『ホグワーツ・レガシー』の製品版を先行で約15時間プレイしたので、物語などのネタバレは避けつつインプレッション記事をお届けします。

 『ホグワーツ・レガシー』は、世界中で大人気のファンタジー小説『ハリー・ポッター』の世界観をベースに、1800年代の魔法界が舞台のオープンワールドアクションRPG。プレイステーション5/プレイステーション4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/PCにてプレイ可能で、2023年2月10日に発売予定です。記事執筆にあたってはプレイステーション5版にてプレイしました。

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『ホグワーツ・レガシー』購入は美術館とかテーマパーク購入とほぼ同じ

『ホグワーツ・レガシー』15時間プレイレビュー。緻密に再現された『ハリー・ポッター』の世界に感動、俺TUEEEな魔法アクションも爽快 記事編集に戻る
月夜に照らされるホグワーツ城。

 前情報などからなんとなく察していましたが本作のホグワーツ城のマップの作り込みや完成度は凄まじいです。映画や小説でおなじみの魔法の巨城、ホグワーツ魔法魔術学校が緻密に再現されています。

 各建物の地下から塔の頂上まで歩くことができ、「こことここがつながってるのね」、「地下でゴーストたちが騒いでいる!?」などと歩くたびに驚きや発見があります。15時間ほどプレイしましたが、マップをみないと迷子になってしまうほど広くて、謎や仕掛けが入り組んでいます。

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映画でよく観かける階段。
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大広間では生徒たちが談笑しながら食事を取っています。
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レイブンクローの寮。

 ホグワーツのいたるところに配置されている肖像画や彫像なども魔法がかけられているので動きます。目的地に行くまでにふと絵画や城の情景に目を奪われて立ち止まってしまうことも多かったです。まさに、映画や原作小説に入り込んだ体験が得られます。大げさかもしれませんが、『ホグワーツ・レガシー』の購入は美術館やテーマパークを手に入れたことと同義だと思ってください。

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廊下の絵画はもちろん、壁の装飾や柱の作りにも目が止まってしまいます。

 ホグワーツ城の外にはホグズミード村やそのほか集落、森林や湿地などが広がっています。これらのマップもそれなりの規模です。ファストトラベルもできますが、箒での移動も可能。扱いに慣れると目的地に箒ひとっ飛びでます。これは本当に気持ちいいです。

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魔法界を箒で駆け抜ける。
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箒のほかにもヒッポグリフに乗って移動もできます。

スリザリン生のセバスチャンがナイスガイ。ストーリーもハリポタらしい

 ストーリーについては1800年代の魔法界を舞台なのでハリーやロン、ハーマイオニーなどおなじみの面々は出てきません。なので最初はハリポタの世界観だけど知らないキャラクターばかりで若干の抵抗感はありました。

 しかし、校長がブラック、副校長がウィーズリーなど聞き覚えのある名字だったりするので徐々に親しみを覚えていきます。さらに、学校の先生や生徒の言動もなかなかキャラが立っているので「どんなやつなんだろう?」という好奇心がストーリーやクエストへのモチベーションになりました。

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妹にも主人公にも優しいセバスチャン・サロウ。

 いまの時点でのお気に入りはスリザリン生セバスチャン・サロウ君。原作からのイメージでスリザリン生だから悪そうな生徒かなとは思っていたものの、彼は仲間想いで、冒険好き。呪いにかかっている妹がいて、彼女は呪いのせいで学校に行けません。どうにかして呪いを治してホグワーツで学園生活を楽しんでほしいと主人公に語るセバスチャン。スリザリン生なのにほんとうにナイスガイ。彼関連のクエストがあるとまっさきに出向きます。

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奥にいるグラサンの彼(名前はBBQCQCにしました)が主人公です。ゲーム開始時に見た目や声などをエディットできます。装備を変更すると見た目もガラリと変わります。

 メインのストーリーについてはまだプレイ途中なのでわからないことが多いです。ただプレイするうちに感じたのは、世界観の造形だけでなくストーリーもしっかりハリポタらしいということ。

 子どものころ夢中になって読んだ原作小説の構成は、各作品で大きな事件がありそれらの解決のために学園生活を送りつつ、仲間とともに謎を解き明かしていきながらクライマックスに向かいます。『ホグワーツ・レガシー』でも、それらに似たエッセンスを随所で感じました。

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原作小説では登場頻度が高かったのに映画では出演していなかったポルターガイストのピーブズが校舎で騒いでるのを見て「やっと動いてるピーブズを見られた!」と謎に感動。想像どおりかなり騒々しいです。
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この時代はそうとう治安が悪いみたいで、いたるところに闇の魔法使いがいます。これはちょと抜けてる闇の魔法使いが起こす騒動のひとコマ。

 校舎や街にいる人々も単に配置されているだけでなく、会話やアクションなども凝っているので、当時の魔法界の営みが垣間見えます。

爽快! 俺TUEEEな魔法アクション

 戦闘は杖を使って魔法で戦います。R2を押して基本攻撃をしつつ、◯△▢✕にセットした魔法でバリアを崩したりダメージを与えたりします。加えて古代魔術でフィールド上の物を投げつけたりも可能です。大勢の敵に囲まれた主人公が魔法で殲滅するという場面が多く、爽快で俺TUEEEな魔法アクションを楽しめます。

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 ストーリーを進めたり先生の課題をこなすことで使える魔法の種類が増えます。たくさんの魔法からお気に入りの組み合わせを探す楽しさもあります。ちなみに“アバダ ケダブラ”(死の呪い)や、“クルーシオ”(磔の呪文)といった闇の魔術も使えるみたいです。私はまだストーリーが進行していないのでそれらを使えていません。早く呪いたい。

 また、ゲームの難度はストーリー、イージー、ノーマル、ハードがあり、ゲームの途中でも変更が可能です。

模様替えし放題の“必要の部屋”や魔法生物など、やり込み要素も満載

 やり込み要素についても少し紹介いたします。ストーリーが進むと“必要の部屋”が使えるようになります。ここは訪れた魔法使いが必要と思うものが現れる部屋で、ゲーム内では主人公の拠点みたいな扱いです。家具や装飾品などを自由に模様替えでき、植物の育成や薬の調合も可能です。

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筆者の“必要の部屋”。家具のサイズを調整してこんな現代アートっぽい配置にもできます。

 また、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズのように魔法生物の保護や交流も可能。仲良くなった魔法生物からは素材を回収でき、それらを使って装備を強化できます。このほかにも、チャレンジやミニゲームなどもあり、夢中になれる脇道が多いです。

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保護した魔法生物たち。

謎解きで心が“レダクト”(粉々)

 本作には謎解き要素も用意されています。たとえば部屋の先に進むには、“レヴィオーソ”(浮遊呪文)や“アクシオ”(呼び寄せ呪文)などを使って仕掛けを動かす、などのシーンがあります。これがないと戦闘だけに終始してしまうのでゲーム体験にメリハリをもたらす大切な要素でしょう。

 ただし、筆者は昔から謎解きが非常に苦手。ふだんはちょっと詰まったら速攻でプレイ動画や攻略で答えを確認しています。しかし、今回のプレイではそれらができないので悪戦苦闘。動きに詰まると、「もしかしたらこの仕掛は“アクシオ”を使えば…」といったプレイヤーへのヒントを主人公がつぶやいてくれる親切仕様でしたが、謎解きに何十分もかかるなんてこともありました。

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 今回の『ホグワーツ・レガシー』レビューにあたって土日でストーリークリアを目指したのですが、メインクエスト内の謎解きにつまずいて進行がピタッと止まりました。1時間以上もあれこれ試しましたが、ほんとうに謎解きが下手くそすぎて泣く泣く攻略を断念して、15時間プレイレビューという歯切れの悪い区切りで記事を書くことになりました。申し訳ございません。製品版の発売後は、友だちとあーだこーだ言いながら進めます。

 とはいえ、今回のプレイで本作のマップの作り込みや戦闘の爽快さ、キャラクターの魅力などは十分楽しめました。『ハリー・ポッター』の世界観を見事にオープンワールドRPGにした作品だと思います。気になる方はぜひ入学してみてください。

雑感コーナー

 蛇足です。ストーリーをクリアしていない筆者の雑感も置いておきます。

恋愛ってできるんですかね
 前述のとおりキャラが立った生徒多いです。彼らの好感度を上げていくと交際できる…。みたいなシステムがあってほしいなとプレイしながらずっと思っていました。原作の『ハリー・ポッター』でも闇の帝王のせいで世界がかなりヤバいことになっているさなかでも、ハリーたちは恋愛にも全力投球だったんですから。恋愛要素あってほしいです。

やっぱりクィディッチはやりたい
 入学式でブラック校長が「今年はクィディッチは中止です」と語って生徒たちからブーイングを受けていました。いまのところ箒での移動やレースはできてもクィディッチはできません。ストーリーのクリア後とかにできるようになるんですかね、どうなんですかね……。

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中止!? そんな。校長先生、考え直してください。

フォトモードは実装して
 フォトモードがありません。ホグワーツのお気に入りの場所や壮大な自然を写真で撮りたくてもゲーム画面のスクショしかできないのはもったいないです。アップデートでフォトモードは実装してほしいです。お願いですから!

校舎で魔法打ち放題
 打ち放題です。ここはちょっと自由すぎるかなと感じました。下手に騒ぐと監督生や先生に追いかけられて怒られる。みたいな要素があってもいいかなと思いました。

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