スマートフォン向けゲーム『Fate/Grand Order』(FGO)の第2部 第5章“Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス 神を撃ち落とす日”のストーリーの結末まで触れるトーク番組“Spotlight Lostbelt No.5 オリュンポス”で公開された、シナリオライターのコメントや開発資料などを紹介する。
なお、本記事にはオリュンポスのネタバレが含まれている。未クリアーの人は注意してほしい。
Spotlight Lostbelt No.5 オリュンポス
第2部 第5章が前後編になった理由
第2部 第5章が前後編になった理由について、シナリオライターのコメントが公開された。
【ライターコメント全文】
アトランティスとオリュンポスは第2部の中盤の山場なので前後編構成をすると、1.5部を制作している時点で奈須さんから説明されていました。
“最強、一点の曇りもない異聞帯”、“オリュンポス十二機神”、“一般兵士がサーヴァントの強さに到達している技術レベル”、“SF技術によって市民が不老不死”と、やることが……やることが多い……!
オリュンポスの設定資料、機神のサイズ比較画像が公開
オリュンポスの世界観を作った際の資料(ラフ)が公開された。中には、機神のサイズ差を確認できる画像も。
デメテルを強くした理由
マスターを苦しめた豊穣の女神“デメテル”の強さについて、開発スタッフのコメントが公開された。
【開発スタッフコメント全文】
やはり最初の機神との戦闘であったので、神々の強大さを体感してもらう難易度にしていた。
また、豊穣の神であることから、再生の機能(権能)などもあり(HP回復・防御系の効果が相まって)印象に残る機神との戦闘になったのではないか。
なぜ“ふわふわのクロワッサン”だったのか
カイニスを懐柔するために使われたのが、なぜ“ふわふわのクロワッサン”だったのか、その理由についてライターコメントが公開された。
また、キリシュタリアがカイニスがカルデアに協力する可能性をどこまで感じとっていたかについても明かされた。
【ライターコメント全文】
クロワッサンは、家のホムンクルス(トゥール)に褒めてもらったことがあるのでした。
具体的には“いい顔をしてくれた”……ちょっと微笑んでくれた、くらいなのですが、幼いゴルドルフにとっては大いに胸を張れる大事件でした。
成人したいまもなお、強い思い入れのある、大切な、自慢の料理なんですね。
【カイニスの協力は予想できていたのか】
戦っているだけではまず協力しない、と考えていたはずです。「カルデアのマスターに理解は示すけれど、手を貸すまでは、ちょっとね。英霊カイニスのプライドの問題だ。ものわかりがいいクセに頑固だからね、彼」と紅茶を飲みながら微笑むキリ様。
そんなキリシュタリアの予想を超えた出来事があった、ということですね。
ゴルドルフが“キリシュタリアの能力・戦力”ではなく“キリシュタリアという人間について”を訊ねたことが、カイニスの頑固さをほぐしたのです。
破神同盟のメンバーの選定理由
オリュンポスで登場した“破神同盟”のメンバー選定意図について、ライターコメントが公開された。
【ライターコメント全文】
ゼウス神の強力な雷に対抗せねばならない。この命題を大前提としたアトランティスの英霊たちは、かなり意識して優先的に“雷電系の英霊”をオリュンポスへ送り届けたのでした。
結果として、オリュンポスに到達した英霊の多くは“雷電系の英霊”になっています。
マカリオス、アデーレが使った魔術とは?
マカリオスとアデーレが使った魔術について、ライターコメントが公開された。
【ライターコメント全文】
ふたりが使用していたのは“神代の魔術”の一種で間違いありません。神々を通して“根源の渦”にアクセスして、神秘を行使する魔術です。
口にする神の名はつまり、その神を通して神秘を行使している……という意味となりますので、魔術の種類ではなく“アクセスキーが十二種類”と考えてもらうのがわかりやすいかもしれません。
ひとつの神の名でも、具体的な発音や込められる意志や祈り等によって行使される神秘はさまざまなものになります。
また、マカリオスとアデーレは、アテナ神の端末である機械の梟(きかいのふくろう)ミネルヴァに魔術を教わりました。破神同盟の英霊エレナからも助言を受けていたようです。
なお、ふたちの魔術は“オリュンポスバージョン”とでも言うべきもので、メディアやキルケーの行使する“神代ギリシャの魔術”と原理こそ同じですが細部が異なります。
停滞したオリュンポスよりも、汎人類史の神代のほうが多彩な魔術に溢れていたことでしょう。
ゼウスの存在規模(ライフスケール)が減っていった理由
ブラックバレルによってゼウスを撃破する際、ゼウスの存在規模(ライフスケール)が減っていった理由についてライターコメントが公開された。
【ライターコメント全文】
異聞帯の機神ゼウスは“神々すべての機能(権能)”を一身に集めた結果、ほかの船より消耗が激しく、その寿命はもっとも短いものだったのでした。
このことを知っていたのはヘラ神のみであり、エウロペとの同化の際にはこぼれ落ちた記憶でした。
マシュがゼウスのライフスケールを見たときに表情を曇らせたのは、全能であるゼウスがもっとも過酷な稼働時間を重ねており、文字通りオリュンポスの人間のために限界まで奉仕していた機械だと理解したからです。
同情、敬意、そして、そんなゼウスが“人類史にとって敵でしかない”という事実への悲しみですね。
キリシュタリアについて、こやまひろかず氏のコメントが公開
キリシュタリアのデザインについて、イラストレーター・こやまひろかず氏のコメントが公開された。
【コメント全文】
キリシュタリアは確たる自信と美しさに裏打ちされてはいるものの、実力に比して自信過剰にはならないよう繊細なコントロールが要求されました。
これは実際のシナリオを読まれた皆さんも、うなずけるのではないでしょうか。
杖はキリシュタリアの出自を反映させた古い魔術と現代の工業技術を融合させるというコンセプトを盛り込めて、独自性のあるデザインにできて満足しています。
キリシュタリアが読み切れていなかったもの
キリシュタリアが読み切れていなかった展開について、ライターのコメントが公開された。
【ライターコメント全文】
対カルデアシフトの“異星の神”の使徒が、その役目を果たしていなかったこと。村正が使徒として選ばれていた理由。グランドサーヴァント登場そのものはあてこんでいたけど、ロムルス=クィリヌスであったことはびっくり。
第六異聞帯からの空想樹を焼きはらう行動。カドックがロックの話にのってこなかった。自動娼館に誘ってほしかった。
キリシュタリアが夢見ていたこと
さらに、キリシュタリアが新しい世界を作ることに成功していたとして、その先に何を夢見ていたのか。ライターコメントで明かされた。
【ライターコメント全文】
個人の能力が有限なものから(いずれ)無限なものになることで、個人の差別・比較・確執がなくなる。「それでも気に食わない相手を攻撃するのが人間じゃない?」というのは、知性水準が低いから起きるもの。
知性もワンランク上のステージにいっているので、「そんなことより自分を磨いたほうが効率いい」と誰もが考えるため、利益・幸福・充実を求めるための競争はなくなっている。
そのうえで、より大きな問題(宇宙の根底にある病巣)に向けて協力しあえる知的生命体になることなのだと思います。
ようは、みんながウ〇トラマンになる世界。
メモリアルイラストについて
キリシュタリアのメモリアルイラストについて、こやまひろかず氏のコメントが公開された。
【コメント全文】
シナリオの通り、カイニスとの最期の会話からイメージを膨らませました。何にも傷つけられることのない精神性は最期まで美しいまま。
静謐に包まれた厳かな空気感になればと思いながら仕上げました。
キリシュタリア役の声優・斉藤壮馬氏のコメント
キリシュタリアを演じた声優の斉藤壮馬氏のコメントが公開された。
【コメント全文】
数多くの縁がつながり声を担当させていただけたことに、感謝の気持ちはもちろんですが、どこか運命めいたものを(おこがましくも)感じております。
さまざまな表情を見せてくれる彼ですが、あくまでも自分の個人的な見解としては、愛の人、なのではないかなと解釈しています。
キリシュタリアの世界へのまなざしが、とても好きです。あと、いろいろな意味でユーモラスなところも。
毎回の収録は、余計なことを考えずに、セリフとキリシュタリアに忠実であることを心がけて臨みました。もっともっとたくさん彼の言葉を口にしたい。そんな気持ちでいっぱいです。
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