世界最高峰のプロバスケットボールリーグNBAの公認ゲームソフトとして、2Kより展開されている『NBA 2K』シリーズ。毎年進化を遂げている同シリーズだが、その最新作となる『NBA 2K23』が2022年9月9日に、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch、Steam向けに発売された。
ここでは、『NBA 2K』シリーズを開発するVisual Conceptのエクゼクティブ・プロデューサーであるエリック・ベニッシュ氏に、最新作となる『NBA 2K23』の進化ポイントなどを聞いた。
『NBA 2K23』(PS5)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『NBA 2K23』(PS4)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『NBA 2K23』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)マイケル・ジョーダンを復活させるには最高の年だった
エリック・ベニッシュ氏
Visual Concept エクゼクティブ・プロデューサー
――最新作を開発するにあたってもっとも注力したポイントをお教えください。
エリックいろいろありますが、まずは背景を楽しんでください。『NBA 2K』はご存じの通り、本当に大きなシリーズなので、本作『NBA 2K23』に関しても非常に大きな作品と位置付けています。開発する上で、もっとも重要な点はディテールに対して、詳細にしっかりと注力していくということでした。
――具体的にこだわったディテールはどのへんですか?
エリックその好例が“Jordanチャレンジ”です。おそらく今年の『NBA 2K23』の中で、私のいちばん好きなモードです。このモード全体を見てみると、想像できるすべてのディテールが網羅されています。想像できるすべてのディテールが、選手の外見、着ているユニフォーム、プレイしている環境、広告に至るまで網羅されています。
さらには、観客が着ている服、スクリーン上のビジュアルフィルター、80年代や90年代のテレビを見ているような、タイムスリップしたような演出。これらのすべてが一体となって、ほかにはない経験をもたらしてくれるのです。
――“Jordanチャレンジ”のお話が出ましたが、今回マイケル・ジョーダンさんをフィーチャーした理由をお教えください。
エリック“Jordanチャレンジ”は『NBA 2K11』に始まっているのですが、最初に比べて技術が格段に進歩したことが「よいタイミングだ!」ということで、今回採用しました。『NBA 2K23』にばっちりマッチしました。先端の美麗なグラフィックと洗練されたゲームプレイエンジンを使って、以前は触れることもできなかった方法で、まったく新しい世代のファンに、マイケル ジョーダンの物語を語り継ぐことができるのです。
そして、もちろん、“23”というのは、彼の背番号であり、彼を復活させることができる完璧な年であったと言えると思います。
――では、“Jordanチャレンジ”の魅力を教えてください。
エリック“Jordanチャレンジ”では、15のチャレンジを通して、彼のキャリアやライフストーリーをしっかりと伝えたかったです。ストーリー性、ナラティブ性が大きなポイントです。この“Jordanチャレンジ”で、彼がノースカロライナ大学に在籍していた1982年のナショナルチャンピオンシップから、1998年のブルズとしての最後のショットまで、彼のキャリアを見事に伝えられたと思います。
“Jordanチャレンジ”を制作するにあたっては、彼といっしょにプレイした選手やコーチなどにインタビューを実施しています。フィル・ジャクソンや、レイカーズのオーナーであるジーニー・バス、パトリック・ユーイング、デニス・ロッドマン、クリス・ポールなど、そうそうたる面々です。
ほかに類を見ないほど、“Jordanチャレンジ”は迫真性に溢れるものになっています。マイケル・ジョーダンのそばにいた人の生きた証言をしっかりと伝えました。
――数あるジョーダンの偉業の中で、ゲームの中に入れることに決めた15のチャレンジはどのようにして選ばれたのですか?
エリック15のチャレンジに集約していく過程はたいへんではありましたが、私たちは、“マイケル・ジョーダンのバスケットボール選手としての選手生命をよく捉えるように”、ということをつねに念頭に置きながら、ストーリー性の高いものやファンの中で「NBAレジェンド選手MJだよね」となる、レガシーのシーンですなど、ファンの人が喜んでくれるシーンを中心に選びました。
――名場面の再現というのはとてもたいへんそうですが、どのような苦労がありましたか?
エリックたいへんでした! たいへんということで言うと、何と言っても“マイキャリア”モードですね。ほかのスポーツゲームにも“マイキャリア”のようなモードはありますが、本作の“マイキャリア”は、ほかのどのようなゲームよりも際立っていると思います。
NBAの伝説になるチャンス、NBAのスターになるチャンス、そしてRPGのような形式で体験するチャンス、私たちが構築した堅牢な“街”で、多くのゲーム体験を提供しています。
――『NBA 2K』シリーズと言えば、“マイキャリア”ですものね。
エリック今回の“マイキャリア”は、非常に成熟した“マイキャリア”だということを強調したいです。本作はいままでの中で規模感もいちばん大きいですし、その中でできいる体験の幅が広く、登場人物も多く、とても楽しいです。たくさんの登場人物に出会えます。ラッパーのJ.コールや多くのNBA選手など、多くの有名人がカメオ出演していますし、本当に成熟した内容になっています。開発チームのたゆまぬ努力の賜物ですね。
“マイキャリア”は、つねに進化しています。“マイキャリア”はもちろん、“マイチーム”や“マイNBA“など、私たちは、ユーザーにとって『NBA 2k』シリーズがよりよいものになるように、毎年ゲームのあらゆるモードに手を入れています。
――プレイステーション5版とXbox Series X|S版には“ザ・シティ”が収録されていますが、その魅力をお教えください。
エリック“ザ・シティ”のいちばんの魅力は、生きている世界であり、自分ひとりでそこにいるのではないことだと思います。何百人、何千人、何万人もの『NBA 2K』をプレイしている人たちといっしょにいます。自分が日常生活を送りながら、NBAのキャリアを築くための冒険をしていると同時に、ほかのプレイヤーたちがどんな格好をして自分を表現しようと、同じことをしているのが見えるのです。
そして、街中で参加できるバスケットボールの試合など、さまざまなモードがあります。それはまるで、オンラインRPGのようなものです。できることがたくさんあるのです。そして、ほかの人たちが生き生きとしているのを見ると、本当に充実した体験ができます。
――“マイNBA”の、『NBA 2K23』における新機軸をお教えください。
エリックプレイステーション5版とXbox Series X|S版でプレイできる“マイNBA”は画期的な体験で、私たちは“My NBA Eras”と呼ばれるモードを再ブランド化しました。
プレイヤーは、“Magic vs Birdの時代”、“Jordanの時代”、“Kobeの時代”、“現代”という、NBAの歴史を語るうえで欠かせない4つの“時代”で楽しむことができます。その時代の名簿やロゴ、チームのフォーメーションについてのすべてが、完全にその時代で合わせて構築されています。それらの時代を出発点に、いずれかをさらに80年間ずっとプレイして、NBAの歴史を塗り替えることができるのです。
――最後に、日本の『NBA 2K』シリーズファンにメッセージをお願いします。
エリック私はエグゼクティブ・プロデューサーとして、日本の『NBA 2K』ファンの皆さんに、長年にわたるご支援に心から感謝したいです。開発チームは、『NBA 2K23』をこれまでで最高の『NBA 2K』にするために信じられないほど一生懸命に働いてきました。そしてそれは、私たちに多大なフィードバックを与え続けてくれているファンの皆さんのおかげです。そして、チームを代表して申し上げたいことがあります。これからも、最高のスポーツゲームを作り続けます!