2007年9月13日にPSP(プレイステーション・ポータブル)用ソフトとして発売された『クライシス コア -FFVII-』のHDリマスター版となる『クライシス コア -FFVII- リユニオン』。本作はオリジナル版からグラフィックをHD化することはもとより、登場キャラクターなどの3Dモデルを一新。フルボイスへの対応や新たにアレンジされた楽曲を収録するなど、いたるところに手が加えられ、15年前に携帯ゲーム機で発売された作品とは思えないクオリティーに進化している。
本稿では東京ゲームショウ2022に出展されたプレイアブル版をプレイしたレビューをお届け。発売日も2022年12月13日と発表され、俄然、ソワソワ感も増してきた本作が、PSP版からどう変わったのかを動画とともに紹介していく。
プレイしたのはPS5版で、プレイ範囲は第1章のタンブリン砦から召喚獣イフリート戦まで。
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『FFVII リメイク』プレイ後でも違和感ないグラフィック
グラフィックはキャラクターの3Dモデルを一新するなど、『FFVII リメイク』のクオリティーに寄せてHD化されており、『FFVII リメイク』プレイ後でも違和感のない見た目になっている。ライティングやカメラワークも調整され、臨場感も増している。
新たにボイスが入ったカットシーンは新鮮
オリジナル版ではボイスが入っていなかったシーンにもボイスが追加され、PSPをプレイ済みの人も新鮮に楽しめるのもうれしいところ。なお、キャラクターの動き(演技)などは、PSP版を踏襲。当時、画面が小さいPSPの画面を意識したためか、いまのテレビ画面で見るとキャラクターの動きはややオーバーだったり、コミカルな印象も受けるが、これはこれで懐かしい気持ちに。
バトルもテンポ感がアップ! 技や魔法はショートカットボタンで簡単に発動できるなど、より快適に
グラフィックだけではなく、バトルにおいても『FFVII リメイク』が意識されており、アクションとなる本作のバトルのテンポ感もアップ。技や魔法はショートカットボタンに設定することで、楽に発動できたり、エフェクトなど煌びやかで、さまざまな点が現代的なバトルに昇華されている。
リミット技が任意に発動できたり、敵のスキル発動を阻止できたり、戦略性と緊張感もアップ
本作のバトルで大きな特徴と言えるのがバトル中に、画面左上のスロットのリールが回転と停止を自動的にくり返し、停止した際の絵柄と数字により、ステータスアップや強力なリミット技が使用可能になる、といった効果をランダムにもたらす“D.M.W(デジタルマインドウェーブ )”。
オリジナル版では絵柄が揃うと自動的にリミット技が発動していたため、あまり効果的ではないタイミングでの発動も少なくなかった。だが、本作ではリミット技が発動できるようになったら任意のタイミングで発動できるので、より戦略的に戦えるようになっているのだ。
また、中ボスクラスの敵の中には特別な技を使うものがおり、その技を発動する際は詠唱状態になってスキルパワーゲージが表示される、といった新要素も。敵を攻撃してゲージを減らすと、減らしたゲージに応じて技の威力が下がり、さらに時間内にゲージを削り切ることができれば、技の発動を阻止することも可能だ。
このスキルパワーゲージが表示される敵の特別な技によって、バトルに緊張感が生まれ、そのゲージが表示されたタイミングを狙って(発動してなかった)リミット技を使う、といった戦略性も生まれるバトルになっている。
来たる日に備えて
『クライシス コア -FFVII-』は、『FFVII』の前日譚でザックスの生きた証がクラウドに受け継がれるまでが描れた感動作だが、これまでPSP向けのオリジナル版しか発売されておらず、プレイすることが難しかった。だが、その作品が現世代ゲーム機でプレイできる。
『FFVII リメイク』で『FFVII』の世界に初めて触れた人もはもちろん、PSP版『クライシス コア -FFVII-』をプレイした人も新鮮にプレイできるものになっている。ザックスが重要なキャラクターのひとりになるという『FFVII リバース』をより楽しむために、『クライシス コア -FFVII- リユニオン』をぜひプレイしておこう。