アークシステムワークスが主催する格闘ゲーム世界大会“ARC WORLD TOUR FINALS 2022”のパブリックビューイングが、東京都中野区のゲーミングスペース“Red Bull Gaming Sphere Tokyo”で実施された。
本稿では現地に訪れた『ギルティギアストライブ』公式アンバサダーの長友愛莉さんと服部彩加さんのインタビューを中心に当日の様子をお届けする。
『GGST』優勝はもっちー選手、『DNF Duel』優勝はGO1選手
ARC WORLD TOUR FINALS 2022の種目は『GGST』と『DNF Duel』の2タイトル。世界各国の予選を勝ち抜いたプレイヤーがアメリカに集い世界一の座を懸けて激突した。『GGST』部門はもっちー選手が、『DNF Duel』も日本のGO1選手が優勝し、どちらも日本勢が頂点に立った。
『GGST』パブリックビューイングに潜入
筆者が取材にうかがった『GGST』部門のパブリックビューイングは朝9時からスタート。会場には、大画面モニターの前に座りながら観戦できるスペースが設けられたほか、『GGST』の対戦台も複数設置された。観戦スペースに座ってまったりと観戦する人もいれば、参加者同士対戦して交流を深めながら近くのサブモニターで観戦する人など、それぞれのスタイルでパブリックビューイングを楽しんでいた。
【ARC WORLD TOUR FINALS 2022】公式日本語配信
長友愛莉さん、服部彩加さんインタビュー
長友愛莉さん
Twitter:@airinagatomo
YouTubeチャンネル
服部彩加さん
Twitter:@saika_hattori
YouTubeチャンネル
――パブリックビューイングに参加してみていかがでしたか?
長友愛莉さん(以下、長友) 私たちが公式アンバサダーに就任してからは、コロナもあってずっとオンラインでの活動が多かったんです。それで2022年12月に開催された“ARCREVO Japan 2022”で初めてオフラインのイベントに参加したんですけど、会場の熱気がすごくてオフラインのイベントはこんなに空気感が違うんだって。
プレイヤーの顔が見られるのもよくて、みんな表情に出るんですよね。試合に勝って達成感のある顔をしたり、悔しがって泣いている人もいたり、日常でこんなに一生懸命になれることはなかなかないから、大人の青春しているなあと。今日はパブリックビューイングということで、みんなで観戦して楽しかったですし、自分も大会に参加してみたいと思いました。
服部彩加さん(以下、服部) これまでは呼んでいただいてもスタジオなので出演者だけで歓声を上げたりしていたんですけど、今回はパブリックビューイングだったので、来場者のみなさんといっしょに驚いたり、歓声を上げたりして空気感を共有できたのがよかったですね。
あとは、アメリカで日本勢の評価があまり高くないように言われていたみたいだったんですけど、結果的に1位、2位を日本勢が締めたので、日本も強いんだぞということを示せましたし、すごいなと思いました。それから、予選大会から観戦していたので、海外の選手もキャラクター性を含めて少しずつ覚えてきたので、そういう面でも試合観戦は楽しかったですね。
――誰か注目していた選手はいたんですか?
長友 自分がラムレザルを使っているので、ラムレザルを使う選手は見ていたんですけど、今日は御傍選手が個性的なので応援していました。ディキンソンを出してくると思ったらザトーを出したり、ザトーが出てくると思ったらディキンソンが出てくるみたいな。それを相手にする人のメンタルはどんな風になっているんだろうと(笑)。魅せプレイもすごいですし、解説してもらわないとわからないようなすごいプレイもしているし、それに表情も豊かなのがいいですよね。
――パブリックビューイング後の対戦会ではたっぷり対戦できましたか?
長友 ふだんYouTubeの配信上でやり取りしているリスナーさんや配信者の方たちとたくさん対戦してもらえましたし、対戦後に直接アドバイスをもらったりできて楽しかったですね。こんな機会はあまりないからもじもじしていても仕方ないので、自分から話しかけていっぱい対戦しました(笑)。
服部 私もたくさん対戦してもらいました。配信上のチャットのやり取りではハッキリ伝わらないこともあるんですけど、オフラインの場だとすぐフィードバックが返って来てわかりやすかったですし、配信だと顔が見えないんですけど、オフラインだと顔が見えるから負けても楽しかったですね。
――顔が見えるからムカつくという風にはならないんですね(笑)。
服部 これ当たっちゃったよ! あはははみたいな(笑)。それもオフラインの楽しいところですね。
長友 その“カルヴァドス”さーと対戦相手に言われても、いやー強いっすからね! と、オフラインだと冗談が言えちゃうんですよね。そのあとアドバイスを聞くこともできますし、すごくよかったです。
――おふたりは公式アンバサダーに就任してから2年近く『GGST』をプレイしていますが、そこまでハマった要因はどこにあるのでしょうか?
服部 私はまずメイちゃんがかわいくて、メイちゃんのグッズをたくさん集めるのが楽しくて、それありきで好きなキャラを動かしているのがいちばん好きなところですね。もちろんアクションが楽しいとかもあるんですけど、私はまず最初にメイちゃんが好きというのが大きいです。
――服部さんはメイのコスプレをしたり、水族館でイルカと遊んだりもしていますよね。
服部 もともとイルカが好きだったのでメイちゃんが気になったんですけど、『GGST』に出会えていなかったらイルカに乗ろうとまで思わなかったし、ゲームはもちろん、それ以外の趣味の面にも『GGST』が活きています。ちょうどコロナ禍でもあったから『GGST』やメイちゃんに救われました。あとは『GGST』のプレイヤーはみんなやさしくて、本当に初心者だった私たちにもやさしく教えてくれたから、そういうのも続けられた要因だと思います。
――長友さんは凄まじい試合数をこなしていますけど、そこまでハマった理由はなんでしょう?
長友 私はもともと格闘ゲームをやりたかったんですよね。でもどうやって情報を得ていいのかわからないし、専門用語もわからなかったんですけど、公式アンバサダーになったことで、いろいろな人が教えてくれるようになって、そういうのを自分でいろいろ試して身になっていくのがすごく楽しかったんです。
――自分の成長が楽しい?
長友 どんな人でも完璧になることってないと思うんですよ。そう考えると自分にやれることはまだたくさんあると思えて、それが楽しかったですね。もちろん調子が悪くて落ち込んだりすることもあるんですけど、そんなときは誰かの対戦動画を見たり、いまはグッズがたくさん売っているからグッズを買ったりしていますね。いまでは家にラムレザルグッズを飾るコーナーがあります(笑)。
――それはすごい(笑)。
長友 私、オタクなんですよ(笑)。
――僕も格闘ゲームを少しプレイしているのですが、なかなかモチベーションが続かないときがあります。おふたりのようにモチベーションを保ち続けるにはどうすればいいのでしょうか?
長友 いまはTwitterだったり、Discordだったりで人とつながりやすいので、そういったコミュニティーに入って仲間を作るといいですよ。あとは誰かの配信を見に行って、そこでリスナー同士で仲よくなったりとか。今日の対戦会でも私のリスナーさん同士が仲間になっていらっしゃっていましたし、そういうつながりができると、自分もがんばろうとなるんじゃないですかね。
――同じレベルの仲間がいると、楽しくいっしょに成長できそうですね。
長友 あとは大会を見るのもいいですよ。配信でも大会の熱気を感じられるからゲームもやりたくなると思うんですよね。それで推し選手を作って応援してみるとか。でも無理をしないのがいちばんですかね。ゲームのことを嫌になるのがいちばんよくないですから。
――確かに大会を見るとモチベーションが上がりそうですね。
服部 私は『GGST』に限らず、気が乗らないときはまったくやらなくて、やりたいときにガーっとやるタイプなんです。だから無理せずにゴーイングマイウェイがいいのかなと思います。
――世界大会を見て『GGST』に興味を持って始める人もいると思うんですけど、そういう始めたばかりで右も左もわからない人たちもコミュニティー入るのがいいんですかね?
長友 そうですね。やっぱりコミュニティーに入ったらみんなやさしくしてくれるから、そこに入ってわからないことを聞くのがいいと思います。私もひとりでやっていた経験があるので、まずは仲間を作るのがいいですよ。ガチャガチャするだけならそうでなくてもいいんですけど、がんばりたいと思ったらコミュニティーに入るのがいいのかなと。あとは友だちを誘ってみるとか。
――さきほどのモチベーションの話でもおっしゃっていましたが、仲間を作るのが大切そうですね。
服部 最近、私の配信でも初心者の方が来てくださることが多くて、それでどう教えてあげればいいのか考えることがあるんですよ。私もそうだったんですけど、何をしていいのかわからないと思うんですよね。たとえば、“遠距離S”に“前P”が勝てるとか初心者は絶対わからないじゃないですか。だからそういうのを解説している動画を見たり、そういった動画を作る人たちがいるといいのかなと思います。
長友 上級者の配信でコメントして教えてもらうのもいいですよ。
服部 そうそう。たまに私の配信を見に来てくれた方で、自分は弱いから対戦するのが申し訳ないと言う人がいるんですけど、そういうのは気にしなくていいよと言いたいですね。
――それを配信者側から言ってくれるのはうれしいですね。ちなみに、逆に初中級者に教える側の立場の場合なんですけど、初心者のプレイを見ていると、聞かれてもいないのについ教えたくなってしまうことがあるじゃないですか。そういうときはどうしたらいいんですかね? 言いすぎると余計なお世話だよとなりそうな気もして(笑)。
服部 難しいですよね(笑)。そういうときは、何か聞かれたときに少し付け加える形で伝えるのがいいんじゃないですかね。私は褒められたほうがうれしいので、これできたから、つぎはこれをやってみるといいよとか、ポジティブな感じがいいと思います。人によるとは思うんですけど、褒められて嫌な人はいないんじゃないかな。
――スパルタはダメなんですね。勉強になります(笑)。ちなみにEVO Japan2023は出られるんですか?
長友 出ます。オフラインの大会は出たことがないので1勝したいですね。『GGST』を始めてもうすぐ2年経つので、これまで自分ががんばってきたことを出して、満足いくプレイができたらいいなと。
服部 オンラインでは何回か大会に出たことがあるんですけど、まだ1回も勝ったことがないので、今回はウィナーズで1回戦突破するのが目標です。
――おふたりともふだんからがんばっているので、緊張しすぎなければ絶対に大丈夫ですよ。それでは当日がんばってください!