2022年10月28日に発売予定の『バイオハザード ヴィレッジ ゴールドエディション』(対応機種はプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X、Xbox One、PC)。

 本作は2021年発売の『バイオハザード ヴィレッジ』に、3つの新規コンテンツを追加した完全版ともいえるタイトルで、同様のコンテンツをまとめたDLC“ウィンターズ エクスパンション”も同日に発売される。

 そんな注目作を、発売直前のタイミングで先行プレイさせていただけることに。こちらの記事では追加コンテンツ“サードパーソンモード”、“ザ・マーセナリーズ アディショナルオーダーズ”、“シャドウズ オブ ローズ”の見どころをリポート形式でお届けする。

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三人称視点で本編を楽しむ“サードパーソンモード”

 こちらは主観視点だった『バイオハザード ヴィレッジ』本編を、三人称視点でプレイできるようになったモード(視点はゲーム開始時に選べ、以降もタイトル画面で切り替え可能)。

『バイオ ヴィレッジ ゴールドエディション』先行プレイ。クリスは素手が強い! 三人称視点、エクストラゲーム、16年後を描く新シナリオ……3種の追加コンテンツで新たな恐怖を体験

 プレイ感覚でいうと『バイオハザード RE:2』や『バイオハザード RE:3』に近い。実際に同じタイトルをふたつの視点で体験してみたところ、サードパーソンモードは主観モードと比べて見渡せる範囲が格段に広く、“周辺の状況を把握しやすくなった”ことと、“敵や対象物との距離感が掴みやすくなった”ことが最大の特徴といえる。

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 前者は特に、複数の敵が同時に出現するエリアでの戦闘で強く感じたポイント。主観視点だと、どうしても眼前の敵にのみ注意がいきがちだが、サードパーソンモードでは後方から弓で狙ってくる敵やこちらの背後に回り込もうとする敵の姿も同時に確認しやすい。これにより、いつの間にか囲まれてしまい一方的に攻撃される状況を回避できる。

 戦闘やアクション全般が苦手な人はまずはこちらのモードで遊んでみるといいかもしれない。

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 また、敵との距離感の掴みやすさは、ヘッドショットをなかなか決められない人ほどその恩恵を強く感じるポイントだろう。

 主観視点だと、ヘッドショットを狙っているうちに敵がどんどん距離を詰めてきて、手痛い反撃を受けてしまう……といったことが頻繁にあったが、サードパーソンモードなら敵との距離はもちろん、「手にした武器を振りかざしたら、ここまで届くな」という、攻撃のリーチも予測がしやすいので、安全な距離を維持しつつ戦うことができた。

 このように、どちらかというと“アクションゲームが苦手な人向けの救済策”といった感が強いこちらのモードだが、シリーズファンからすると、後ろ姿とはいえ戦うイーサンの姿を見られるのはうれしい限り。プレイ時には、これまで“手のみ”で表現されていたイーサンのさまざまなアクション・リアクションを存分に堪能しよう。

“ザ・マーセナリーズ アディショナルオーダーズ”

 こちらは『バイオハザード』シリーズおなじみの、戦闘に特化しハイスコアを目指すエクストラゲーム“ザ・マーセナリーズ”の進化系。

『バイオ ヴィレッジ ゴールドエディション』先行プレイ。クリスは素手が強い! 三人称視点、エクストラゲーム、16年後を描く新シナリオ……3種の追加コンテンツで新たな恐怖を体験

 ステージやキャラクターが追加され、遊びの幅も大幅に広がった点が特徴的で、もともといたイーサンに加え、クリスも最初から使用可能になっている(ドミトレスクとハイゼンベルクはリワードを達成すると使用可能に)。

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 そんな“アディショナルオーダーズ”の最大の改善点は、操作キャラクターが増えたことで、同じステージでもキャラごとに異なる立ち回りが楽しめるようになったところ。

『バイオ ヴィレッジ ゴールドエディション』先行プレイ。クリスは素手が強い! 三人称視点、エクストラゲーム、16年後を描く新シナリオ……3種の追加コンテンツで新たな恐怖を体験
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 ちなみにイーサンは、ハンドガン、ショットガン、ライフルと多彩な武器を使用でき、アイテムによる回復も可能という、攻守のバランスが取れたキャラクター。

 一方のクリスは、装備できる武器こそハンドガンとアサルトライフルの2種類(および各種手榴弾)のみだが、格闘能力に優れ、素手で敵をなぎ倒すことができる攻撃特化のキャラクター。ただし、回復薬は使えないので、ダメージは最小限に抑えつつ立ち回る必要がある。

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 さっそくクリスでプレイしてみたところ、とにかく素手の攻撃が強力で、複数の敵を拳だけで倒していく感覚はじつに爽快! 素早く連射の利くフックと、大振りだが高威力のストレートの使いわけが可能で、各アクションは移動しながらでもくり出すことができる。

 なお、近距離でストレートを使うと、振りかぶっている最中に先手を取られて攻撃される可能性が高いが、少し距離を取って攻撃ボタンを押し、そこから一気に間合いを詰める……といった戦法をとれば、隙を抑えつつ強烈な一撃を叩き込むことが可能。記者もこの方法でガンガン敵を倒し、コンボを繋ぐことができた。

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 そしてもう1点、クリスの特徴的なポイントが、連続して攻撃をくり出すことで“闘志”ゲージが貯まっていき、上限に達すると“奮闘状態”になるところ。この状態になると、攻撃の威力と移動速度が上昇するので、さらに効率よく敵のせん滅に当たれるというわけだ。

『バイオ ヴィレッジ ゴールドエディション』先行プレイ。クリスは素手が強い! 三人称視点、エクストラゲーム、16年後を描く新シナリオ……3種の追加コンテンツで新たな恐怖を体験
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 なお、今回は残念ながら残りの2キャラクターの解放までにはいたらなかった。ドミトレスクは巨体を活かしたダイナミックな立ち回りが楽しめ、ハイゼンベルクは磁力とハンマーというふたつのモードを切り換えて戦うテクニカルなキャラクターになっているという。各キャラの操作感については、ぜひ各々でリワードを達成し、自身の目で確かめてほしい。

本編の16年後を描く新シナリオ“シャドウズ オブ ローズ”

 “シャドウズ オブ ローズ”は『バイオハザード ヴィレッジ』から16年後が舞台。同作の主人公・イーサンの愛娘であるローズマリー・ウィンターズを操作して謎解きや戦闘を行うコンテンツだ。

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 生まれ持った特殊な“力”に悩まされるローズが、その力を封じるために“菌根の記憶の世界”へと飛び込む……といったストーリーで、舞台が現実ではない“意識の世界”だからこその、まとわりつく悪夢のような恐怖が堪能できる作品となっている。

『バイオ ヴィレッジ ゴールドエディション』先行プレイ。クリスは素手が強い! 三人称視点、エクストラゲーム、16年後を描く新シナリオ……3種の追加コンテンツで新たな恐怖を体験
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 こちらのモードをプレイして最初に感じたのは、主人公が特殊な力を秘めているとはいえ、あくまでも“戦闘経験のない非力な少女”であること。

 ほかのモードでイーサンやクリスたちを操作した後だとより強く感じるところなのだが、ローズは彼らと比べて移動速度が遅いうえ、ナイフを使っての直接攻撃などフィジカルな部分を前面に出したアクションができない。

 また銃に関しても、連射速度が大人のキャラに比べてかなり遅めのため、“戦いに不慣れな少女が恐怖に立ち向かう絶望感”がより強調されているように見てとれた。

『バイオ ヴィレッジ ゴールドエディション』先行プレイ。クリスは素手が強い! 三人称視点、エクストラゲーム、16年後を描く新シナリオ……3種の追加コンテンツで新たな恐怖を体験
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 そんなローズの最大の特徴は、さまざまな場面で彼女に備わった特殊な力(菌根の力)が使えるところ。道中には“黒領域”という泥のような物体で覆われたエリアがあり、そこに踏み込んだままの状態が続くと、強制的にゲームオーバーとなってしまう。

 しかし、ある程度ストーリーを進めると力のコントロールが可能になり、黒領域の核となる部分に力を注ぎ込むことでそれを取り除き、新たな道を切り開けるようになるのだ。

『バイオ ヴィレッジ ゴールドエディション』先行プレイ。クリスは素手が強い! 三人称視点、エクストラゲーム、16年後を描く新シナリオ……3種の追加コンテンツで新たな恐怖を体験
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 また、戦闘時に敵に向けて力を使うと、一時的にだが敵の動きを止めることもできるので、その隙に攻撃したり、横を通り抜けて先に進む……など、行動の選択肢も大幅に広がる。このように「状況に応じて特殊な力をどう戦略に組み込むか?」を考えられるのも、こちらのコンテンツをプレイするうえでの楽しみのひとつといえるだろう。

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 ちなみに、菌根の力の使用回数には限りがあり、敵の動きを止めるたびに力の残量は減っていく(核の破壊は無制限に行える)。一応、使用回数を回復するホワイトセージというアイテムも手に入るのだが、回復薬や弾薬と同様にその数には限りがあるので、乱発は禁物。銃で戦うか? 力を駆使するか? 状況を把握して、最適な行動を選択する必要がある。

“意識の世界”ならではの幻想的な演出にも注目

 ここまで話してきたローズの特徴だけでなく、本コンテンツは、その舞台である“菌根の記憶の世界”のデザインにも開発陣のこだわりがあふれていておもしろい。

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 ドミトレスク城など『バイオハザード ヴィレッジ』に登場したステージが融合した空間になっているので、本編を遊んだことがあれば攻略の手順も想定しやすいのだが、いい意味で予想を裏切る仕掛けや新たなギミックが満載なので、なかなか一筋縄ではいかない。

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 詳細は伏せるが、まさに“意識の世界”だからこそ表現できた、独創的なステージもたっぷり用意されている。本編を“ヴィレッジ オブ シャドウ(最高難易度)”でクリアーするくらいやり込んだ人でも、手応えを感じつつ新鮮な感覚でプレイできるはずだ。

『バイオ ヴィレッジ ゴールドエディション』先行プレイ。クリスは素手が強い! 三人称視点、エクストラゲーム、16年後を描く新シナリオ……3種の追加コンテンツで新たな恐怖を体験

 それともう1点、“シャドウズ オブ ローズ”において強くアピールしたいのが、随所に盛り込まれた幻想的な演出の数々。基本的にローズはひとりで探索を進めることになるのだが、道中では“マイケル”という人物からたびたびメッセージが届き、進むべき道などを示してくれる展開になっている。

 要所ごとに光り輝く文字が表示され、それに答える……といったコミュニケーションなので、直接会話することはできないものの、まるでパートナーとともに行動しているかのような気分になり、少しだけ恐怖感を和らげる効果もあるように感じられた。

『バイオ ヴィレッジ ゴールドエディション』先行プレイ。クリスは素手が強い! 三人称視点、エクストラゲーム、16年後を描く新シナリオ……3種の追加コンテンツで新たな恐怖を体験
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 また、マイケルからのメッセージに手をかざすと、武器や弾薬、回復薬が浮かび上がってきて、それらをアイテムとして入手できる……など、まるでファンタジー映画のような一幕も。

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 最初は言われるがまま、指示通りに動くだけだった両者の関係が、探索を進めるにつれ徐々に深まっていき、信頼し合うようになるまでの過程も見られる。プレイ時にはそうした感情の機微や「マイケルとは何者なのか?」といった点にも注目しつつ、本編とはひと味違う恐怖体験を堪能してほしい。

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 駆け足での紹介となってしまったが、このように3種の追加コンテンツはいずれも遊びごたえ抜群で、新規ユーザーはもちろん、オリジナル版をやり込んだプレイヤーにとってもばっちり楽しめる内容になっている。気になる方はぜひ、本作を購入して、『バイオハザード ヴィレッジ』の真の結末をその目で確かめてほしい。