バンダイナムコエンターテインメントより、2022年10月13日発売予定のプレイステーション4、Nintendo Switch、Xbox One、PC(Steam)用ソフト『ドラゴンボール ザ ブレイカーズ』。
本作は、セルやフリーザといった『ドラゴンボール』の代表的なライバルたち“レイダー”と、超戦士のようなパワーを持たない非力な一般市民“サバイバー”に分かれて、1対7で対戦を行う非対称型アクションゲーム。8月6日、7日に同作のクローズドネットワークテスト(以下、CNT)が開催された。本稿ではゲームルールの説明やCNTをプレイした印象などを語っていく。
『ドラゴンボール ザ ブレイカーズ』とは?
『ドラゴンボール ザ ブレイカーズ』とは、レイダーとサバイバーに分かれて展開される1対7の非対称型アクションゲーム。
サバイバーはフィールド内に散らばった“起動キー”を集めて一定数設置することで出現する“起動システム”にアクセスし、“超タイムマシン”を起動できれば勝利となる。ただし、起動システムはレイダーに破壊される可能性がある。起動システムが壊れている場合は、ビーコンから“脱出用タイムマシン”を呼び出せるようになるので、それを使って脱出を目指す。
対して、レイダーは起動システムや脱出用タイムマシンを破壊して脱出を阻止しながら、サバイバーを殲滅することが目的となる。
本作の特徴のひとつは、サバイバーがアイテムや変身(ドラゴンチェンジ)を使ってレイダーに立ち向かうことができる点。非対称型のゲームと言えば、サバイバーなどの逃げる側は、絶対的な相手に太刀打ちするのは無理な場合が多いが、本作ではレイダーにも体力が設定されており、これを0にすることでもサバイバーは勝利できる。
レイダーは、セルやフリーザといった『ドラゴンボール』に登場する強敵たちの中から選択可能。サバイバーはプレイヤーがカスタマイズしたアバターを使用することになる。
サバイバーは、スキンを装備することでブルマやウーロンなどのキャラクターの姿でプレイできる。
原作でセルやフリーザと闘った孫悟空やベジータたちはプレイヤーキャラクターとしてではなく、トランスボールという装備品として登場。サバイバーに装備することで、プレイ中にそのキャラクターの力を借りて、かめはめ波などの技を発動できるようになる。そして、力でレイダーに対抗するという仕組みだ。
逃げるだけではなくときには闘ってでもレイダーから生き延びる!
本作でサバイバーは、“時の綻び”に飲み込まれてしまい、時代を超えてセルやフリーザなどのさまざまなレイダーから逃げることになる。ゲームを開始するとこのあたりのストーリーの紹介とともにサバイバーの操作のチュートリアルが行われ、一通りの操作方法を学ぶことができた。
プレイヤーなどの時の綻びに飲み込まれた人を助けるためにタイムパトローラーが活動。トランクスもその一員として助けてくれる。
また、サバイバーは悟空たちの力を借りられるトランスボールやさまざまな効果を発揮するスキルなどを装備して対戦に臨める。スキルには、アクティブスキルとパッシブスキルがあり、それぞれ4つ装着が可能。
アクティブスキルは、対応したキーやボタンを押すことで発動できるもので、煙幕でレイダーの視界を遮ったり、サイヤ人が乗るポッドを呼んで任意のエリアに移動できたり効果はさまざま。一度使うと再使用には一定時間を空ける必要があるが、強力な効果を持つものばかりだ。
パッシブスキルは、装着すれば自動で効果を発揮し、心音でレイダーの接近を教えてくれるものやレイダーにやられたときに自動でドラゴンチェンジを行うものなどが用意されている。
チュートリアルを終えた時点では、操作自体もシンプルで気軽にプレイできるような印象を受けた。人数もレイダーがひとりに対して、サバイバーは7人と多いことから、サバイバーがかなり有利なのではないかと思ったところで、実際に対戦をしてみることに。
フィールドはA~EとXの6エリアに分けられており、A~Eエリアに1本ずつ隠されている起動キーを見つけて設置することでXのエリアに脱出に必要な起動システムが設置される。
というわけで、ゲームが始まって最初は各エリアに散らばって起動キーを探すことになる。この起動キーは見つけにくい場所に隠されているというわけではなく、フィールドに設置されている支給物資の中から入手できる。
支給物資の中からは、起動キーだけではなく、ドラゴンチェンジを使うのに必要なチェンジパワー、起動キーの場所などを表示してくれる起動キーレーダーなどが入手できる。
また、サバイバーを瞬時に回復する“仙豆”やレイダーを攻撃できる“ロケットランチャー”といったアイテムが入手できることもあり、これらはレイダーから逃げる際に有効だ。なお、アイテムは最大2個まで所持できる。
チェンジパワーは集めることでドラゴンチェンジができるようになり、悟空たちの力を借りられる。基本的にサバイバーは、アイテムやスキルを使わないとレイダーに攻撃できないが、例外がこの“ドラゴンチェンジ”。一定時間ではあるもののサバイバーが悟空やベジータなどの力を使って攻撃が行えるようになり、レイダーにダメージを与えられる。
ドラゴンチェンジにはレベルが1~3まであり、レベルが高いほど強力に。レイダーの進化レベルよりも低いとダメージを与えづらくなる。
チェンジパワーは集めることでドラゴンチェンジのレベルが上がっていく。レベルは最大3で、各レベルにトランスボールを装着できるので、レベル1のときは悟空、レベル3のときにはベジータというように使い分けることも可能。自分の好みに合わせてカスタマイズしよう。
ドラゴンチェンジは、キャラクターに変身というよりかはサバイバーに憑依して能力が使えるようになるといったような感じかも。
起動キーを入手できる支給物資と設置する場所は、毎回変わるようで、見つけるためにはとにかく動き回って支給物資を探すしかなさそう。ただ、起動キーレーダーを入手できればその限りではなく、近くの起動キーの場所を表示してくれるので、格段に探すのが楽に。
レーダーには、起動キーを表示するものだけではなく、フィールドにいる民間人の位置を表示するもの、ドラゴンボールを表示するものの3種類があるので、入手できたら有効活用したい。
民間人は救助することで、チェンジパワーやドラゴンボールをくれるので、できるだけ救助したい。
原作と同じようにドラゴンボールを7つ集めると神龍を呼び出せる。すべてを集めるのは難しいが、それに見合った願いをかなえてもらえる。ちなみにレイダーでも7つ揃えれば願いを叶えられるようだ。
そうして、アイテムなどを探しながら起動キーを見つけたらつぎは設置に。起動キーは一度見つけるとサバイバー全員で共有され、誰でも設置できる。
何度もプレイしてみたが、起動キーを集めて起動システムを設置するところまでは、高い確率で進められた。しかし、そこからが本番とばかりに脱出が難しくなる。
起動キーの入手場所や設置場所は毎回ランダムだが、起動システムの設置場所は固定されている。つまり、サバイバーは起動システムを守るため、レイダーは起動システムを破壊するために同じ場所に集まることになってしまう。
ドラゴンチェンジを使用したとしても、直接対面するとレイダーのほうが圧倒的に有利なので、ここからはサバイバーどうしの協力が重要になる。
具体的には、何人かがドラゴンチェンジを使用して、レイダーと闘って足止めをしているうちに残ったサバイバーで起動システムのゲージをためて超タイムマシンを起動させるか、全員でドラゴンチェンジを使用してレイダーを倒してしまうかだ。
ドラゴンチェンジのレベルがレイダーの進化レベルと同じサバイバーが複数いれば倒すことも可能なので、そちらを狙ってもいいだろう。
ゲーム内では、定型文のチャットしかできなかったので、細かい意思疎通は難しかったが、起動システムの設置後の動きは上記のふたつだろうというのは、多くのプレイヤーが思っていたようで、レイダーの進化レベルとドラゴンチェンジのレベルを確認してチャットなどを行わなくても自然にどちらかの作戦をとっているサバイバーが多い印象を受けた。
もちろん、起動システムが出現したときには、既にサバイバーの数が減っており、起動システムを破壊されることもしばしば。その場合は、ビーコンが出現してもうひとつの脱出方法である脱出用タイムマシンを呼び出せるようになる。
ただし、こちらは起動システムで超タイムマシンを起動できたときとは異なり、脱出用タイムマシンに触れているサバイバーしか脱出できない(超タイムマシンを起動した場合は、その時点で生き残っているサバイバー全員が脱出成功となる)。その代わり、ビーコンから呼び出すタイムマシンはフィールドを移動できるという特徴がある。
この脱出用タイムマシンが破壊されると脱出方法がなくなり、サバイバーの負けが確定してしまう。そのためすぐにでも脱出をしたい。だが、できるだけ多くの人数で脱出しようとするとレイダーに見つかりやすくなってしまうので、ひとりでもいいから脱出するのか、ぎりぎりまで粘ってほかのサバイバーとともに脱出を目指すかという選択を迫られる。
実際にレイダーの目を盗んで全員で脱出できたり、すべてのサバイバーとともに脱出することを諦めて泣く泣く脱出したりと、最後まで気が抜けないゲームを楽しむことができた。
セルやフリーザの各形態や行動などがゲーム内で再現。圧倒的な力でサバイバーを追い込む快感を味わえる
サバイバーを何度もプレイした後で、レイダーにも挑戦。サバイバーをプレイしている感じだとサバイバー側に有利な要素が多い印象で、うまく脱出を阻止できるかかなり心配だった。
なお、今回のクローズドネットワークテストでは、レイダーとしてセルとフリーザが登場。せっかくなので、まずは今回から追加されたフリーザでプレイしてみることに。
セル
フリーザ
レイダーは、進化レベルというものが用意されており、最大で4まで上げられ、レベルが上昇するほど新しいスキルや強力な攻撃が可能になる。いくら強大な力を持つレイダーと言えど、レベルが低いときにサバイバーたちに囲まれてしまうと不利になる可能性が高い。最初のうちはサバイバーに見つからないようにするか、孤立しているところを狙うのがよさそうだ。
また、進化レベルが1あがるごとに1回だけA~Eエリアのうちのひとつを任意で破壊できるのも本作の特徴のひとつ。
このエリア破壊が重要で、エリアを破壊すればサバイバーが活動できるエリアが狭くなり、発見しやすくなるというメリットがある。対して、サバイバー側としても起動キーの設置に必要なエリアの数が減ることになるので、レイダーとサバイバーのどちらにもメリットがあるのがおもしろいところ。
プレイして感じたのは、レイダーのほうがエリア破壊のメリットが大きいかも。破壊するエリアは起動キーが設置されているエリアを狙うのがよさそう。もしくは起動キーが発見済みなのにまだ設置できていないエリアは、設置するためにサバイバーがいることが予想されるため、そこを狙うのもありかもしれない。
フリーザでプレイすると進化レベル1のときは、原作と同じように移動用のポッドに乗った第1形態でスタート。登場時にはザーボンとドドリアもいっしょに現れるので、ファンにはそれだけでもテンションがあがる演出なのではないだろうか。
始めてみるとサバイバーのときとは違って、エリアの広さにけっこう戸惑ってしまった。というのも、サバイバーはあくまで一般人という設定。できることと言えば、現実の我々ができるようなこととほとんど変わらず、自力で空を飛ぶことなんて不可能。
しかし、セルやフリーザは作中で当然のように空を飛んで移動して闘っている。それは本作でも同じで、横だけのサバイバーと異なり、縦にも移動できるようになるので(サバイバー側でも崖に掴まって登ったりすることが可能)、フィールドがより広く感じてしまう。
とはいえ、サバイバーが空を飛んだりすることはほとんどないので、空中を探す必要がないのはありがたいところ。それに最初こそサバイバーを探すのは難しいと思ったのだが、プレイを続けていると意外とそんなことはないと気付いた。
その理由は、フィールド自体の視界がよく、かなり遠くの豆粒みたいな大きさのサバイバーでも動いているのがかなり目立つからだ。レイダーは通常攻撃で遠距離からサバイバーを攻撃できるうえに、ある程度の距離まで近づけば、自動でロックオンしてくれるので、サバイバーを発見さえしてしまえばこっちのもの。簡単にサバイバーを倒すことができた。
ビルや洞窟などの空中からは中が見えないところに隠れられたら見つけようがない。ビルなどの建造物は破壊できるので、時間はかかるがすべて破壊して更地にするのもありかも。
そして、サバイバーを倒したりしていくと進化レベルがあがっていき、どんどん強力になっていく。フリーザだと進化レベル2で第2形態、進化レベル3で第3形態、MAXの進化レベル4で第4形態、セルだと幼虫形態で始まり、進化レベル2で第1形態、進化レベル3で第2形態、MAXの進化レベル4で完全体になることができた。
セルは作中で人間の生体エキスを吸って強くなったが、本作でもそれが再現されている。サバイバーを倒す以外に民間人の生体エキスを吸うことでも進化レベルをあげられる。
当然、進化レベルが上がると強力になっていくのだが、個人的にわかりやすく強化されると感じたのが遠距離への通常攻撃。進化レベルが高くなるにつれ、何発も連続で攻撃できるようになり、サバイバーをかなり追い詰めやすくなった。
通常攻撃で倒したサバイバーは一度までなら倒してもほかのサバイバーから蘇生されてします。しかし進化レベル4以上では、フィニッシュまで攻撃することで一度も倒したことのないサバイバーでも、問答無用で倒してゲームから除外することができる。そのおかげもあり、筆者が初めてレイダーでプレイしたときでも簡単に2、3人を倒すことができたくらい、バランスはいいように感じた。
それでも、起動システムの出現までにすべてのサバイバーを倒すことは難しく、超タイムマシンを巡る闘いにまで発展することがほとんど。ここまでに来るとそれまでにどれだけサバイバーを倒しているか、進化レベルがいくつになっているかが勝負のポイントとなる。
進化レベルが4になっていれば、サバイバーがドラゴンチェンジを使用しても、余裕であしらえるくらいには戦力の差が開いているのでかなり有利。逆にこの時点で進化レベル2以下だと、為す術なく脱出を許してしまうことがほとんどだった。
追いかけっこの要素と『ドラゴンボール』らしいアクション要素がうまく融合
本作をプレイする前は、人数やフィールドの広さを考えるとサバイバーが圧倒的に有利だと思っていたが、実際にプレイした感じではレイダーによるエリアの破壊などがあり、思ったよりサバイバーの有利はなかった。
起動システムの出現までは、レイダーが鬼でサバイバーが鬼から逃げるかくれんぼや鬼ごっこの要素が強いが、出現後は超タイムマシンを巡ってのレイダーとサバイバーが闘うアクション要素が強めになり、『ドラゴンボール』らしさもうまく融合しているように感じた。もちろん、本作のサバイバーの目的は脱出することなので、闘うことはあくまでひとつの手段だが、戦闘要素が組み込まれることで、メリハリがつきほかの作品との差別化もできているのではないだろうか。
今回のCNTのレイダー側では、セルとフリーザでプレイできたが、『ドラゴンボール』の作中には魔人ブウやピッコロ大魔王など、ほかにも多くの敵が登場しているので、どのキャラクターが使えるのか続報も楽しみだ。