本同時に作ってました

 ご覧になればわかってもらえると思うのですが会話がすごく自然になっています。だから、日本語版と英語版を両方観てもらえるとうれしいです。

――最後におひと言ずつお願いします。

クリスイルミネーションを代表して、本当に今回宮本さんと任天堂のチームの皆さんのといっしょにお仕事をさせていただいたことを光栄に思っています。

 そしてこの特別な日本語バージョンを本日、皆様と共有させていただくことを誇りに思っています。日本の声優陣の方々が素晴らしいお仕事をしてくださっていますのでぜひこの作品をお楽しみください。

宮本1時間半。家族で来て、ゲームを知ってても知らなくても「あー楽しかった!」って体験してください。ぜひ映画館に来てマリオを応援してください。

「ゲームを大好きなひとを裏切らない作品にしたかった」宮本茂が映画への挑戦を語る『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ジャパンプレミアレポート
アンバサダー西野七瀬さん、マリオファン代表ゲストよゐこのおふたりが登壇してイベントを盛り上げた。

登壇者コメント

アンバサダー西野七瀬さん
 マリオたちの何度でも立ち上がるあきらめない心に憧れながら観ていました。ピーチ姫の強い部分とかを堪能できたのでそういうところもきっとみなさんに刺さるはずです。

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よゐこ・濱口優さん
 昔からマリオが好きな50代の人たちから小さなお子さんまで世代を越えて家族で楽しめる映画だと思います。

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よゐこ・有野晋哉さん
 WBCのつぎはマリオで世界中の人を「日本すげぇ」って言わしてほしいです。もう、この映画はコントローラーを持って観るべきです。エンドロールの最後までずっと楽しいです。

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ジャパンプレミアにはさまざまな年代のマリオ好きが集まって映画を楽しんだ。
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座席はキノピオでラッピングされていた。べらぼうにかわいい。
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映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』

  • ジャンル:アクション/コメディ
  • 声の出演:クリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・デイ、
  • ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・キーセス・ローゲン、フレッド・アーミセン、
  • ケヴィン・マイケル・リチャードソン、セバスティアン・マニスカルコ
  • 脚本: マシュー・フォーゲル
  • 監督:アーロン・ホーヴァス、マイケル・ジェレニック
  • 製作:クリス・メレダンドリ(イルミネーション)、 宮本茂(任天堂)
  • 日本語版吹替声優: (マリオ) 宮野真守、(ピーチ姫)志田有彩、(ルイージ)畠中祐、(クッパ)三宅健太、(キノピオ)関智一

[2023年4月19日15時56分修正]
人名の肩書記載に誤りがあったため、該当の文章を修正いたしました。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。