PCオンラインゲーム『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)』(以下、『LoL』)やタクティカルFPS『VALORANT』など、世界中のプレイヤーを熱狂させるタイトルを運営するライアットゲームズ。

 そんなライアットゲームズが、新たなイベント“Riot Games ONE”を発表。公式Twitterでは、3日前から謎めいた告知が行われていた。

“Riot Games ONE”公式サイト

 “Riot Games ONE”の発表に先駆け、ライアットゲームズのオフィスでメディア向け発表会が行われた。本稿では、本日2022年10月27日に発表された“Riot Games ONE”の概要とともに、発表会の模様をリポートしていく。

今年は『VALORANT』大躍進の年に

 発表会では、ライアットゲームズ日本法人社長/CEOの藤本恭史氏が登壇。“Riot Games ONE”の発表の前に今年1年の振り返りが行われた。

 藤本氏は「タクティカルFPS『VALORANT』の大躍進がすごかった」と振り返り、ゲーム自体が成長していったことはもちろん、ストリーマーに配信で取り上げてもらう頻度が高くなり、CRカップやRAGEなどエンターテインメント性が高いイベントが多数開催され、いまの盛り上がりにつながっていったのではと語った。

また、eスポーツの観点でも大きな注目が集まったと藤本氏はコメント。『LoL』の世界大会“World Championship 2022”では日本代表のDetonatioN FocusMeが中国代表の強豪チームRoyal Never Give Up相手にBO5形式の試合で1勝をもぎ取ったり、『VALORANT』の世界大会で日本代表のZETA DIVISIONが世界3位という快挙を成し遂げたりと、世界の舞台で日本代表がトップチームに相手に戦えるということを証明してくれた年であった。

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写真は『VALORANT』の日本プロチームが国際大会VCT3で世界3位となったときのもの。

 また、配信サイト“Twitch”の世界大会のストリーミング配信では、初の試みとして人気ストリーマーたちの視点で試合が観戦できる“ウォッチパーティ”を実施。この取り組みによって、ふだん試合を観戦しない層を取り込むことにも成功。注目度の高い試合では、SNSでその試合を印象づけるワードがトレンド入りするなど、大きな盛り上がりを見せた。そういったこともあり、今年1年を「ライアットゲームズにとって競技シーンを変えた重要な年」と藤本氏はコメント。

 ほかにも、さいたまスーパーアリーナで開催された“2022 VALORANT Champions Tour Challengers Japan Stage2”など、「オフラインのイベントを通じて盛り上がりをアピールできた」と藤本氏。続けて「ファンやパートナーと作り上げた年なので、その年を祝うような体現を作り上げたい。そこから“Riot Games ONE”を立ち上げた」と、今回の本題となる“Riot Games ONE”の立ち上げの経緯を語った。

オンライン・オフライン統合イベント“Riot Games ONE”

 “Riot Games ONE”は、日本オリジナルのオンライン・オフライン統合イベント。11月初旬から12月22日にかけてオンラインイベントが実施され、12月23日・24日の2日間にイベントのフィナーレという位置づけで、横浜アリーナで大規模なオフラインイベントを開催する。

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 本イベントでは、今年1年の盛り上がりの象徴でもある『VALORANT』を中心にプロモーションしていくという。また、『LoL』のコンテンツも用意。ふたつのタイトルでプレイヤー層、視聴者層が異なるが、どちらのプレイヤーでも楽しめる内容にしていくとのこと。

 イベントのコンセプトは“日本の夏祭り”。さまざまな出店があり、参加している人が三者三様の楽しみかたができる。そういった楽しい催しを、みんなで作り上げていくというイメージだ。

オンラインイベント

 11月初旬から12月22日にかけて、人気ストリーマーやプロ選手たちによるオンラインイベントを開催。現時点で発表されているイベントは以下のとおり。そのほかのイベントや、各イベントの参加者などは後日発表されるとのこと。

Twitch Rivals: VALORANT Showdown Japan

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  • 日時:2022年11月5日(土)19時 〜
  • ゲームタイトル:『VALORANT』
  • 参加者:後日発表
  • 配信

※Riot Gamesより賞金を提供

第4回 Crazy Raccoon Cup VALORANT powered by Riot Games ONE

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  • 日時:2022年11月12日(土) 、11月13日(日)
  • ゲームタイトル:『VALORANT』
  • 参加者:後日発表
  • 配信
  • お知らせページ

オフラインイベント

 12月23日(金)、24日(土)の2日間、横浜アリーナにて“Riot Games ONE”のフィナーレを飾るオフラインイベントが開催。来場者は両日ともに1万人を予定。イベントの模様はストリーミング配信も実施される。制作・運営はRAGE。

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 12月23日(金)は人気ストリーマーを中心としたステージ演目となっており、オープニングでは“Riot Games ONE”のオフィシャルテーマソング『SCORPION』を歌うReolさんによるライブパフォーマンスを実施予定。

 12月24日(土)は世界レベルのプレイヤーを擁する国内外のプロチームを招待し、ハイレベルな国内外の『VALORANT』のプロチームによるエキシビションマッチを予定している。

オフラインイベント開催概要

  • 開催日程:2022年12月23日 / 24日
  • 開催時間:
    • DAY1:開場11:00 開演12:30 終演21:00 (予定)
    • DAY2:開場11:00 開演12:30 終演21:00 (予定)
  • 会場:横浜アリーナ
  • 主催:Riot Games
  • 制作・運営:RAGE

DAY1ステージ

Riot Games ONE Special OpeningShow by Reol

 “Riot Games ONE”の開催を記念して制作された、Reolさんのコラボ楽曲『SCORPION』のライブパフォーマンスを披露。コラボ楽曲『SCORPION』は10月28日0時にリリースされる。

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Riot Games ONE x Crazy Raccoon Cup Special

 12月19日~21日にかけてストリーマーによって構成される4チームが、オフラインイベントへの出場をかけて激突。勝ち上がった2チームが、オフラインイベントでBO3形式で戦う。

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Riot Games ONE x The k4sen

 人気ストリーマーのk4senさん主催のイベント“The k4sen”も開催決定。『LoL』を使ったスペシャルイベントを予定。

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THE DEFIERS

 『VALORANT』の高いプレイスキルを持ったストリーマー5名が、オンライン期間の練習を経てプロ選手5名で構成された即席チームに挑む。練習の様子も配信されるようで、そこから楽しんでほしいとのこと。

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DAY2ステージ

Riot Games ONE PRO INVITATIONAL

 世界レベルのプレイヤーを擁する国内外のプロチームを招待し、エキシビションマッチをBO1形式で計6試合行う。

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チケット情報

  • 公式先着先行受付期間:
    • 受付開始  2022年11月10日 (木) 20時00分
    • 受付終了  2022年12月7日 (水) 23時59分

※各日約1万人来場予定

  • チケットの種類:
    • S指定席:9800円 [税込]
    • A指定席:7800円 [税込]
    • B指定席:5800円 [税込]

※座席図は後日アナウンス予定。

  • 来場特典:来場者向けに『VALORANT』のゲーム内で使用できる限定特典、抽選でもらえるイベントオリジナルグッズが配布予定。

クールなトレーラーでコラボ楽曲をチェック!

 情報の発表に合わせて“Riot Games ONE”のトレーラーも公開されている。本映像ではReolさんによるコラボ楽曲『SCORPION』も聴くことができる。

 なお、Reolさんの『SCORPION』は10月28日0時に配信開始。また、11月16日に発売されるCD『COLORED DISC』内にも収録されている。こちらも合わせてチェックしておこう。

Reolさんのコメント

Riot Games ONEへ、SCORPIONという楽曲を書き下ろしました。VALORANTをはじめとするRiot Gamesのゲームに導かれて、またひとつ新しい扉が開かれた感覚です。劣等感を持つ人間は誰より優しく強くなれる。わたしとあなたがコンプレックスすら武器に変えて、憂き世を戦っていけますように。弱さを知るすべての人への応援歌。

The battle begins. Prepare yourselves.

コラボ楽曲『SCORPION』配信リンク
『COLORED DISC』特設サイト

反響しだいでは来年以降の開催も視野に

 発表会の最後に、ライアットゲームズ日本法人社長/CEOの藤本恭史氏、“Riot Games ONE”プロデューサーで、『VALORANT』ブランドマネージャーの佐藤翔太氏への質疑応答が行われた。

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藤本 恭史(ふじもと やすし)

合同会社ライアットゲームズ日本法人社長/CEO。文中は藤本。

佐藤 翔太(さとう しょうた)

『VALORANT』ブランドマネージャー。“Riot Games ONE”のプロデューサーも務める。文中は佐藤。

――今回のイベントは“日本の夏祭り”がコンセプトとのことですが、視聴者もいっしょになって参加するイベントも予定されているのでしょうか?

藤本参加型のイベントというよりは、配信を視聴していただいて、ともにストーリーを作って盛り上げていくというイメージです。今年1年を振り返ると、ひとつのストリーマーの配信やeスポーツの試合でも、いろいろな方が意見交換をしてストーリーが生まれていったということがあったと思います。

 今回のイベントは、すべて23日、24日のオフラインイベントにつながっていく形で事前のオンラインイベントを開催することを考えております。たとえば“THE DEFIERS”であれば、ストリーマーの方々が練習しながら成長していく様子を見て、オフラインイベント当日でプロチーム相手に勝つか負けるかをハラハラしながら見守る。そこに見ている方々それぞれにストーリーが生まれるといいなと思って企画を練らせていただいております。

――『VALORANT』や『LoL』以外にも『ルーンテラ』や『TFT』のイベントを予定されていたりしますか?

藤本今回は、『VALORANT』のファンの方々に連続的に楽しんで満足いただける形でのプログラムの組みかたにしようと考えているため、メインタイトルを『VALORANT』にさせていただきました。我々としてもこういった大きいイベントを開催するのは初めてなので、これで勉強させていただいたうえで、そのほかのタイトルに関しても検討させていただければと思っています。

――ゲームクライアントと連動したイベントなどはありますか?

佐藤今回はクライアントとの連動したプロモーションは想定していません。ただ、オフラインイベントの来場者限定で『VALORANT』のゲームの中で報酬を獲得できる特典を用意しています。これはいままで『VALORANT』のプロモーションでできなかったことのひとつで、今回の“Riot Games ONE”で実現できたものです。プロモーションとは違いますが、ゲーム世界との連動はそういった形でご用意しています。

藤本今年、『LoL』で初めて花リフ(ゲーム内で実施された日本限定のお花見イベント)を実施しなかったのですが、インゲームのプロモーションを続けていくのがいいのか、それとも視聴型のコンテンツで楽しさを伝えていくのがいいのか、これも“Riot Games ONE”を通じて勉強させていただきたいなと思っております。『LoL』に関しては“The k4sen”のプログラムを組み込んでおりますが、それで視聴コンテンツとしてどういった反応があるのか、それを見たうえで、今後どうしていくかを考えていければと。

――オフラインイベントのDAY1で行われる“THE DEFIERS”ですが、どのような形でプロ選手の即席チームを作られるのでしょうか?

佐藤プレイヤースキルの高い5名のストリーマーの方が事前に練習をして、当日、横浜アリーナでプロ選手5名に挑むというイベントなのですが、プロ選手側の即席チームに関しては、ライアットゲームズからプロチームに所属していた5名の方にお声がけさせていただく予定です。やはりプロ選手ですので、当日にプロチーム側が圧倒する可能性もあるのですが、ちょうどいい塩梅のエキサイティングな試合が見られるように指名させていただく予定です。

 今回の企画は、参加されるインフルエンサーの方からのご要望もあって、「プロとして活動しているトッププレイヤーに挑みたい」というお声をいただきましたので、それに応える形のイベントとなります。

――チケットの価格は両日で同じ価格なのでしょうか?

佐藤はい。同じ価格を想定しております。

――Reolさんのライブパフォーマンスもあるので、1日目のほうがプレミア感が強いなと感じられるのですが。

藤本我々ライアットゲームズとしては、『LoL』の世界大会“Worlds”や世界的に行っている興行も含めて、可能な限りチケットの代金は低く設定したいという思いがあります。ただ、今回はReolさんの出演もそうですし、24日も国内外のプロチームの招待がありまして、いまの価格に設定させていただいております。24日も日本ではいままで見たことがない対戦もご提供できるんじゃないかなと思いますので、(出演者などの)続報をお待ちください。

佐藤24日はプロ選手による対戦がメインになっていますが、じつはアーティストの方によるオープニングパフォーマンスを予定しております。『VALORANT』ファンには納得のキャスティングができたんじゃないかなと思っていますので、ぜひこちらもご期待いただければ。

――“Riot Games ONE”は今後も定期的に開催されていく予定はありますか?

藤本将来のことはなにひとつお約束できる段階ではないのですが、皆さまからいい反応をいただけるようであれば、同じような形になるかはわかりませんが、何かの形でご提供できる機会があるんじゃないかなと思っております。「ぜひそうしていきたい」という思いはありますが、どういった反応があるのか、いちばんの心配ごとですね……(笑)。

――ストリーマーやプロ選手たちとと触れ合えるようなイベントは予定されていますか?

藤本プログラムの合間の休憩時間を長く取って、写真撮影やファンミーティングなどの時間を設けたほうがいいのか、短くしてメインのプログラムの時間を長くしたほうがいいのか、こちらも現在調整中です。ただ、ストリーミング配信で視聴する方もいらっしゃることを考えると、メインとなるコンテンツを可能な限り充実させて、途中の待ち時間を少なくしたほうがいいのかなと思っているのが現状です。

佐藤各チームの物販も調整中です。“Riot Games ONE”限定のグッズなども用意させていただく予定です。

――会場を横浜アリーナに決めた理由をお聞かせください。

佐藤都内の会場はひと通り見て検討させていただきました。ただ、年末の催事が続く時期で、選択肢が少なくて……。そういったスケジュールの側面もありつつ、横浜アリーナさんは今年に大規模な改修をして、我々が提供したいイベントが実現できる場所だと感じられたのが大きな理由ですね。

 ほかにも、これまでのイベントでは「地方から行きづらい」という意見もたくさんいただきました。今回の横浜アリーナは、新横浜駅が最寄り駅でアクセスがよくなっているかなと思います。

――まだ参加者など、発表されていない情報がありますが、いつごろまでに情報が解禁されるのでしょうか?

佐藤チケットの販売までにはすべての出演者などの情報を明らかにしていく予定です。

藤本オフラインに関わらないオンラインプログラムに関しては、その限りではない可能性もありますので、ご了承いただければ。

――“RAGE VALORANT 2022 Autumn”ではABEMAで選手たちの声が聞けるPPV(ペイパービュー)が用意されていました。今回の“Riot Games ONE”ではそういった施策は予定されているのでしょうか?

佐藤現時点ではそのような企画は予定していません。これからRAGEのレビューをしていく中で、購入されて視聴していただいた声、そうじゃない人の声、イベントそのものの反響などを見させていただいて、そこからの学びを経て、“Riot Games ONE”でもやるべきだという結論に至れば準備を進めていこうと思っています。

――そもそも今回の“Riot Games ONE”を開催しようと思ったきっかけはなんでしょうか?

藤本私個人の思いにはなりますが、いちばん最初にイベントをやりたいと思ったのは、5月に開催された“RAGE VALORANT”の会場で、来てくださったファンを間近で見たときです。そのときにイベントを楽しんでくださっているという熱量を感じて、「こういったイベントを企画してみてもいいかな」とバックヤードで話した記憶があります。

 ライアットゲームズとしては、『LoL』10周年イベントなど、これまでにもオフラインイベントを開催させていただいたことはありましたが、頻度は少ないものでした。ですが、いまのファンの方々の熱量や思いを受け止めたうえで、我々自身が先頭に立ってその価値をお届けするタイミングにきているかなと。

 “Riot Games ONE”のコンセプトは“夏祭り”とお伝えしましたが、開催時期はクリスマスなのになぜ夏祭りなのかというと、5月ごろに企画し始めたからという経緯があります……(笑)。

佐藤『VALORANT』のブランドマネージャーとしての視点になりますが、やはり“2022 VALORANT CHAMPIONS TOUR - STAGE1 MASTERS”でZETA DIVISIONが活躍している姿を見たときに、『VALORANT』ならではの熱狂を伝えるオフラインイベントをやりたいなという漠然とした思いがありました。もちろん、“RAGE VALORANT”でプレイヤーの熱量を生で感じられたことも大きかったです。